WSUS (Windows Server Update Services)設定と動作確認

WSUS (Windows Server Update Services) は、マイクロソフトが提供する Windows デスクトップおよびサーバーのセキュリティおよびその他の更新プログラムを管理サーバがダウンロードして、ローカルで管理するシステムです。
Windows デスクトップやサーバーのアップデートを中央から管理することで、個々のコンピューターを個別にアップデートすることなく、アップデートを一括で適用できるため、管理のしやすさやセキュリティの強化が期待できます。また、アップデートを適用する前に一部のコンピューターでテストを行い、問題が発生した場合は、アップデートの適用を中止することができます
この記事では、ドメイン環境(hirotanoblog.local)にて、WSUSサーバ(ホスト名:WSUS)を構築し、パイロットサーバ(ホスト名:win2019-pilot)に対して、更新プログラムを適用する構成を設定、動作確認していきます。

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WSUSのインストール

WSUSサーバ(ホスト名:WSUS)にて、WSUSのインストールを実行します。
サーバマネージャより 管理 >> 役割と機能の追加 をクリックします。

次へをクリックします。

役割ベースまたは機能ベースのインストールが選択されていることを確認し、次へをクリックします

次へをクリックします

Windows Server Update Service にチェックを入れます。

機能の追加をクリックします。

Windows Server Update Service にチェックが入っていることを確認し、次へをクリックします。

次へをクリックします

WSUSの注意事項が表示されます。次へをクリックします

Windows内部データベースWID)を使用します。
WID ConnectivityWSUS Services にチェックが入っていることを確認し、次へをクリックします。

更新プログラムをWSUSサーバのローカルに保存します。保存先(下記の例はC:\WSUS)を設定し、次へをクリックします。本番環境では、システムドライブではなく、DやEなどのデータ用ドライブに保存してください。

次へをクリックします

次へをクリックします

インストールをクリックします。

しばらくすると、下記のとおり、インストールが完了します。
インストール後のタスクを起動する をクリックします。

しばらくし、構成が正常に完了しました と表示されることを確認します。
確認後、閉じるをクリックします。

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WSUSの基本設定

WSUSサーバ(ホスト名:WSUS)にて、基本設定を実施します。

サーバーマネージャーより ツール >>Windows Server Update Services をクリックします。

設定ウィザードが表示されます。次へをクリックします。

必須ではないため、「はい、Microsoft Updata品質向上プログラムに参加します」のチェックを外し、次へをクリックします。

1台目のWSUSサーバなので、「Microsoft Updateから同期する」にチェックが入っていることを確認し、次へをクリックします。

プロキシサーバ経由の場合に設定します。今回は直接インターネットへ接続していますので、なにもせず、次へをクリックします。

接続の開始 をクリックします。利用できる更新の種類や言語が取得されます。

下記のとおり、接続が開始されます。

しばらくすると、接続が完了します。次へをクリックします。

ダウンロードする言語を選択します。日本語のみダウンロードするため、日本語を選択し、次へをクリックします。

製品を選択します。今回、テストとして更新プログラムを適用するのは、Windowsサーバ2019なので、Windows Server 2019だけチェックを入れて、次へをクリックします。

分類を選択します。下記3つにチェック(既定)が入っていることを確認し、次へをクリックします。

  • セキュリティ問題の修正プログラム
  • 重要な更新
  • 定義更新プログラム

更新プログラムの同期タイミングを設定します。
自動同期も可能ですが、今回は、テストなので、手動で同期する(既定)にチェックを入れ、次へをクリックします。本番環境では、日中の業務影響を考慮し、夜間帯などで、自動同期することをおすすめします。

