【Windows Server 2019】iSCSIの設定と動作確認

ストレージエリアネットワーク(SAN)は、サーバとストレージをつなぐストレージ専用のネットワークの総称です。iSCSI(Internet Small Computer System Interface)や FC(Fibre Channel)を使い、ネットワークの先にあるブロックストレージにアクセスします。

ブロックストレージは、データを「ブロック」という単位で読み書きするストレージです。使う側のサーバからは、内蔵のハードディスクと同じようにディスクとして見え、初期化やフォーマットも自分で行います。この点が、フォルダ単位で共有するファイル共有(SMB)との違いです。

この記事では、IP ネットワークだけで SAN を組める iSCSI を Windows Server 同士で構成し、動作を確認します。実務では専用のストレージ装置を使うことが多いですが、今回は Windows Server をストレージ(iSCSI ターゲット)として使います。

この記事でわかること
  1. iSCSI ターゲット サーバーのインストール
  2. iSCSI 仮想ディスクと iSCSI ターゲットの作成
  3. iSCSI イニシエーターからターゲットへの接続
  4. 接続したディスクの初期化とボリュームの作成
  5. ローカル ディスクとして使えることの確認
検証環境について

この記事は Windows Server 2019 で検証した内容です。Windows Server 2019 のメインストリーム サポートは 2024年1月9日に終了しており、延長サポートは 2029年1月9日までです。

構成

ストレージを提供する側を iSCSI ターゲット、ストレージを使う側を iSCSI イニシエータ といいます。今回は Storage-SV を iSCSI ターゲットにして 10 GB の iSCSI 仮想ディスクを作り、iSCSI イニシエータの SRV-1 から接続して F ドライブとして使います。

SRV-1iSCSI イニシエータIP(伏せています)F ドライブiSCSI(TCP/IP、ポート 3260)ブロック単位で読み書き外部ストレージStorage-SViSCSI ターゲットIP(伏せています)iSCSI 仮想ディスク10 GBC ドライブ上の.vhdx ファイル← iSCSI 仮想ディスクがローカル ディスクとして見える
図1 検証構成
サーバ役割IP アドレスこの記事でやること
Storage-SViSCSI ターゲット(伏せています)iSCSI ターゲット サーバーを入れ、10 GB の iSCSI 仮想ディスクを作る
SRV-1iSCSI イニシエータ(伏せています)ターゲットに接続し、ディスクを F ドライブとして使う

作業の流れと、出てくる用語の関係は次のとおりです。

Storage-SV(iSCSI ターゲット側)SRV-1(iSCSI イニシエータ側)iSCSI 仮想ディスクiscsi_disk1.vhdx(10 GB)ターゲットに割り当てiSCSI ターゲットSTORAGE-SViqn.1991-05.com.microsoft:…アクセス サーバーSRV-1 の IP アドレスだけ許可認証(CHAP)この検証では使わないiSCSI イニシエータークイック接続でログオンディスク 210 GB・未割り当て初期化(GPT)シンプル ボリュームNTFS・ドライブ文字 FF ドライブとして使う検出・ログオン
図2 ターゲット側とイニシエータ側でやること
用語意味
iSCSI 仮想ディスクターゲット側のボリュームに置く .vhdx ファイルです。イニシエータからは 1 台のディスクに見えます。
iSCSI ターゲットイニシエータが接続(ログオン)する先です。iSCSI 仮想ディスクを割り当て、どのイニシエータに使わせるか(アクセス サーバー)を決めます。
IQNiSCSI の名前の形式の 1 つで、iqn.+年月+逆順のドメイン名+:+任意の文字列でできています。ターゲットとイニシエータはこの名前で区別されます。
CHAP接続時の認証です。CHAP はターゲットがイニシエータを、リバース CHAP はイニシエータがターゲットを確かめます。

iSCSIターゲット側

iSCSI ターゲット サーバーのインストール

Storage-SV のサーバーマネージャーで 管理 ›› 役割と機能の追加 をクリックします。開始する前に、インストールの種類、サーバーの選択 は既定のまま、次へ で進めます。

