【Windows Server 2019】グループポリシーによるネットワークドライブ(ドライブマップ)設定

Active Directory のグループポリシーを使うと、ユーザーや端末の環境を一元管理できます。グループポリシーの基本については、下記の記事を参考にしてください。

>> 参考記事:【Active Directory】グループポリシーの構成・適用・更新

この記事では、ユーザーが所属している OU に応じて、その部署用の共有フォルダをネットワークドライブとして割り当てる設定(ドライブマップ)を確認します。あわせて、全員に共通のドライブを割り当てる方法も確認します。

この記事でわかること
  1. 部署ごとの OU とユーザー、共有フォルダを用意する
  2. OU にリンクした GPO のドライブマップで、部署用のドライブを割り当てる
  3. ドメインにリンクした GPO で、全員に共通のドライブを割り当てる

検証の構成

営業部 OU のユーザー yamada には W ドライブに営業部のフォルダ、技術部 OU のユーザー suzuki には W ドライブに技術部のフォルダを割り当てます。さらに、両方のユーザーに Z ドライブとして共通のフォルダを割り当てます(図1)。

ログオン ログオン yamada営業部 OU suzuki技術部 OU W: 営業部\\ad-1\共有\営業部 Z: 共通\\ad-1\共有\共通 W: 技術部\\ad-1\共有\技術部 Z: 共通\\ad-1\共有\共通 W: は OU にリンクした GPO、Z: はドメインにリンクした GPO で割り当てる
図1 ログオンしたユーザーの OU に応じて割り当てられるドライブ

ドライブマップは、グループポリシーの「基本設定」(Group Policy Preferences)の機能です。ユーザーの構成 の設定なので、GPO をリンクした OU やドメインの中にあるユーザーに適用されます。端末がどの OU にあるかは関係しません。

OU とユーザーの設定

Active Directory ユーザーとコンピューターで、営業部 OU に山田 一郎(yamada)、技術部 OU に鈴木 二郎(suzuki)を作成します。OU の作成方法は、末尾の関連記事を参考にしてください。

画面イメージについて

この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。バージョンによって、項目の並びや表記は変わります。

Active Directory ユーザーとコンピューター画面イメージ
hirotanoblog.local ›› 営業部 / 技術部
OU名前種類
1営業部営業グループセキュリティ グループ
営業部山田 一郎ユーザー
2技術部技術グループセキュリティ グループ
技術部鈴木 二郎ユーザー
図2 各 OU のユーザー(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1営業部 OU山田 一郎(ログオン名 yamada)がいる
2技術部 OU鈴木 二郎(ログオン名 suzuki)がいる

共有フォルダの作成

共有フォルダを作成します。今回は、ドメイン コントローラーの AD-1 上に作成します。まず C ドライブに「共有」フォルダを作って共有し、その中に「営業部」「技術部」「共通」フォルダを作成します。

AD-1 のエクスプローラーと「共有」のプロパティ画面イメージ
1共有するフォルダPC ›› ローカル ディスク (C:) ›› 共有
2ネットワーク パス\\Ad-1\共有([共有]タブ)
3共有の中のフォルダ営業部
技術部
共通
図3 共有フォルダの構成(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1共有するフォルダC:\共有 を作成し、フォルダのプロパティの[共有]タブで共有する
2ネットワーク パスクライアントからは \\ad-1\共有 でアクセスする(大文字と小文字は区別されない)
3共有の中のフォルダ部署ごとのフォルダと、全員で使う「共通」フォルダ
補足

ドライブマップは、ドライブ文字とフォルダを結び付けるだけで、アクセス権は設定しません。ユーザーがフォルダを開けるかどうかは、共有のアクセス許可と NTFS のアクセス許可で決まります。部署ごとに見せるフォルダを分けたい場合は、各フォルダの NTFS のアクセス許可も部署のグループ(営業グループ、技術グループなど)に合わせて設定します。

グループポリシーの設定

GPO を作成し、部署の OU にリンクして、その部署用のネットワークドライブを割り当てます。

営業部ユーザーへのドライブマップ

サーバー マネージャーで ツール ›› グループ ポリシーの管理 を開きます。hirotanoblog.local の配下の営業部 OU を右クリックし、このドメインに GPO を作成し、このコンテナーにリンクする を選びます。GPO の名前は任意で、今回は「共有フォルダ-営業部」にして[OK]を押します。

