【Windows Server 2019】FSRMによるクォータ設定と動作確認

FSRM(ファイル サーバー リソース マネージャー)を使うと、ファイルサーバの共有フォルダに保存できるデータ量を制限するクォータを設定できます。ディスクの空きを守るための機能で、制限を超えた保存を止める「ハードクォータ」と、超えても保存はさせて通知だけを出す「ソフトクォータ」があります。

この記事では、FSRM をインストールし、共有フォルダにクォータを設定して動作を確認します。あわせて、自分で作るテンプレートと、テンプレートを変えたときの反映のされ方も確かめます。

この記事でわかること
  1. FSRM のインストールと起動
  2. ハードクォータの設定と、上限に達したときの動き
  3. ソフトクォータの設定と、しきい値でのイベントログ出力
  4. カスタムテンプレートの作り方と、テンプレートを使わない設定
  5. テンプレートを変えたときの、既存のクォータへの反映

検証構成

ドメインコントローラ AD-1(Windows Server 2019)に FSRM を入れ、C ドライブの共有フォルダ Sales-Data、Manager-Data、Customer-Data にクォータを設定します。クライアントから共有フォルダへファイルを書き込み、制限が効くかを確かめます。

AD-1(Windows Server 2019 + FSRM)C ドライブC:\Sales-Dataハード/ソフトクォータの検証C:\Manager-Dataカスタムテンプレートの作成C:\Customer-Dataテンプレートを使わないクォータ共有フォルダへファイルを書き込むクライアント
図1 検証構成
関連記事

FSRM には、ファイルの拡張子で保存をブロックするファイルスクリーン機能もあります。こちらは 【Windows Server 2019】FSRMによるファイルスクリーン設定と動作確認 で扱っています。

FSRMセットアップ

インストール

FSRM は、共有フォルダを公開しているサーバにインストールします。サーバーマネージャーの 管理 ›› 役割と機能の追加 を開き、サーバーの役割 で ファイル サーバー リソース マネージャー にチェックを入れます。

画面イメージについて

この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。バージョンによって、項目の並びや表記は変わります。

役割と機能の追加ウィザード画面イメージ
サーバーの役割の選択 対象サーバー: AD-1.hirotanoblog.local
役割☐ ネットワーク ポリシーとアクセス サービス
■ ファイル サービスと記憶域サービス (2/12 個をインストール済み)
 ■ ファイル サービスおよび iSCSI サービス (1/11 個をインストール済み)
  ☑ ファイル サーバー (インストール済み)
  ☐ DFS レプリケーション
  ☐ DFS 名前空間
⋮ (中略)
1  ☑ ファイル サーバー リソース マネージャー
☐ ワーク フォルダー
 ☑ 記憶域サービス (インストール済み)
< 前へ(P)3次へ(N) >インストール(I)キャンセル
図2 サーバーの役割の選択(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
役割と機能の追加ウィザード画面イメージ
ファイル サーバー リソース マネージャー に必要な機能を追加しますか?
追加されるツールリモート サーバー管理ツール
 役割管理ツール
  ファイル サービス ツール
   [ツール] ファイル サーバー リソース マネージャー ツール
管理ツール☑ 管理ツールを含める (存在する場合)
2機能の追加キャンセル
図3 必要な機能の追加の確認(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1ファイル サーバー リソース マネージャーファイル サービスと記憶域サービス の下にあります。チェックを入れると、図の確認画面が開きます。
2機能の追加管理用のツール(FSRM の管理コンソール)も一緒に入れます。
3次へチェックが入ったことを確かめて、次に進みます。

機能 の画面では何も追加せず、次へ をクリックします。確認 の画面で、ファイル サーバー リソース マネージャーと、その管理ツールが入ることを確かめて インストール をクリックします。しばらくするとインストールが完了します。

起動

サーバーマネージャーの ツール ›› ファイル サーバー リソース マネージャー をクリックすると、FSRM の管理画面が開きます。クォータの設定は クォータの管理 の下で行います。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
名前
1クォータの管理
ファイル スクリーンの管理
記憶域レポートの管理
分類管理
ファイル管理タスク
図4 ファイル サーバー リソース マネージャー(ローカル)の画面(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