サーバーの役割 で iSCSI ターゲット サーバー にチェックを入れます。必要な機能の追加を求める画面が出たら、機能の追加 をクリックします。

画面イメージについて

この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。バージョンによって、項目の並びや表記は変わります。

役割と機能の追加ウィザード画面イメージ
サーバーの役割の選択 対象サーバー: Storage-SV
役割☐ ネットワーク ポリシーとアクセス サービス
■ ファイル サービスと記憶域サービス (1/12 個をインストール済み)
 ☑ ファイル サービスおよび iSCSI サービス
  ☑ ファイル サーバー
  ☐ DFS レプリケーション
  ☐ DFS 名前空間
1  ☑ iSCSI ターゲット サーバー
⋮ (中略)
 ☑ 記憶域サービス (インストール済み)
< 前へ(P)3次へ(N) >インストール(I)キャンセル
図3 サーバーの役割の選択(チェックを入れたあと)(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
役割と機能の追加ウィザード画面イメージ
iSCSI ターゲット サーバー に必要な機能を追加しますか?
説明iSCSI ターゲット サーバー をインストールする前に、次の役割サービスまたは機能もインストールする必要があります。
追加される役割サービスファイル サービスと記憶域サービス
 ファイル サービスおよび iSCSI サービス
  ファイル サーバー
管理ツール☑ 管理ツールを含める (存在する場合)
2機能の追加キャンセル
図4 必要な機能の追加の確認(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1iSCSI ターゲット サーバーファイル サービスと記憶域サービス ›› ファイル サービスおよび iSCSI サービス の下にあります。チェックを入れると、図の確認画面が開きます。
2機能の追加iSCSI ターゲット サーバーに必要な ファイル サーバー も一緒に入れます。
3次へiSCSI ターゲット サーバーとファイル サーバーにチェックが入ったことを確かめて、次に進みます。

チェックが入ったことを確かめて 次へ をクリックします。機能 の画面はそのまま 次へ、確認 の画面で インストール をクリックします。インストールが正常に完了したことを確かめて、閉じる をクリックします。

役割と機能の追加ウィザード画面イメージ
インストールの進行状況
1状況機能のインストール
Storage-SV でインストールが正常に完了しました。
インストールされたものファイル サービスと記憶域サービス
 ファイル サービスおよび iSCSI サービス
  ファイル サーバー
  iSCSI ターゲット サーバー
2閉じる
図5 インストールの完了(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

iSCSI 仮想ディスクとターゲットの作成

サーバーマネージャーで ファイル サービスと記憶域サービス ›› iSCSI を開き、右上の タスク ›› 新しい iSCSI 仮想ディスク をクリックします。ウィザードで、仮想ディスク、ターゲット、アクセスできるイニシエータをまとめて設定します。

仮想ディスクの場所・名前・サイズ

今回は、C ドライブに 10 GB の iSCSI 仮想ディスクを作ります。C: を選んで 次へ をクリックします。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
iSCSI 仮想ディスクの場所を選択
サーバー
サーバー名状態クラスターの役割
Storage-SVオンライン非クラスター化
1記憶域の場所◉ ボリュームで選択(V):
ボリューム空き領域容量ファイル システム
C:19.5 GB29.5 GBNTFS
D:6.96 GB8.00 GBNTFS
○ カスタム パスを入力してください(T)
< 前へ(P)2次へ(N) >キャンセル
図6 iSCSI 仮想ディスクの場所(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1記憶域の場所仮想ディスクのファイルを置くボリュームです。この検証では C: を選びます。
2次へ次に進みます。

名前を入力して 次へ をクリックします。今回は iscsi_disk1 にしました。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
iSCSI 仮想ディスク名の指定
1名前(A)iscsi_disk1
説明(D) 
2パス(T)C:\iSCSIVirtualDisks\iscsi_disk1.vhdx
< 前へ(P)3次へ(N) >キャンセル
図7 iSCSI 仮想ディスク名(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1名前iscsi_disk1(任意の名前)
2パス名前を入れると自動で決まります。前の画面で選んだボリュームの iSCSIVirtualDisks フォルダに、.vhdx ファイルとして作られます。
3次へ次に進みます。

