ローカルグループポリシーは、Windows のコンピュータ1台ごとに持っている「コンピュータとユーザーの設定ルール」です。この記事では、ローカルグループポリシーエディタ(gpedit.msc)の起動方法と画面の構成を確認し、Windows Update の自動更新の無効化と、コントロールパネルの使用禁止の2つを実際に設定してみます。
- ローカルグループポリシーとは何か、Active Directory のグループポリシーとの違い
- ローカルグループポリシーエディタの起動と、「コンピューターの構成」「ユーザーの構成」の違い
- 設定例:Windows Update の自動更新の無効化と、コントロールパネルの使用禁止
ローカルグループポリシーとは
ローカルグループポリシーは、個々のコンピュータ(OS)に対して、コンピュータやユーザーに適用するポリシーを設定する仕組みです。設定はそのコンピュータの中に保存され、そのコンピュータにだけ効きます。
そのため、100台の Windows マシンに同じポリシーを入れたい場合は、100台それぞれで設定する必要があります。ローカルグループポリシーでは、複数のマシンをまとめて管理することはできません。
複数のマシンに同じグループポリシーをまとめて適用するには、Active Directory が必要です。Active Directory のグループポリシーについては、次の記事を参考にしてください。
>> 参考記事:【Active Directory】グループポリシーの構成・適用・更新
ローカルグループポリシーエディタは、Windows 10 Home などのホームエディションには入っていないため、基本的に使えません。Windows 10 Pro/Enterprise や Windows Server で使えます。この記事では、Windows 10 Enterprise で設定方法を確認していきます。
この記事の検証は Windows 10 Enterprise で行っています。Windows 10 は 2025年10月14日にサポートが終了しました(以降のセキュリティ更新は有償の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)のみ)。Windows 11 でも Pro/Enterprise/Education ではローカルグループポリシーエディタを使えますが、ポリシーの置き場所や設定アプリの画面はこの記事と異なる部分があります。違いは各設定例の中で補足します。
ローカルグループポリシーエディタ
ローカルグループポリシーの設定には、ローカルグループポリシーエディタを使います。
エディタを起動する
スタートメニューを右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選ぶか、Windows キー+R キーで開きます。gpedit.msc と入力して「OK」をクリックします。
この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。バージョンによって、項目の並びや表記は変わります。
| 1名前(O) | gpedit.msc |
ローカルグループポリシーエディタが起動します。gpedit.msc は、Windows のクライアントでもサーバでも同じように実行できます。
コンピューターの構成とユーザーの構成
エディタの左側のツリーは、「コンピューターの構成」と「ユーザーの構成」の2つに分かれています。
ローカル コンピューター ポリシー1▾ コンピューターの構成 › ソフトウェアの設定 › Windows の設定 › 管理用テンプレート2▾ ユーザーの構成 › ソフトウェアの設定 › Windows の設定 › 管理用テンプレート
| No. | 表示 | 対象 | 適用される タイミング |
|---|---|---|---|
| 1 | コンピューターの構成 | コンピュータ全体(どのユーザーがサインインしても効く) | コンピュータの起動時 |
| 2 | ユーザーの構成 | サインインするユーザー | ユーザーのログオン時 |
どちらの構成にも「ソフトウェアの設定」「Windows の設定」「管理用テンプレート」の3つのフォルダがあります。この記事の設定例は、どちらも「管理用テンプレート」の中にあるポリシーです。管理用テンプレートのポリシーは、Windows のレジストリの値を書き換えて機能を制御します。
グループポリシーは、起動時・ログオン時のほかに、既定では 90分ごと(0〜30分のランダムな幅あり)にバックグラウンドでも更新されます。設定をすぐに反映させたいときは、コマンドプロンプトで gpupdate を実行します。
設定例
Windows Update の自動更新を無効にする
Windows は、既定では Windows Update で更新プログラムを自動的にダウンロードしてインストールします。ここでは、このコンピュータの Windows Update の自動更新を無効にします。
「コンピューターの構成」で 管理用テンプレート ›› Windows コンポーネント ›› Windows Update を開きます。右側に Windows Update に関するポリシーが並びます。何も設定していないポリシーの状態は「未構成」です。自動更新を止めたいので、「自動更新を構成する」をダブルクリックします。
| 設定 | 状態 | コメント |
|---|---|---|
| (フォルダ)Windows Update for Business | ||
| [Windows シャットダウン] ダイアログ ボックスで [更新をインストール… | 未構成 | いいえ |
| Windows Update の電源管理を有効にして、システムのスリープ状… | 未構成 | いいえ |
| ⋮ (中略) | ||
| 更新のための自動再起動必須通知を構成する | 未構成 | いいえ |
| 1自動更新を構成する | 未構成 | いいえ |
| 自動更新と再起動の期限を指定する | 未構成 | いいえ |
| イントラネットの Microsoft 更新サービスの場所を指定する | 未構成 | いいえ |
| 自動更新の検出頻度 | 未構成 | いいえ |
設定画面が開いたら、「無効」を選び、「適用」→「OK」の順にクリックします。
| 1状態 | ○ 未構成(C)○ 有効(E)◉ 無効(D) |
| コメント | |
| サポートされるバージョン | Windows XP Professional Service Pack 1 または Windows 2000 Service Pack 3 以降 |
| ⋮ (オプション、ヘルプは省略) | |
| No. | 項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| 1 | 状態 | 「無効(D)」を選ぶ |
| 2 | 適用(A) | 設定を保存する |