営業部 OU の下に、作成した GPO がリンクされます。

グループ ポリシーの管理画面イメージ
フォレスト: hirotanoblog.local  ドメイン    hirotanoblog.local      Default Domain Policy      Domain Controllers      システム管理者      営業部1        共有フォルダ-営業部      技術部      グループ ポリシー オブジェクト
図4 営業部 OU にリンクした GPO(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1共有フォルダ-営業部営業部 OU にリンクされた GPO。営業部 OU の中のユーザーとコンピューターに適用される

GPO を右クリックして 編集 を選ぶと、グループ ポリシー管理エディターが開きます。ユーザーの構成 ›› 基本設定 ›› Windows の設定 ›› ドライブ マップ を選び、右側のウィンドウを右クリックして 新規作成 ›› マップされたドライブ を選びます。

新しいドライブのプロパティ(全般)画面イメージ
1アクション更新
2場所\\ad-1\共有\営業部
3再接続☑
4ラベル営業部
5ドライブ文字○ 使用可能な最初の文字から開始◉ 次の文字を使用W
接続に使用するアカウント(オプション)ユーザー名・パスワード(入力できない)
このドライブの表示/非表示◉ 変更なし
すべてのドライブの表示/非表示◉ 変更なし
6OKキャンセル適用ヘルプ
図5 マップされたドライブの設定(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1アクション作成・置換・更新・削除から選ぶ(下の表)。今回は「更新」
2場所割り当てる共有フォルダの UNC パス。今回は \\ad-1\共有\営業部
3再接続チェックを入れると、ログオンのたびにドライブの再接続を試みる(永続的な接続)
4ラベルエクスプローラーに表示する名前。今回は「営業部」
5ドライブ文字「次の文字を使用」を選び、W を指定する
6[OK]ドライブマップの項目を登録する

アクションの違いは次のとおりです。どのアクションも、対象は指定したドライブ文字のドライブです。

アクション動作
作成ドライブがなければ作成する。すでにあれば何もしない
置換ドライブをいったん削除して作り直す。既存の設定はすべて上書きされる。なければ作成する
更新この項目で指定した設定だけを書き換え、ほかの設定はそのまま残す。なければ作成する
削除ドライブを削除する。なければ何もしない
補足

「接続に使用するアカウント」のユーザー名とパスワードは入力できません。グループポリシーの基本設定にパスワードを保存すると、ドメインのユーザーなら誰でも取り出して復号できてしまうため、セキュリティ更新プログラム MS14-025 でこの欄は使えなくなっています。ドライブは、ログオンしたユーザー自身の資格情報で接続されます。

ドライブ文字で「使用可能な最初の文字から開始」を選ぶと、指定した文字から Z までの手動でマップしたドライブが消えることがあります。今回のように、ドライブ文字を固定で指定しておくと安全です。

[OK]を押すと、ドライブマップの一覧に登録されます。

グループ ポリシー管理エディター(共有フォルダ-営業部)画面イメージ
ユーザーの構成 ›› 基本設定 ›› Windows の設定 ›› ドライブ マップ
名前順序アクションパス
1W:1更新\\ad-1\共有\営業部
図6 登録したドライブマップ(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1W: / 更新W ドライブに \\ad-1\共有\営業部 を「更新」で割り当てる項目

動作確認

営業部のユーザー yamada でドメインにログオンしている Windows 端末で、コマンド プロンプトを開き、gpupdate /force を実行してポリシーを更新します。

Windows 端末(yamada)

C:\Users\yamada>whoami
hirotanoblog\yamada

C:\Users\yamada>gpupdate /force
ポリシーを最新の情報に更新しています...

