EIGRPルータ間でやり取りされるパケットは大きく5種類(Hello / Update / Query / Reply / Ack)に分類されます。
EIGRPの基本設定は以下を参考にしてください。
>> 参考 : 基本設定とネイバー・ルーティングテーブルの確認![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/7A30D8FF-285F-49A7-8FEF-8B249D9F0C1C.png)
RTP(Reliable Transport Protocol)
EIGRPパケットは、TCPやUDPではなく、RTP(Reliable Transport Protocol)を使用し、確認応答を行うことで信頼性を高めます。プロトコル番号は88を使用します。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/7B4F1713-3BB8-4DA5-AE92-D3FBD12F63AE.png)
では、Helloパケットから見ていきます。
Hello
ネイバーの検出のためにEIGRPネイバー間で送受信されます。Helloパケットの詳細を確認します。 Helloパケットは、マルチキャストアドレス224.0.0.10宛に送信されます。Helloの中身には、自身のAS番号やK値が含まれます。この値は対向のルータで一致していないと、隣接関係にはなりません。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/8C6DE8CD-73A2-4FFA-8476-BE0A8D8970AE.png)
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/FE73D61C-4E23-4D2F-95DA-52D1AACCDBBE.png)
最後にホールドタイムを15秒として通知しています。Helloパケットの送信間隔はイーサネットの場合、デフォルト5秒です。ホールドタイムとは、Helloパケットを受信しなくとも、隣接関係を維持する時間で、デフォルトでは、Helloの送信間隔の3倍です。対向のルータへホールドタイムを通知し、対向ルータ側でホールドタイム値が適用されます。
Update
ルーティング情報の更新パケットです。R3でループバックアドレス(3.3.3.3/32)を設定します。すると、R3から3.3.3.3/32のルーティング情報が追加されたことをUpdateパケットとしてR2へ通知されます。Updateはマルチキャスト224.0.0.10宛に送信されます。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/9E750990-71D8-4DE8-A0ED-A24ED04BBD8C.png)
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/B936F004-237E-476A-87F8-B88306F1E4F1.png)
R3からのUpdateパケットに対して、R2はユニキャストでAckを返答します。UpdateパケットにはSequence番号(上記の場合は8)があり、Ackは、Acknowledgeにこのシーケンス番号を埋めて返信します。メッセージのコードとしてはHelloと同じです。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/C79BB2AE-5070-42FC-A1EA-FE0F4366AADB.png)
Query
特定のルート情報を失った場合に、隣接ルータへ、そのルートへの情報がないかQueryパケットにより問い合わせします。 R3でループバックをシャットダウンすると、3.3.3.3/32のルートを失うため、隣接ルータであるR2へQueryパケットを送信します。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/C5397B08-1BE5-4CBE-8D79-A4A886D395E0.png)
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/3AA2B897-A7B2-47E0-9FE1-C9DDE192958E.png)
R3からのQueryに対して、R2はAckを返信します。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/1DC4B02F-08C5-484D-8D9B-40627FAF7E44.png)
R2には、3.3.3.3/32のルート情報を持たないため、Replyパケットの中で、メトリックの遅延部分を最大値(無限)にして通知します。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/3DB3CA8D-CE61-4048-B85A-1DABA5470574.png)
最後にR3からReplyに対してのAckを返信します。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/3C528652-F3D9-475C-BCA3-C0F16ABEB81E.png)
コメント