サイズを 10 GB にし、容量可変 を選んで 次へ をクリックします。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
iSCSI 仮想ディスクのサイズを指定
空き領域(F)19.4 GB
1サイズ(S)10 GB
種類○ 容量固定(X)
 ☑ 割り当てで仮想ディスクを消去する
2◉ 容量可変(N)
この種類のディスクでは物理記憶域が有効に利用されるので、多くのディスク領域を使用しないアプリケーションを実行するサーバーに推奨されます。.vhdx ファイルは、ディスク作成時は小さく、データが書き込まれるにつれて大きくなります。
○ 差分(E)
 親仮想ディスクのパス
< 前へ(P)3次へ(N) >キャンセル
図8 iSCSI 仮想ディスクのサイズと種類(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1サイズ10 GB
2種類容量可変 を選びます。
3次へ次に進みます。
種類.vhdx ファイルの大きさ向いている使い方
容量固定作成時に指定したサイズ分の領域を確保する領域を先に確保しておきたいとき。割り当てで仮想ディスクを消去する にチェックすると、作成時に領域を消去する
容量可変作成時は小さく、データを書き込むにつれて大きくなるターゲット側の領域を有効に使いたいとき(今回の検証)
差分親の仮想ディスクとの差分だけを持つ同じ内容のディスクを親から複数作るとき

容量可変なので、作成した時点で C ドライブの 10 GB 分が使われるわけではありません。書き込みが増えると .vhdx ファイルが大きくなるので、置き場所のボリュームの空き容量には余裕を持たせておきます。

ターゲットとアクセス サーバー

まだターゲットがないので、新しい iSCSI ターゲット を選んで 次へ をクリックします。ターゲット名を入力して 次へ をクリックします。今回は STORAGE-SV にしました。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
iSCSI ターゲットの割り当て
説明この iSCSI 仮想ディスクを既存の iSCSI ターゲットに割り当てるか、新しいターゲットを作成してください。
○ 既存の iSCSI ターゲット(E):
ターゲット名イニシエーター ID説明
   
1◉ 新しい iSCSI ターゲット(T)
< 前へ(P)2次へ(N) >キャンセル
図9 iSCSI ターゲットの割り当て(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
ターゲット名の指定
3名前(A)STORAGE-SV
説明(D) 
< 前へ(P)4次へ(N) >キャンセル
図10 ターゲット名の指定(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1新しい iSCSI ターゲットまだターゲットがないので、新しく作ります(既存の一覧は空です)。
2次へターゲット名の画面に進みます。
3名前STORAGE-SV(任意の名前)
4次へ次に進みます。

アクセス サーバーには、この仮想ディスクを使わせるイニシエータを指定します。追加 をクリックし、選択した種類の値の入力 で種類を IP アドレス にして、SRV-1 の IP アドレスを入力します。

イニシエーター ID の追加画面イメージ
イニシエーターを識別する方法を選択してください
○ イニシエーター コンピューターを ID で照会する(Q)
 (Windows Server 2008 R2、Windows 7 以前ではサポートされません)
○ ターゲット サーバーのイニシエーターのキャッシュから選択する(S)
1◉ 選択した種類の値の入力(E)
種類(T)IP アドレス
2値(V)(伏せています)
3OKキャンセル
図11 イニシエーター ID の追加(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1選択した種類の値の入力イニシエーターを識別する値を、自分で入力します。
2種類・値種類は IP アドレス、値は SRV-1(iSCSI イニシエータ)の IP アドレスです。
3OK一覧に追加します。

一覧に登録されたことを確かめて、次へ をクリックします。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
アクセス サーバーの指定
説明[追加] をクリックして、この iSCSI 仮想ディスクにアクセスする iSCSI イニシエーターを指定してください。
2一覧
型値
IPAddress(伏せています)
1追加(A)… 削除(R)
< 前へ(P)3次へ(N) >キャンセル
図12 アクセス サーバーの指定(イニシエーターを追加したあと)(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1追加アクセスを許可するイニシエーターを追加します(次の図)。
2一覧追加したイニシエーターです。型 IPAddress、値は SRV-1 の IP アドレスです。
3次へ次に進みます。
イニシエータの指定方法

