【EIGRP】隣接テーブルとトポロジーテーブルの確認

 EIGRPでは経路をやり取りするルータ間で隣接(ネイバー)関係となり、経路情報を交換後、各ルータでトポロジテーブルを構築します。ルーティングテーブルはこのトポロジテーブルから構築されます。

 R2とR3間でEIGRPネイバーになり、お互いのループバックアドレスの経路情報を交換します。まず、R2のEIGRPネイバーの情報は show ip eigrp neighbor で確認できます。

R2# show ip eigrp neighbors 
EIGRP-IPv4 Neighbors for AS(100)
H   Address                 Interface              Hold Uptime   SRTT   RTO  Q  Seq
                                                   (sec)       (ms)      Cnt Num
0   192.168.23.3            Fa0/0.23               10  00:16:09   36   216  0   4
  • Address  : ネイバールータのIPアドレス。
  • Interface:ネイバールータを学習したインタフェース
  • Hold(sec):ネイバー毎のホールドタイムまでの残時間。この値がゼロになるとネイバー関係を解消します。デフォルトのホールドタイムは15秒です。5秒毎にHelloパケットを受信するとホールドタイム値である15秒にリセットされます。
  • Uptime:ネイバーが稼働している時間
  • SRTT(ms):スムーズラウンドトリップ時間。EIGRPパケットをネイバーに送信してから、Ackが返答されるまでの平均時間
  • RTO:再送信タイムアウト。EIGRPパケットを再送信するまでにACKを待つ時間。
  • Q Cnt:送信を待機しているキュー内のEIGRPパケット。正常時はゼロ。この値が増えているということは、ネットワークが輻輳している可能性があります。
  • Seq Num:ネイバーから受信した最後のEIGRPパケットのシーケンス番号。

 ネイバーが確立されると、ルート情報が交換され、トポロジテーブルに保存されます。トポロジテーブルは show ip eigrp topology で確認できます。

R2# show ip eigrp topology 
EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(100)/ID(2.2.2.2)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 


P 192.168.23.0/24, 1 successors, FD is 28160
        via Connected, FastEthernet0/0.23
P 2.2.2.2/32, 1 successors, FD is 128256
        via Connected, Loopback0
P 3.3.3.3/32, 1 successors, FD is 156160
        via 192.168.23.3 (156160/128256), FastEthernet0/0.23

 ルート毎にその状態をコードで表します。

  • P – Passive:ルート情報が安定している
  • A – Active:ルート情報を認識していない
  • U – Update:Updateパケットが送信された
  • Q – Query:Queryパケットが送信された
  • R – Reply:Replyパケットが送信された
  • r – reply Status:Queryパケットを送信し、応答を待っている
  • s – sia Status:Queryパケットの応答を3分以上受信していない。この状態になると、ネイバーとの隣接関係を解消し、Active状態になります。

Active/Passiveと聞くと、Activeの方が、良好なイメージがありますが、ルーティング(EIGRPやBGP)においては、Activeとは良い状態ではありません。

R2# show ip eigrp topology 
EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(100)/ID(2.2.2.2)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 


P 192.168.23.0/24, 1 successors, FD is 28160
        via Connected, FastEthernet0/0.23
P 2.2.2.2/32, 1 successors, FD is 128256
        via Connected, Loopback0
P 3.3.3.3/32, 1 successors, FD is 156160
        via 192.168.23.3 (156160/128256), FastEthernet0/0.23
  • P 3.3.3.3/32:対象のルートがPassive状態である
  • 1 successors:1つサクセサがあること意味します。
  • FD is 156160:フィージブルディスタンスが156160 です。
  • (156160/128256) :前半156160がフィージブルディスタンスで、後半128256がアドバタイズディスタンスです。

 このトポロジテーブルを元に、ルーティングテーブルが構築されます。

R2# show ip route eigrp 
Codes: L - local, C - connected, S - static, R - RIP, M - mobile, B - BGP
       D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area 
       N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
       E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2
       i - IS-IS, su - IS-IS summary, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2
       ia - IS-IS inter area, * - candidate default, U - per-user static route
       o - ODR, P - periodic downloaded static route, H - NHRP, l - LISP
       + - replicated route, % - next hop override

Gateway of last resort is not set

      3.0.0.0/32 is subnetted, 1 subnets
D        3.3.3.3 [90/156160] via 192.168.23.3, 01:48:14, FastEthernet0/0.23

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