クォータ設定の概要

クォータは、指定したフォルダとその配下のサブフォルダ全体の使用量に対してかかります。クォータには 2 つの種類があります。

種類制限値を超えたとき主な用途
ハードクォータ保存できない容量を確実に制限したいとき
ソフトクォータ保存できる(通知だけが出る)使用量を監視したいとき

どちらも、使用率が決めた値(しきい値)に達したときに、電子メール、イベントログ、コマンドの実行、レポートの作成で知らせることができます。

ハードクォータ100 MB 制限保存できない保存できる85%95%ソフトクォータ500 MB の共有の監視制限値を超えても保存できる(監視用)80%100%120%0%100%(制限値)通知のしきい値(画面に表示された分)
図5 ハードクォータとソフトクォータの違い

よく使う設定は、テンプレートとして最初から用意されています。テンプレートは クォータの管理 ›› クォータのテンプレート で確認できます。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータのテンプレート
クォータのテンプレート制限クォータの種類
10 GB の制限10.0 GBハード
10 TB ボリュームの使用率の監視10.0 TBソフト
1100 MB 制限100 MBハード
2 GB の制限2.00 GBハード
200 GB ボリュームの使用率の監視200 GBソフト
200 MB 制限 (50 MB の拡張あり)200 MBハード
250 MB 拡張制限250 MBハード
3 TB ボリュームの使用率の監視3.00 TBソフト
5 GB の制限5.00 GBハード
5 TB ボリュームの使用率の監視5.00 TBソフト
2500 MB の共有の監視500 MBソフト
ユーザーへ 200 MB 制限のレポート200 MBハード
図6 既定で用意されているクォータのテンプレート(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1100 MB 制限ハードクォータのテンプレートです。この記事の「ハードクォータ」で使います。
2500 MB の共有の監視ソフトクォータのテンプレートです。この記事の「ソフトクォータ」で使います。

クォータを作るには、クォータの管理 ›› クォータ を右クリックし、クォータの作成 をクリックします。開いた画面で、制限したいフォルダのローカルパスと、適用するクォータのプロパティを指定します。

クォータの作成画面イメージ
1クォータのパス  参照(B)…
2作成方法◉ パスにクォータを作成する(Q)
○ 既存と新規のサブフォルダーに自動でテンプレート適用とクォータ作成を行う(A)
3クォータのプロパティ◉ クォータのテンプレートからプロパティを取得する(推奨)(T)
100 MB 制限
○ カスタム クォータのプロパティを定義する(C) カスタム プロパティ(R)…
4クォータ プロパティの要約クォータ: C:\Sales-Data
ソース テンプレート: 100 MB 制限
制限: 100 MB (ハード)
通知: 4
警告 (85%): 電子メール
警告 (95%): 電子メール, イベント ログ
⋮
作成キャンセル
図7 クォータの作成画面(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1クォータのパスクォータをかけるフォルダを、サーバのローカルパスで指定します。
2作成方法そのフォルダ自体にかけるか、配下のサブフォルダに自動でかけるか(自動適用クォータ)を選びます。
3クォータのプロパティテンプレートを選ぶか、制限値や通知を個別に決める(カスタム)かを選びます。
4クォータ プロパティの要約作成されるクォータの内容です。テンプレートを選ぶと、制限値と通知の設定がここに表示されます。

ハードクォータによる制限

設定

クォータのパスに C:\Sales-Data を指定し、テンプレートの 100 MB 制限 を選んで作成します。

クォータの作成画面イメージ
1クォータのパスC:\Sales-Data 参照(B)…
作成方法◉ パスにクォータを作成する(Q)
2クォータのプロパティ◉ クォータのテンプレートからプロパティを取得する(推奨)(T)
100 MB 制限
クォータ プロパティの要約クォータ: C:\Sales-Data
ソース テンプレート: 100 MB 制限
制限: 100 MB (ハード)
通知: 4
警告 (85%): 電子メール
警告 (95%): 電子メール, イベント ログ
⋮
3作成キャンセル
図8 100 MB 制限のクォータを作成する(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1クォータのパスC:\Sales-Data
2テンプレート100 MB 制限(ハードクォータ)
3作成クォータを作成します。