ここで登録したイニシエータだけが、このターゲットに接続できます。今回は IP アドレスで指定しましたが、IQN、DNS 名、MAC アドレスなどでも指定できます。PowerShell の New-IscsiServerTarget では、-InitiatorIds に IPAddress:値 のような「種類:値」の形で、DNSName、IPAddress、IPv6Address、IQN、MACAddress を指定します。

認証と作成

今回は認証を使わないので、何もチェックせずに 次へ をクリックします。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
認証を有効にする
説明必要に応じて、イニシエーター接続を認証するために CHAP プロトコルを有効にするか、イニシエーターで iSCSI ターゲットを認証できるようにするためにリバース CHAP を有効にしてください。
1☐ CHAP を有効にする(E)
 ユーザー名 / パスワード / パスワードの確認入力
☐ リバース CHAP を有効にする(R)
 ユーザー名 / パスワード / パスワードの確認入力
< 前へ(P)2次へ(N) >キャンセル
図13 認証を有効にする(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1CHAP / リバース CHAPこの検証では、どちらもチェックしません(認証なし)。
2次へ次に進みます。

設定内容を確かめて、作成 をクリックします。ターゲット名は、入力した STORAGE-SV が小文字の storage-sv で表示されます。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
選択内容の確認
iSCSI 仮想ディスクの場所サーバー: Storage-SV
クラスターの役割: 非クラスター化
パス: C:\iSCSIVirtualDisks\iscsi_disk1.vhdx
iSCSI 仮想ディスクのプロパティ名前: iscsi_disk1
サイズ: 10.0 GB
ターゲットのプロパティ名前: storage-sv
アクセス サーバーIP アドレス: (伏せています)
セキュリティCHAP: 無効
リバース CHAP: 無効
< 前へ(P)次へ(N) >1作成(C)キャンセル
図14 選択内容の確認(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)

各タスクが完了したことを確かめて、閉じる をクリックします。

新しい iSCSI 仮想ディスク ウィザード画面イメージ
結果の表示 iSCSI 仮想ディスクが正常に作成されました。
タスク進行状況状態
iSCSI 仮想ディスクの作成完了
iSCSI ターゲットの作成完了
ターゲット アクセスの設定完了
ターゲットへの iSCSI 仮想ディスクの…完了
< 前へ(P)次へ(N) >1閉じるキャンセル
図15 結果の表示(4 つのタスクがすべて完了)(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

サーバーマネージャーの iSCSI の画面に、作成した iSCSI 仮想ディスクと iSCSI ターゲットが表示されます。下の図は、このあとイニシエータから接続した状態のもので、状態の列が 接続 になっています。

サーバー マネージャー画面イメージ
ファイル サービスと記憶域サービス ›› iSCSI
iSCSI 仮想ディスク すべての iSCSI 仮想ディスク | 合計: 1
パス仮想ディスクの状態ターゲット名ターゲットの状態サイズ
Storage-SV (1)
1C:\iSCSIVirtualDisks\iscsi_disk1.vhdx接続storage-sv接続10.0 GB
iSCSI ターゲット Storage-SV 上の C:\iSCSIVirtualDisks\iscsi_disk1.vhdx
名前ターゲット IQNターゲットの状態イニシエーター ID
storage-sv2iqn.1991-05.com.microsoft:storage-sv-storage-sv-target接続IPAddress:(伏せています)
図16 作成された iSCSI 仮想ディスクと iSCSI ターゲット(一部の列は省略)(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1iSCSI 仮想ディスクC ドライブに作った iscsi_disk1.vhdx(10.0 GB)が、ターゲット storage-sv に割り当てられています。
2ターゲット IQNイニシエータから見えるターゲットの名前です。この検証では iqn.1991-05.com.microsoft:storage-sv-storage-sv-target になりました。

iSCSIイニシエータ側

iSCSI イニシエーターでターゲットに接続する

SRV-1 で iSCSI イニシエーターを設定します。iSCSI イニシエーターは Windows Server に最初から入っているので、役割の追加はいりません。

サーバーマネージャーで ツール ›› iSCSI イニシエーター をクリックします。初めて開いたときはサービスについてのメッセージが出るので、はい をクリックします。Microsoft iSCSI サービスが開始し、コンピューターの起動時に自動で開始するよう設定されます。