すぐに初期同期を開始したいため、初期同期を開始します にチェックを入れ、次へをクリックします。

完了をクリックします。

WSUSのダッシュボードが表示され、同期が開始されていることを確認できます。

しばらくすると、同期が完了し、状態がアイドルとなります。

更新プログラム >> すべての更新プログラムで、状態を任意に変更し、最新の情報に更新をクリックすると、同期された更新プログラムの一覧が確認できます。

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グループポリシー作成

パイロットサーバ(win2019-pilot)がWSUSサーバへ接続するためにAD上でグループポリシーを設定します。

OU作成

下記のように、AD上にWSUS-Testという名前のOUを作成し、パイロットサーバ(win2019-pilot)をグループのメンバーにしています。

GPO作成

グループポリシーの管理より、グループポリシーオブジェクトとして、WSUS-GPOを新規作成します。

WSUS-GPO を右クリックし、編集をクリックします。

コンピューターの構成 >>ポリシー>>管理用テンプレート>> Windowsコンポーネントから Windows Update へ移動します。

イントラネットのMicrosoft更新サービスの場所を指定する

接続するWSUSサーバを指定します。
イントラネットのMicrosoft更新サービスの場所を指定する をクリックします。

有効にチェックを入れ、WSUSサーバのFQDNは、WSUS.hirotanoblog.local とし、下記を2項目を設定します。

  • 更新を検出するためのイントラネットの更新サービスを設定する:端末が更新プログラムを検出して、ダウンロードするためのサーバを指定。 http://WSUS.hirotanoblog.local:8530 と設定。
  • イントラネット統計サーバーの設定:端末の更新完了後の統計情報アップロード先を指定。http://WSUS.hirotanoblog.local:8530と設定。

設定して適用をクリックします。

自動更新を構成する

更新プログラムの自動ダウンロード、インストールに関連する設定です。

自動更新を構成する をクリックします。

有効にチェックを入れ、自動更新の構成などを指定します。

自動更新の構成では、下記のパターンが選択できます。

  • ダウンロードと自動インストールを通知
  • 自動ダウンロードし、インストールを通知
  • 自動ダウンロードしインストール日時を指定
  • ローカルの管理者の設定選択を許可
  • 自動ダウンロード、インストール時の通知、再起動を通知

今回は、既定の自動ダウンロードし、インストールを通知 を選択します。
この場合は、更新プログラムがバックグラウンドでダウンロードされて、インストール準備ができたことが通知されます。インストールは手動で行います。

GPOのリンク

OU(WSUS-Test)に対して、WSUS-GPOをリンクします。

グループポリシーの適用

win2019-pilot にて、GPOを手動適用します。(gpupdate)

GPOの適用結果を確認します(gpresult)。WSUS-GPOが適用されていることが確認できます。

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コンピューターの登録

WSUSサーバのUpdate Serviceのダッシュボードで、コンピューター >> すべてのコンピューター >> 割り当てられていないコンピューターにて、状態を任意に変更し、最新の情報に更新 をクリックします。

まだ、パイロットサーバ(win2019-pilot)は登録されていませんので、手動で登録します。
パイロットサーバ(win2019-pilot)で 下記のPowerShellを実行します。これにより、コンピューターが既定では、割り当てられていないコンピューターへ登録されます。
$AutoUpdates = New-Object -ComObject "Microsoft.Update.AutoUpdate"
$AutoUpdates.DetectNow()

最新の情報に更新 すると、下記のとおり、コンピューターが登録されました。

すべてのコンピューターを右クリックして、コンピューターグループの追加をクリックします。

任意の名前(今回は、パイロットとします)を設定し、追加をクリックします。

登録されたコンピューターを右クリックし、メンバーシップの変更をクリックします。

先ほど設定したグループ(パイロット)を選択し、OKをクリックします。

コンピューター(win2019-pilot)はパイロットという名前のグループに登録されました。

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更新プログラムの承認

登録されたコンピューターに対して、更新プログラムを承認したいと思います。
更新プログラム >> すべての更新プログラムへ移動し、状態を任意として、最新の情報に更新後、更新プログラムの一覧を表示します。例えば、更新プログラム(KB5021085)を承認し、コンピューターへ適用します。

更新プログラム(KB5021085)を右クリックし、承認をクリックします。

グループに対して、更新プログラムの承認画面が表示されます。パイロットグループを右クリックし、インストールの承認をクリックします。

下記のように、パイロットグループのマークが緑色に変更されたことを確認し、OKをクリックします。

承認が処理され、下記のとおり成功します。

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更新プログラムのダウンロード・インストール(手動)

コンピューター(win2019-pilot)にて、更新プログラムのダウンロード、インストールを確認します。
サーバーマネジャーを確認すると、Windows Updateが 管理された更新サービスを使用して更新プログラムのダウンロードのみを行う と表示されています。

クリックすると、一部の設定は組織によって管理されています と表示され、グループポリシーが機能していることを確認できます。今回は、更新プログラムを手動で確認します。更新プログラムのチェック をクリックします。

すると、さきほど承認したKB5021085のダウンロードが開始されます。

ダウンロードが完了すると、再起動が促されます。再起動後、更新プログラムが適用されます。

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