作成すると、クォータの一覧に表示されます。クォータの種類はハードなので、このフォルダには 100 MB までしか保存できません。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレートテンプレートの一致
ソース テンプレート: 100 MB 制限 (1 アイテム)
C:\Sales-Data0%100 MB1ハード100 MB 制限はい
図9 作成したクォータ(ハード)(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1ハード制限値を超える保存を止めるクォータです。

動作確認

クライアントから共有フォルダに 99 MB のファイルを保存します。これは問題なく保存できました。

エクスプローラー(クライアント)画面イメージ
ネットワーク ›› AD-1 ›› Sales-Data
名前更新日時種類サイズ
99M.dat2022/02/02 20:38DAT ファイル101,376 KB
99M.dat のプロパティ
場所\\AD-1\Sales-Data
1サイズ99.0 MB (103,809,024 バイト)
図10 共有フォルダに 99 MB のファイルを保存した(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

FSRM で確認すると、使用率は 99% です。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限
ソース テンプレート: 100 MB 制限 (1 アイテム)
C:\Sales-Data199%100 MB
図11 使用率は 99%(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

続けて、1 MB のファイルを保存しようとすると、エラーになり保存できません。クォータの種類がハードなので、制限値を超える保存は止められます。

エクスプローラー(クライアント)画面イメージ
ネットワーク ›› AD-1 ›› Sales-Data
項目のコピー
コピーするファイル1M.dat(デスクトップから Sales-Data へ)
1メッセージSales-Data に十分な空き領域がありません
この項目をコピーするには 1.00 MB の領域が必要です。ファイルを削除または移動して、十分な空き領域を作成してください。
再試行(R)キャンセル
図12 1 MB のファイルを追加しようとしたときのエラー(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1十分な空き領域がありませんハードクォータの上限に届いたため、ファイルを保存できません。クライアントからは、ディスクの空き容量が足りないのと同じように見えます。

ソフトクォータによる制限

設定

同じ C:\Sales-Data に、テンプレートの 500 MB の共有の監視 を適用します。

クォータの作成画面イメージ
1クォータのパスC:\Sales-Data 参照(B)…
2クォータのプロパティ◉ クォータのテンプレートからプロパティを取得する(推奨)(T)
500 MB の共有の監視
クォータ プロパティの要約クォータ: C:\Sales-Data
ソース テンプレート: 500 MB の共有の監視
制限: 500 MB (ソフト)
通知: 4
警告 (80%): 電子メール
警告 (100%): 電子メール, イベント ログ
⋮
3作成キャンセル
図13 500 MB の共有の監視のクォータを作成する(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1クォータのパスC:\Sales-Data
2テンプレート500 MB の共有の監視(ソフトクォータ)
3作成クォータを作成します。

一覧に登録されます。クォータの種類はソフトです。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレートテンプレートの一致
ソース テンプレート: 500 MB の共有の監視 (1 アイテム)
C:\Sales-Data0%500 MB1ソフト500 MB の共有の監視はい
図14 作成したクォータ(ソフト)(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1ソフト制限値を超えても保存はでき、しきい値で通知だけを出すクォータです。

登録されたクォータをダブルクリックして、中身を確かめます。ソフトクォータは「制限値を超えることをユーザーに許可する(監視用に使用)」設定で、通知のしきい値が 3 つ入っています。

C:\Sales-Data のクォータのプロパティ画面イメージ
テンプレートからのコピー500 MB の共有の監視 コピー(O)
クォータのパスC:\Sales-Data
制限値500.000 MB
1クォータの種類○ ハード クォータ(U): 制限値を超えることをユーザーに許可しません
◉ ソフト クォータ(S): 制限値を超えることをユーザーに許可する (監視用に使用)
2通知のしきい値
しきい値電子メールイベント ログコマンドレポート
警告 (80%)✔
警告 (100%)✔✔
警告 (120%)✔✔
☐ クォータを無効にする(I)
OKキャンセル
図15 500 MB の共有の監視の中身(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1ソフト クォータ制限値を超えて保存することを許可します。監視用です。
2通知のしきい値使用率が 80%、100%、120% に達したときの通知です。100% と 120% ではイベントログにも警告を書き込みます。