| 3 | OK | 画面を閉じる |
- 未構成:このポリシーでは何も決めない。自動更新の動きは設定アプリなどで決まる。
- 有効:自動更新を使う。オプションで「ダウンロード前に通知」「自動ダウンロードしてインストールを通知」などの動きを選ぶ。
- 無効:自動更新を止める。更新プログラムは、ユーザーが手動でダウンロードしてインストールする。
Windows 10 では、スタートメニューから 設定 ›› 更新とセキュリティ ›› Windows Update を開くと、Windows Update の状態を確認できます。「一部の設定は組織によって管理されています」と「自動更新は組織によって無効にされています」が表示されています。ローカルグループポリシーで設定した場合も、この「組織によって」の表示になります。
最終チェック日時: 今日、17:38
アクティブ時間の変更
更新の履歴を表示する
詳細オプション
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 一部の設定は組織によって管理されています(赤字) | Windows Update の設定の一部がポリシーで決められている |
| 2 | 更新プログラムのチェック | 手動での更新はここから行える。緑のチェックの「最新の状態です」は、最後に確認した時点で更新がないことを示す |
| 3 | 自動更新は組織によって無効にされています(赤字) | 「自動更新を構成する」を無効にした結果、自動更新が止まっている |
自動更新は無効になりましたが、手動での更新はできます。
自動更新を無効にすると、手動で更新しない限りセキュリティ更新が入らない状態が続きます。この設定は検証のためのもので、実際の環境では更新を止めるのではなく、更新のタイミングを管理する方法(アクティブ時間や更新の延期など)を検討してください。
Windows 11 では、Windows Update の下がさらに用途別のフォルダに分かれ、「自動更新を構成する」は英語表示で Manage end user experience のフォルダの中にあります。設定アプリの確認先も 設定 ›› Windows Update です。
コントロールパネルを使えないようにする
次は、ユーザーがログオンしたときに、コントロールパネルを開けないようにしてみます。
「ユーザーの構成」で 管理用テンプレート ›› コントロール パネル を開きます。右側にコントロールパネル関連のポリシーが並ぶので、「コントロール パネルと PC 設定へのアクセスを禁止する」をダブルクリックします。
| 設定 | 状態 | コメント |
|---|---|---|
| (フォルダ)プリンター/プログラム/プログラムの追加と削除/画面/個人用設定/地域と言語のオプション | ||
| 指定されたコントロール パネルの項目を非表示にする | 未構成 | いいえ |
| コントロール パネルを開くときは常にすべてのコントロール パネル項目… | 未構成 | いいえ |
| 1コントロール パネルと PC 設定へのアクセスを禁止する | 未構成 | いいえ |
| 指定されたコントロール パネルの項目のみを表示する | 未構成 | いいえ |
| 設定ページの表示 | 未構成 | いいえ |
設定画面で「有効」を選び、「適用」→「OK」の順にクリックします。
| 1状態 | ○ 未構成(C)◉ 有効(E)○ 無効(D) |
| コメント | |
| サポートされるバージョン | Windows 2000 以降 |
| ⋮ (オプション、ヘルプは省略) | |
| No. | 項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| 1 | 状態 | 「有効(E)」を選ぶ |
| 2 | 適用(A) | 設定を保存する |
| 3 | OK | 画面を閉じる |
スタートメニューの Windows システム ツール ›› コントロール パネル から開こうとすると、「制限」のメッセージが出て開けないことが確認できます。
| PC |
| Windows 管理ツール |
| エクスプローラー |
| コマンド プロンプト |
| 1コントロール パネル |
| タスク マネージャー |
| ファイル名を指定して実行 |
| Windows セキュリティ |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | コントロール パネル | スタートメニューからコントロールパネルを開こうとする |
| 2 | 制限(赤の×) | ポリシーで禁止されているため、コントロールパネルが起動しない |
このポリシーは、コントロールパネル(Control.exe)と設定アプリ(SystemSettings.exe)の両方を起動できなくします。ポリシー名のとおり、設定アプリも開けなくなります。
gpedit.msc で開くローカルグループポリシーの「ユーザーの構成」は、設定した管理者自身を含め、このコンピュータにサインインするユーザーに適用されます。検証が終わったら、同じポリシーを「未構成」に戻してください(gpedit.msc は「ファイル名を指定して実行」から起動できます)。
Active Directory のグループポリシーとの関係
Active Directory のグループポリシーでは、複数のマシンに対してポリシーを適用し、まとめて管理できます。ドメインに参加しているコンピュータでは、ローカルグループポリシーと Active Directory のグループポリシーの両方が適用されます。
グループポリシーは、ローカル → サイト → ドメイン → OU の順に適用され、同じ項目が競合したときは後から適用された設定が残ります。ローカルグループポリシーは最初に適用されるので優先度が最も低く、Active Directory のグループポリシーと競合した場合は Active Directory のグループポリシーが優先されます。
まとめ
| 項目 | ローカルグループポリシー | Active Directory のグループポリシー |
|---|---|---|
| 効く範囲 | 設定したコンピュータ1台 | サイト・ドメイン・OU に属するコンピュータとユーザー |
| 設定するツール | ローカルグループポリシーエディタ(gpedit.msc) | グループポリシーの管理(GPMC) |
| 複数台の管理 | 1台ずつ設定する | まとめて設定できる |
| 競合したとき | 最初に適用されるため優先度は最も低い | 後から適用されるため優先される |
ローカルグループポリシーは、ドメインに参加していないコンピュータや、1台だけ動作を変えたいときの検証に向いています。複数台に同じ設定を入れるなら、Active Directory のグループポリシーを使います。
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