Microsoft iSCSI画面イメージ
メッセージMicrosoft iSCSI サービスが実行されていません。iSCSI が正しく動作するためには、このサービスが開始されている必要があります。サービスを今すぐ開始し、コンピューターを起動するたびにサービスが自動的に開始するよう構成するには、[はい] をクリックしてください。
1はい(Y)いいえ(N)
図17 初めて iSCSI イニシエーターを開いたときのメッセージ(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

ターゲット タブの ターゲット に Storage-SV の IP アドレスを入力し、クイック接続 をクリックします。ポートを指定しない場合は、iSCSI の既定のポート TCP 3260 で接続します。

iSCSI イニシエーターのプロパティ画面イメージ
タブターゲット | 探索 | お気に入りのターゲット | ボリュームとデバイス | RADIUS | 構成
クイック接続
説明基本接続を使用してターゲットを検出し、ログオンするには、ターゲットの IP アドレスまたは DNS 名を入力し、[クイック接続] をクリックします。
1ターゲット(T)(伏せています)
2クイック接続(Q)…
検出されたターゲット(G)
名前状態
 
OKキャンセル適用(A)
図18 iSCSI イニシエーターのプロパティ(ターゲット タブ)(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1ターゲットStorage-SV(iSCSI ターゲット)の IP アドレスを入力します。
2クイック接続ターゲットの検出とログオンをまとめて行います。

ターゲットが検出され、状態が 接続完了 になったことを確かめて、完了 をクリックします。

クイック接続画面イメージ
説明指定した IP アドレスまたは DNS 名の接続に利用可能なターゲットの一覧です。複数のターゲットが利用可能な場合は、各ターゲットに個別に接続する必要があります。
ここで指定した接続は、お気に入りのターゲットの一覧に追加され、コンピューターを再起動するたびに、これらの接続の復元が試行されます。
検出されたターゲット(T)
名前状態
1iqn.1991-05.com.microsoft:storage-sv-storage-sv-target接続完了
2進捗状況レポートログインに成功しました。
接続(C)3完了(D)
図19 クイック接続の結果(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1検出されたターゲットStorage-SV で作ったターゲットの IQN が見つかり、状態は 接続完了 です。
2ログインに成功しました。ターゲットへのログオンが成功しました。
3完了画面を閉じます。

クイック接続した接続は お気に入りのターゲット に追加され、SRV-1 を再起動したときにも接続を復元しようとします。プロパティの画面に戻ると、検出されたターゲットに接続済みのターゲットが表示されています。OK をクリックして閉じます。

iSCSI イニシエーターのプロパティ画面イメージ
タブターゲット | 探索 | お気に入りのターゲット | ボリュームとデバイス | RADIUS | 構成
検出されたターゲット(G)
名前状態
1iqn.1991-05.com.microsoft:storage-sv-storage-sv-target接続完了
2OKキャンセル適用(A)
図20 接続したターゲットが一覧に表示される(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

ディスクの初期化とボリュームの作成

コンピューターの管理 で 記憶域 ›› ディスクの管理 を開くと、iSCSI で接続した 10 GB のディスクが、未割り当てのディスク(ディスク 2)として表示されています。

コンピューターの管理(SRV-1)画面イメージ
記憶域 ›› ディスクの管理
VolumeLayoutTypeFile SystemStatus
(ディスク 0 パーティション 3)シンプルベーシック正常 (EFI システム パーティション)
Temporary Storage (D:)シンプルベーシックNTFS正常 (ページ ファイル, …
Windows (C:)シンプルベーシックNTFS正常 (ブート, クラッシュ ダンプ, …
ディスク 0
ベーシック
29.99 GB
オンライン
450 MB
99 MB
正常 (EFI シス…
Windows (C:)
29.45 GB NTFS
正常 (ブート, クラッシュ ダンプ, …
ディスク 1
ベーシック
8.00 GB
オンライン
Temporary Storage (D:)
8.00 GB NTFS
正常 (ページ ファイル, プライマリ パーティション)
1 ディスク 2
不明
10.00 GB
初期化されて…
10.00 GB
未割り当て
■ 未割り当て ■ プライマリ パーティション
図21 接続直後のディスクの管理(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1ディスク 2(不明・未割り当て)iSCSI でつないだ 10 GB のディスクです。赤のアイコンが付き、まだ初期化されていない(パーティション スタイルが決まっていない)状態です。