今回は、しきい値を超えたときのイベントログを確認します。警告 (100%) を開くと、イベントログに書き込むメッセージの形が設定されています。

100% のしきい値のプロパティ画面イメージ
1使用率 (%) が次に達したら、通知を生成する100
タブ電子メール メッセージ | イベント ログ | コマンド | レポート
2☑ イベント ログへ警告を送信(W)
3ログ エントリサーバー [Server] の [Quota Path] 上のクォータでクォータの制限を超えています。クォータの制限は [Quota Limit MB] MB で、現在の使用状況は [Quota Used MB] MB (制限の [Quota Used Percent]%) です。
挿入する変数の選択[Admin Email] 変数の挿入(I)
OKキャンセル
図16 100% のしきい値のイベントログ設定(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1使用率通知を出す使用率(%)です。
2イベント ログへ警告を送信チェックすると、Application ログに警告が記録されます。
3ログ エントリ記録するメッセージです。[Quota Path] などの変数は、実際のパスや値に置き換わります。
電子メールの通知

テンプレートには電子メールの通知も入っていますが、メールを送るには、先に FSRM のオプション(ファイル サーバー リソース マネージャー を右クリック ›› オプションの構成)で SMTP サーバなどを設定しておく必要があります。

動作確認

100 MB のファイルを 4 つ保存します。

エクスプローラー(クライアント)画面イメージ
ネットワーク ›› AD-1 ›› Sales-Data
名前更新日時種類サイズ
100M.dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
100M – コピー.dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
100M – コピー (3).dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
100M – コピー (2).dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
図17 100 MB のファイルを 4 つ保存した(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

制限値が 500 MB なので、使用率は 80% です。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレート
ソース テンプレート: 500 MB の共有の監視 (1 アイテム)
C:\Sales-Data180%500 MBソフト500 MB の共有の監視
図18 使用率は 80%(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

この状態で、100 MB のファイルをもう 1 つ増やします。ソフトクォータなので、制限値に届いても保存できます。

エクスプローラー(クライアント)画面イメージ
ネットワーク ›› AD-1 ›› Sales-Data
名前更新日時種類サイズ
100M.dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
100M – コピー.dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
100M – コピー (3).dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
100M – コピー (2).dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
1100M – コピー (4).dat2022/02/02 20:37DAT ファイル102,400 KB
図19 5 つ目のファイルも保存できた(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

合計 500 MB になり、使用率は 100% です。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレート
ソース テンプレート: 500 MB の共有の監視 (1 アイテム)
C:\Sales-Data1100%500 MBソフト500 MB の共有の監視
図20 使用率は 100%(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

100% のしきい値でイベントログに書き込む設定なので、イベントビューアーの Windows ログ ›› Application に、しきい値を超えたことを示す警告が出ています。

イベント ビューアー画面イメージ
Windows ログ ›› Application
レベル日付と時刻ソースイベント ID
1 警告2022/02/02 21:24:11SRMSVC12325
イベント プロパティ – イベント 12325, SRMSVC
2全般サーバー AD-1 の C:\Sales-Data 上のクォータでクォータの制限を超えています。クォータの制限は 500.00 MB で、現在の使用状況は 500.01 MB (制限の 100%) です。
ログの名前Application
3ソース / イベント IDSRMSVC / 12325
レベル警告
コンピューターAD-1.hirotanoblog.local
図21 使用率 100% のときのイベントログ(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

さらに 100 MB のファイルを増やすと、使用率は 120% になります。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレート
ソース テンプレート: 500 MB の共有の監視 (1 アイテム)
C:\Sales-Data1120%500 MBソフト500 MB の共有の監視
図22 使用率は 120%(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

