【EIGRP】隣接テーブルとトポロジーテーブルの確認

EIGRP のルータは、Hello で見つけた相手とネイバーになり、ネイバーと経路情報を交換してトポロジテーブルを作ります。ルーティングテーブルには、トポロジテーブルの中から選んだ最適な経路が入ります。この記事では、R2 でネイバーテーブル、トポロジテーブル、ルーティングテーブルを順に見て、それぞれの表示の意味を確認します。

この記事でわかること
  1. 3つのテーブル(ネイバー、トポロジ、ルーティング)の関係
  2. show ip eigrp neighbors の各項目の意味
  3. show ip eigrp topology のコード(Passive/Active など)と FD・AD の読み方

EIGRP の3つのテーブル

EIGRP は、次の3つのテーブルを持ちます。ネイバーテーブルにいるネイバーから受け取った経路がトポロジテーブルに入り、その中から DUAL(EIGRP の経路計算)で選ばれた経路がルーティングテーブルに入ります。

ネイバーテーブルHello で見つけたネイバーの一覧(Hold、SRTT など)show ip eigrp neighbors Update トポロジテーブルネイバーから学んだすべての経路と距離(FD、AD)show ip eigrp topology 最適経路 ルーティングテーブル実際の転送に使う経路(D のルート)show ip route eigrp
図1 EIGRP の3つのテーブルと確認コマンド

検証構成

R2 と R3 が EIGRP AS 100 のネイバーになり、お互いのループバックの経路を交換しています。

EIGRP AS 100 Lo02.2.2.2/32Lo03.3.3.3/32 R2R3 .2.3 192.168.23.0/24 Fa0/0.23 Fa0/0.23
図2 検証構成

ネイバーテーブルを確認する

R2 のネイバーは show ip eigrp neighbors で確認します。

R2

R2# show ip eigrp neighbors 
EIGRP-IPv4 Neighbors for AS(100)
H   Address                 Interface              Hold Uptime   SRTT   RTO  Q  Seq
                                                   (sec)       (ms)      Cnt Num
0   192.168.23.3            Fa0/0.23               10  00:16:09   36   216  0   4
表示意味
Hネイバーを学習した順番(0 から)
Addressネイバーの IP アドレス
Interfaceネイバーからの Hello を受け取っているインタフェース
Hold (sec)ホールドタイムの残り秒数。0 になるとネイバーをダウンにする。既定ではネイバーが15秒を伝えてくるので、約5秒ごとに Hello を受け取るたびに15へ戻る
Uptimeネイバーになってからの時間
SRTT (ms)スムーズラウンドトリップ時間。EIGRP パケットを送ってから確認応答(ACK)が返ってくるまでの時間の平均
RTO再送タイムアウト。ACK が返ってこないときに、再送するまで待つ時間(ms)
Q Cnt送信待ちの EIGRP パケット(Update、Query、Reply)の数。通常は 0。増え続ける場合は、回線の混雑やネイバーの応答の遅れを疑う
Seq Numネイバーから最後に受け取った Update、Query、Reply のシーケンス番号

Hello 間隔とホールドタイムの関係は Hello 送信時間とホールドタイム で詳しく扱っています。

トポロジテーブルを確認する

ネイバーから受け取った経路は、トポロジテーブルに保存されます。show ip eigrp topology で確認します。

R2

R2# show ip eigrp topology 
EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(100)/ID(2.2.2.2)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 


P 192.168.23.0/24, 1 successors, FD is 28160
        via Connected, FastEthernet0/0.23
P 2.2.2.2/32, 1 successors, FD is 128256
        via Connected, Loopback0
P 3.3.3.3/32, 1 successors, FD is 156160
        via 192.168.23.3 (156160/128256), FastEthernet0/0.23