コンピューター ポリシーの更新が正常に完了しました。
ユーザー ポリシーの更新が正常に完了しました。


C:\Users\yamada>

エクスプローラーを開くと、W ドライブに「営業部」という名前のネットワークドライブがマップされています。

エクスプローラー(yamada)画面イメージ
PC  ローカル ディスク (C:)1  営業部 (W:)
図7 yamada にマップされたドライブ(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1営業部 (W:)GPO で設定したラベルとドライブ文字で、\\ad-1\共有\営業部 がマップされた

技術部ユーザーへのドライブマップ

技術部のユーザーにも同じように設定します。グループ ポリシーの管理で、技術部 OU に GPO「共有フォルダ-技術部」を作成してリンクし、編集します。ドライブマップの設定は、場所を \\ad-1\共有\技術部、ラベルを「技術部」にし、それ以外は営業部と同じにします(W ドライブ、アクションは更新、再接続あり)。

技術部のユーザー suzuki でログオンしている端末で、営業部と同じように gpupdate /force を実行します。エクスプローラーで、W ドライブに「技術部」がマップされていることを確認します。

エクスプローラー(suzuki)画面イメージ
PC  ローカル ディスク (C:)1  技術部 (W:)
図8 suzuki にマップされたドライブ(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1技術部 (W:)同じ W ドライブでも、技術部 OU のユーザーには技術部のフォルダがマップされる

営業部・技術部で共通のドライブマップ

営業部と技術部のどちらのユーザーにも、共通のフォルダを割り当てます。グループ ポリシーの管理でドメイン hirotanoblog.local を右クリックし、このドメインに GPO を作成し、このコンテナーにリンクする を選びます。名前は「共有フォルダ-ドメイン共通」にします。

作成した GPO を編集し、新規作成 ›› マップされたドライブ で、共有フォルダ「共通」を Z ドライブに割り当てます。3つの GPO のドライブマップは次のとおりです。

GPOリンク先場所ラベルドライブ
共有フォルダ-営業部営業部 OU\\ad-1\共有\営業部営業部W:
共有フォルダ-技術部技術部 OU\\ad-1\共有\技術部技術部W:
共有フォルダ-ドメイン共通hirotanoblog.local\\ad-1\共有\共通共通Z:

アクションはどれも「更新」、再接続はどれもチェックありです。

補足

ドメインにリンクした GPO は、下位の OU に継承されるため、営業部 OU と技術部 OU のユーザーにも適用されます。ただし、ドメインのほかのユーザー(管理者など)にも適用される点に注意してください。

OU を分けずにグループで割り当て先を分けたい場合は、ドライブマップの項目の[共通]タブにある「アイテム レベルでの対象設定」で、セキュリティ グループを条件にする方法もあります。

動作確認

yamada でログオンしている端末で、もう一度 gpupdate /force を実行します。Z ドライブに「共通」がマップされ、W ドライブの「営業部」もそのまま残っています。suzuki でも同じように、W ドライブの「技術部」と Z ドライブの「共通」が表示されます。

エクスプローラー(PC の下に表示されるドライブ)画面イメージ
ユーザー表示されるドライブ
1yamada(営業部)ローカル ディスク (C:) 営業部 (W:) 共通 (Z:)
2suzuki(技術部)ローカル ディスク (C:) 技術部 (W:) 共通 (Z:)
図9 共通のドライブを追加したあとの表示(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1yamada営業部 OU の GPO で W:、ドメインの GPO で Z: が割り当てられた
2suzuki技術部 OU の GPO で W:、ドメインの GPO で Z: が割り当てられた

うまくいかないとき

状態よくある原因確認すること
ドライブが表示されないユーザーが GPO をリンクした OU にいない。コンピューターの構成に設定しているユーザーの OU と、設定場所が ユーザーの構成 になっているか。gpresult /r で適用された GPO を確認する
ドライブは出るが開けない共有や NTFS のアクセス許可がないそのユーザー(グループ)に共有と NTFS のアクセス許可があるか
手動で割り当てたドライブが消える「使用可能な最初の文字から開始」を使っているドライブ文字を「次の文字を使用」で固定する

まとめ

ドライブマップを使うと、ユーザーが所属する OU に応じて、決まったドライブ文字に共有フォルダを割り当てられます。部署ごとのドライブは各 OU にリンクした GPO で、全員に共通のドライブはドメインにリンクした GPO で設定しました。設定場所は ユーザーの構成 ›› 基本設定 ›› Windows の設定 ›› ドライブ マップ です。

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