120% のしきい値でも、イベントログに警告が出ます。

イベント ビューアー画面イメージ
Windows ログ ›› Application
レベル日付と時刻ソースイベント ID
1 警告2022/02/02 21:28:48SRMSVC12325
イベント プロパティ – イベント 12325, SRMSVC
2全般サーバー AD-1 の C:\Sales-Data 上のクォータで 120% のクォータのしきい値を超えています。クォータの制限は 500.00 MB で、現在の使用状況は 600.01 MB (制限の 120%) です。
ログの名前Application
3ソース / イベント IDSRMSVC / 12325
レベル警告
コンピューターAD-1.hirotanoblog.local
図23 使用率 120% のときのイベントログ(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1警告黄色の警告アイコンです。しきい値の通知は「警告」レベルで記録されます。
2全般しきい値のプロパティで設定したログ エントリの変数が、実際の値に置き換わっています。
3SRMSVC / 12325FSRM のサービス(SRMSVC)が書いたイベントです。この検証では、100% と 120% のどちらも同じイベント ID でした。

カスタムテンプレート設定

テンプレート作成

AD-1 の C ドライブに、フォルダを 2 つ追加します(Manager-Data と Customer-Data)。

エクスプローラー(AD-1)画面イメージ
C:
名前更新日時
Sales-Data2022/02/02 21:28
1Manager-Data2022/02/02 21:33
Customer-Data2022/02/02 21:34
図24 C ドライブに 2 つのフォルダを追加した(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

ここまでは用意されたテンプレートを使いましたが、制限値や通知を自分で決めることもできます。C:\Manager-Data に、ソフトクォータで制限値 300 MB、使用率 110% でイベントログに書き込む設定を作ります。

クォータの作成画面でクォータのパスを指定し、カスタム クォータのプロパティを定義する を選んで カスタム プロパティ をクリックします。

クォータの作成画面イメージ
1クォータのパスC:\Manager-Data 参照(B)…
2クォータのプロパティ○ クォータのテンプレートからプロパティを取得する(推奨)(T)
◉ カスタム クォータのプロパティを定義する(C) カスタム プロパティ(R)…
3クォータ プロパティの要約クォータ: C:\Manager-Data
制限: 300 MB (ソフト)
通知: 2
警告 (110%): イベント ログ
4作成キャンセル
図25 カスタム プロパティでクォータを作成する(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1クォータのパスC:\Manager-Data
2クォータのプロパティカスタム クォータのプロパティを定義する を選び、カスタム プロパティ を開いて、このあとの 2 つの図の設定をします。
3要約設定した 300 MB(ソフト)と 110% の通知が表示されます。
4作成クォータを作成します。続いてテンプレートとして保存するかを聞かれます。

カスタム プロパティでは、制限値を 300 MB にし、ソフトクォータを選んで、通知のしきい値の 追加 をクリックします。

C:\Manager-Data のクォータのプロパティ画面イメージ
テンプレートからのコピー10 GB の制限
クォータのパスC:\Manager-Data
1制限値300.000 MB
2クォータの種類○ ハード クォータ(U): 制限値を超えることをユーザーに許可しません
◉ ソフト クォータ(S): 制限値を超えることをユーザーに許可する (監視用に使用)
3通知のしきい値
しきい値電子メールイベント ログコマンドレポート
警告 (110%)✔
追加(A)… 編集(E)… 削除(R)
4OKキャンセル
図26 カスタム プロパティの設定(しきい値を追加したあと)(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1制限値300 MB
2クォータの種類ソフト クォータ
3通知のしきい値追加 で 110% のしきい値を足します(次の図)。
4OKカスタム プロパティを確定します。

しきい値を 110 にし、イベント ログ タブで イベント ログへ警告を送信 にチェックを入れて OK をクリックします。

しきい値の追加画面イメージ
1使用率 (%) が次に達したら、通知を生成する110
2タブ電子メール メッセージ | イベント ログ | コマンド | レポート
☑ イベント ログへ警告を送信(W)
ログ エントリユーザー [Source Io Owner] は、サーバー [Server] 上の [Quota Path] のクォータの [Quota Threshold]% のクォータのしきい値を超えました。クォータの制限は [Quota Limit MB] MB で、現在 [Quota Used MB] MB 使用しています。(制限の [Quota Used Percent]% )
3OKキャンセル
図27 110% のしきい値の追加(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1使用率110
2イベント ログイベント ログへ警告を送信 にチェックします。
3OKしきい値を追加します。