行の先頭のコードは、その宛先についての EIGRP の状態を表します。

コード意味
P – Passive経路計算をしていない状態。経路が安定している
A – Active経路計算をしている状態。サクセサを失い、代わりの経路をネイバーに問い合わせている
U – Updateこの宛先について Update パケットを送った
Q – Queryこの宛先について Query パケットを送った
R – Replyこの宛先について Reply パケットを送った
r – reply StatusQuery を送り、Reply を待っている
s – sia StatusActive のまま Reply が長く返ってこない(SIA:Stuck In Active)

Active と聞くと活発で良い状態に思えますが、EIGRP の Active は「経路を失って探している」状態です。正常なときは、すべての経路が P(Passive)になっています。

P(Passive)経路が安定、計算していない A(Active)Query を送って経路を探している サクセサを失い、代わりの経路 (フィージブルサクセサ)もない すべてのネイバーから Reply がそろう
図3 Passive と Active
SIA(Stuck In Active)

Active の経路は、すべてのネイバーから Reply が返ってくるまで Passive に戻れません。Reply が既定でおよそ3分返ってこないと、EIGRP は Reply を返さなかったネイバーとの関係をリセットします。ネイバーが頻繁にリセットされるときは、SIA のログが出ていないか確認します。

show ip eigrp topology:3.3.3.3/32 の行の読み方

R3 のループバック 3.3.3.3/32 の行を例に、各項目を読みます。

R2

R2# show ip eigrp topology 
EIGRP-IPv4 Topology Table for AS(100)/ID(2.2.2.2)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
       r - reply Status, s - sia Status 


P 192.168.23.0/24, 1 successors, FD is 28160
        via Connected, FastEthernet0/0.23
P 2.2.2.2/32, 1 successors, FD is 128256
        via Connected, Loopback0
P 3.3.3.3/32, 1 successors, FD is 156160
        via 192.168.23.3 (156160/128256), FastEthernet0/0.23
表示意味
P 3.3.3.3/32この宛先は Passive(安定している)
1 successorsサクセサ(実際に使う次の転送先)が1つある。ルーティングテーブルに入るネクストホップの数と同じ
FD is 156160フィージブルディスタンス(FD)。この宛先への最小のメトリック
via 192.168.23.3この経路を広告してきたネイバー。最初の via がサクセサ
(156160/128256)前の値は、このネイバー経由で計算した R2 からのメトリック。後ろの値は、ネイバー(R3)が広告してきたメトリックで、アドバタイズドディスタンス(AD)と呼ぶ

サクセサ経由の経路では、前の値(156160)は FD と同じになります。経路が複数あるときは、サクセサ以外の経路も via として並び、その前の値は FD とは限りません。FD と AD の使い方は FD と AD、メトリックの計算は メトリック計算(K 値) を参照してください。

ルーティングテーブルを確認する

トポロジテーブルで選ばれたサクセサの経路が、ルーティングテーブルに入ります。3.3.3.3/32 が、メトリック 156160、ネクストホップ 192.168.23.3 で登録されています。

R2

R2# show ip route eigrp 
Codes: L - local, C - connected, S - static, R - RIP, M - mobile, B - BGP
       D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area 
       N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
       E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2
       i - IS-IS, su - IS-IS summary, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2
       ia - IS-IS inter area, * - candidate default, U - per-user static route
       o - ODR, P - periodic downloaded static route, H - NHRP, l - LISP
       + - replicated route, % - next hop override

Gateway of last resort is not set

      3.0.0.0/32 is subnetted, 1 subnets
D        3.3.3.3 [90/156160] via 192.168.23.3, 01:48:14, FastEthernet0/0.23

[90/156160] の 90 は EIGRP 内部ルートのアドミニストレーティブディスタンス、156160 はトポロジテーブルの FD と同じメトリックです。

まとめ

テーブル確認コマンド見るポイント
ネイバーテーブルshow ip eigrp neighborsネイバーがいるか、Hold が 0 に近づいていないか、Q Cnt が 0 か
トポロジテーブルshow ip eigrp topologyすべての経路が P(Passive)か、FD と AD の値
ルーティングテーブルshow ip route eigrpサクセサの経路が D で入っているか

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