ディスク 2 を右クリックして ディスクの初期化 をクリックします。対象のディスクにチェックが入っていて、パーティション スタイルで GPT が選ばれていることを確かめ、OK をクリックします。

ディスクの初期化画面イメージ
説明論理ディスク マネージャーがアクセスできるようにするにはディスクを初期化する必要があります。
1ディスクの選択(S)☑ ディスク 2
2パーティション スタイル○ MBR (マスター ブート レコード)(M)
◉ GPT (GUID パーティション テーブル)(G)
注意以前のバージョンの Windows では、GPT パーティション スタイルが認識されません。
3OKキャンセル
図22 ディスクの初期化(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1ディスクの選択ディスク 2 にチェックが入っていることを確かめます。
2パーティション スタイルGPT(既定)のままにします。
3OK初期化します。

初期化すると、ディスク 2 は ベーシック・オンライン(9.98 GB)になります。未割り当ての領域を右クリックして 新しいシンプル ボリューム をクリックし、ウィザードの最初の画面は 次へ で進めます。

サイズは最大のまま、ドライブ文字はまだ使っていない F を選びます。ファイル システム(NTFS)などは変えずに進めます。

新しいシンプル ボリューム ウィザード画面イメージ
ボリューム サイズの指定
最大ディスク領域 (MB)10222
最小ディスク領域 (MB)8
1シンプル ボリューム サイズ (MB)(S)10222
ドライブ文字またはパスの割り当て
2◉ 次のドライブ文字を割り当てる(A): F
○ 次の空の NTFS フォルダーにマウントする(M):
○ ドライブ文字またはドライブ パスを割り当てない(D)
パーティションのフォーマット
○ このボリュームをフォーマットしない(D)
◉ このボリュームを次の設定でフォーマットする(O):
3ファイル システム(F)NTFS
アロケーション ユニット サイズ(A)既定値
ボリューム ラベル(V)ボリューム
☑ クイック フォーマットする(P)
☐ ファイルとフォルダーの圧縮を有効にする(E)
< 戻る(B)4次へ(N) >キャンセル
図23 ボリューム サイズ・ドライブ文字・フォーマットの 3 つのページ(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1シンプル ボリューム サイズ10222 MB(最大のまま)
2ドライブ文字まだ使っていない F
3フォーマットNTFS、アロケーション ユニット サイズは既定値、ボリューム ラベルは ボリューム(どれも変更しない)
4次へ各ページで次に進みます。

設定の一覧を確かめて、完了 をクリックします。

新しいシンプル ボリューム ウィザード画面イメージ
新しいシンプル ボリューム ウィザードの完了
結果新しいシンプル ボリューム ウィザードは正常に完了しました。
次の設定を選択しましたボリュームの種類: シンプル ボリューム
選択されたディスク: ディスク 2
ボリュームのサイズ: 10222 MB
ドライブ文字またはパス: F:
ファイル システム: NTFS
アロケーション ユニット サイズ: 既定値
ボリューム ラベル: ボリューム
< 戻る(B)1完了キャンセル
図24 ウィザードの完了(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