通知のしきい値が登録されたことを確かめて OK をクリックし、クォータの作成画面で 作成 をクリックします。すると、今の設定をテンプレートとして保存するかを聞かれます。今回は 300MB共有の監視 という名前で保存します。

テンプレートとしてカスタム プロパティを保存する画面イメージ
1保存方法◉ テンプレートとしてカスタム プロパティを保存する(S)
テンプレート名300MB共有の監視
○ テンプレートを作成せずにカスタム クォータを保存する(W)
☐ 今後テンプレートとして保存するメッセージを表示しない(D)
2OKキャンセル
図28 テンプレートとして保存する(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1テンプレート名300MB共有の監視 という名前でテンプレートを作り、このクォータに適用します。
2OK保存します。

一覧に登録されます。どのテンプレートをもとに作ったクォータなのかが、ソース テンプレートの列でわかります。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレートテンプレートの一致
ソース テンプレート: 300MB共有の監視 (1 アイテム)
C:\Manager-Data0%300 MBソフト1300MB共有の監視はい
ソース テンプレート: 500 MB の共有の監視 (1 アイテム)
C:\Sales-Data100%500 MBソフト500 MB の共有の監視はい
図29 作成したテンプレートがソース テンプレートになっている(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1300MB共有の監視保存したテンプレートが、このクォータのソース テンプレートになっています。

テンプレートを作らずに設定する

テンプレートを作らずに、そのフォルダだけのクォータを作ることもできます。C:\Customer-Data に、200 MB のハードクォータを作ります。

クォータの作成画面イメージ
1クォータのパスC:\Customer-Data 参照(B)…
クォータのプロパティ◉ カスタム クォータのプロパティを定義する(C) カスタム プロパティ(R)…
2クォータ プロパティの要約クォータ: C:\Customer-Data
制限: 200 MB (ハード)
通知: 1
3作成キャンセル
図30 200 MB のハードクォータを作成する(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)

テンプレートは作らないので、テンプレートを作成せずにカスタム クォータを保存する を選んで OK をクリックします。

テンプレートとしてカスタム プロパティを保存する画面イメージ
4保存方法○ テンプレートとしてカスタム プロパティを保存する(S)
◉ テンプレートを作成せずにカスタム クォータを保存する(W)
5OKキャンセル
図31 テンプレートを作らずに保存する(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1クォータのパスC:\Customer-Data
2要約カスタム プロパティで設定した 200 MB(ハード)です。
3作成クォータを作成します。
4保存方法テンプレートを作成せずにカスタム クォータを保存する を選びます。
5OK保存します。

作成したクォータは、ソース テンプレートが空欄になります。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレートテンプレートの一致
ソース テンプレート: (1 アイテム)
C:\Customer-Data0%200 MBハード1(空欄)
ソース テンプレート: 300MB共有の監視 (1 アイテム)
C:\Manager-Data0%300 MBソフト300MB共有の監視はい
ソース テンプレート: 500 MB の共有の監視 (1 アイテム)
C:\Sales-Data100%500 MBソフト500 MB の共有の監視はい
図32 テンプレートを使わないクォータはソース テンプレートが空欄(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

テンプレートの変更

テンプレートを適用したクォータを個別に変える

3 つのフォルダに、カスタムテンプレートの 300MB共有の監視 を適用したとします。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレートテンプレートの一致
ソース テンプレート: 300MB共有の監視 (3 アイテム)
C:\Sales-Data166%300 MBソフト1300MB共有の監視はい
C:\Manager-Data0%300 MBソフト300MB共有の監視はい
C:\Customer-Data0%300 MBソフト300MB共有の監視はい
図33 3 つのフォルダに 300MB共有の監視 を適用した状態(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