動作確認

記憶域 ›› ディスクの管理 で、ディスク 2 に F ドライブのボリュームができ、状態が 正常 になっていることを確かめます。

コンピューターの管理(SRV-1)画面イメージ
記憶域 ›› ディスクの管理
VolumeLayoutTypeFile SystemStatus
(ディスク 0 パーティション 3)シンプルベーシック正常 (EFI システム パーティション)
Temporary Storage (D:)シンプルベーシックNTFS正常 (ページ ファイル, …
Windows (C:)シンプルベーシックNTFS正常 (ブート, クラッシュ ダンプ, …
1ボリューム (F:)シンプルベーシックNTFS正常 (プライマリ パーティション)
ディスク 0
ベーシック
29.99 GB
オンライン
450 MB
99 MB
正常 (EFI シス…
Windows (C:)
29.45 GB NTFS
正常 (ブート, クラッシュ ダンプ, …
ディスク 1
ベーシック
8.00 GB
オンライン
Temporary Storage (D:)
8.00 GB NTFS
正常 (ページ ファイル, プライマリ パーティション)
2ディスク 2
ベーシック
9.98 GB
オンライン
ボリューム
9.98 GB NTFS
正常 (プライマリ パーティション)
■ 未割り当て ■ プライマリ パーティション
図25 ボリュームを作成したあとのディスクの管理(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1ボリューム (F:)F ドライブとして NTFS のボリュームができ、状態は 正常 です。
2ディスク 2(オンライン)iSCSI のディスクが、ローカルのディスクと同じように ベーシック・オンライン として扱われています。

エクスプローラーを開くと、新しいボリューム(F ドライブ)が増えています。プロパティを見ると、種類は ローカル ディスク です。iSCSI のディスクは、ローカルのディスクと同じように読み書きできます。

エクスプローラー(SRV-1)画面イメージ
PC ›› ボリューム (F:)
ナビゲーションPC
 Windows (C:)
 Temporary Storage (D:)
1 ボリューム (F:)
内容0 個の項目
ボリューム (F:)のプロパティ ›› 全般
2種類ローカル ディスク
ファイル システムNTFS
使用領域42,340,352 バイト 40.3 MB
空き領域10,676,199,424 バイト 9.94 GB
3容量10,718,539,776 バイト 9.98 GB
OKキャンセル適用(A)
図26 エクスプローラーと F ドライブのプロパティ(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1ボリューム (F:)エクスプローラーに F ドライブが増えています。
2ローカル ディスクネットワーク ドライブではなく、ローカル ディスクとして見えています。ここがファイル共有(SMB)との違いです。
3容量9.98 GB。iSCSI ターゲット側で作った 10 GB の仮想ディスクです。

うまくいかないとき

状態よくある原因確認すること
クイック接続でターゲットが見つからないターゲットの IP アドレスの誤り、通信がブロックされている入力した IP アドレス、経路上やサーバのファイアウォールで TCP 3260 が許可されているか
ターゲットは見えるが、接続できない・ディスクが見えないアクセス サーバーに登録したイニシエータの値と、実際の接続元が違うターゲットの イニシエーター ID に、SRV-1 の IP アドレス(または IQN)が登録されているか
CHAP を有効にしたら接続できないユーザー名・パスワード(シークレット)の不一致ターゲットとイニシエータで同じ値を設定しているか(イニシエータ側は 詳細設定 で指定)
接続済みなのにディスクの管理に出てこない表示が更新されていないディスクの管理で 操作 ›› ディスクの再スキャン を実行する

まとめ

Windows Server の iSCSI ターゲット サーバーを使うと、追加のハードウェアなしで、IP ネットワーク経由のブロックストレージを用意できます。今回の設定は次のとおりです。

項目設定
iSCSI 仮想ディスクC:\iSCSIVirtualDisks\iscsi_disk1.vhdx(10 GB、容量可変)
iSCSI ターゲットSTORAGE-SV(IQN:iqn.1991-05.com.microsoft:storage-sv-storage-sv-target)
アクセス サーバーSRV-1 の IP アドレス
認証CHAP、リバース CHAP とも無効
イニシエータの接続クイック接続(お気に入りのターゲットに追加)
ディスクGPT で初期化、シンプル ボリューム、NTFS、F ドライブ
補足
  • 今回は検証のため認証なしにしましたが、アクセス サーバーの指定は接続元を絞るだけです。本番では CHAP を有効にし、iSCSI 用のネットワークを分けることも検討してください。
  • 同じ設定は PowerShell でもできます。ターゲット側は IscsiTarget モジュールの New-IscsiVirtualDisk、New-IscsiServerTarget、Add-IscsiVirtualDiskTargetMapping、イニシエータ側は iSCSI モジュールの New-IscsiTargetPortal、Connect-IscsiTarget を使います。

コメント

  1. miya より:

    大変勉強になりました、iSCSIターゲットにIPを登録すれば、データ共有できますね。