ここで、C:\Sales-Data だけ制限値を 300 MB から 400 MB に増やします。

C:\Sales-Data のクォータのプロパティ画面イメージ
テンプレートからのコピー300MB共有の監視
クォータのパスC:\Sales-Data
1制限値400.000 MB
クォータの種類◉ ソフト クォータ(S)
通知のしきい値
しきい値電子メールイベント ログコマンドレポート
警告 (110%)✔
2OKキャンセル
図34 Sales-Data だけ制限値を 400 MB にする(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレート
ソース テンプレート: 300MB共有の監視 (3 アイテム)
C:\Manager-Data0%300 MBソフト300MB共有の監視
C:\Customer-Data0%300 MBソフト300MB共有の監視
C:\Sales-Data125%3400 MBソフト300MB共有の監視
図35 Sales-Data の制限値が 400 MB になった(テンプレートの一致の列は省略)(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1ソース テンプレート3 つとも 300MB共有の監視 から作られ、テンプレートの一致は はい です。
2制限値Sales-Data のプロパティで、制限値を 400 MB に変えて OK を押します。
3制限Sales-Data だけ 400 MB になります。ソース テンプレートは変わりませんが、テンプレートの一致は いいえ になります(この節の最後の図で確認できます)。

個別に変えたクォータは、テンプレートの一致が はい から いいえ になります。これで、ソース テンプレートの設定から変えたクォータだと見分けられます。

テンプレートの変更を既存のクォータに反映する

カスタムで作った 300MB共有の監視 テンプレートの制限値を、350 MB に変えます。クォータの管理 ›› クォータのテンプレート で 300MB共有の監視 を開きます。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータのテンプレート
クォータのテンプレート制限クォータの種類
10 GB の制限10.0 GBハード
10 TB ボリュームの使用率の監視10.0 TBソフト
100 MB 制限100 MBハード
2 GB の制限2.00 GBハード
200 GB ボリュームの使用率の監視200 GBソフト
200 MB 制限 (50 MB の拡張あり)200 MBハード
250 MB 拡張制限250 MBハード
3 TB ボリュームの使用率の監視3.00 TBソフト
1300MB共有の監視300 MBソフト
5 GB の制限5.00 GBハード
5 TB ボリュームの使用率の監視5.00 TBソフト
500 MB の共有の監視500 MBソフト
ユーザーへ 200 MB 制限のレポート200 MBハード
図36 作成した 300MB共有の監視 がテンプレートの一覧に加わっている(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

名前と制限値を変えて OK をクリックします。

300MB共有の監視 のクォータ テンプレートのプロパティ画面イメージ
1テンプレート名350MB共有の監視
2制限値350.000 MB
クォータの種類◉ ソフト クォータ(S)
通知のしきい値
しきい値電子メールイベント ログコマンドレポート
警告 (110%)✔
3OKキャンセル
図37 テンプレートの名前と制限値を変える(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1テンプレート名350MB共有の監視
2制限値350 MB
3OK変更を保存します。続いて、既存のクォータにどう反映するかを聞かれます。

すると、変えたテンプレートを、どの既存のクォータに反映するかを聞かれます。どれを選んでも、反映されたクォータはテンプレートの設定で上書きされます。今回は、元のテンプレートに一致するクォータだけに反映します。

テンプレートから取得したクォータの更新画面イメージ
既存のクォータにテンプレートの変更をどう適用しますか?
1適用方法◉ 元のテンプレートに一致する取得したクォータのみにテンプレートを適用する(O)
○ 取得したクォータすべてにテンプレートを適用する(A)
○ 取得したクォータにテンプレートを適用しない(N)
2OKキャンセル
図38 テンプレートの変更の反映方法を選ぶ(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
選択肢反映されるクォータPowerShell(Set-FsrmQuotaTemplate)
1 元のテンプレートに一致する取得したクォータのみに適用テンプレートの一致が「はい」のクォータだけ-UpdateDerivedMatching
取得したクォータすべてに適用個別に変えたものも含め、そのテンプレートから作ったすべてのクォータ-UpdateDerived
取得したクォータに適用しないなし(テンプレートだけが変わる)どちらも付けない

2 の OK で確定します。

テンプレート300 MB → 350 MBC:\Sales-Data一致:いいえ(400 MB に変更済み)反映しないC:\Manager-Data一致:はい反映するC:\Customer-Data一致:はい反映する「元のテンプレートに一致する取得したクォータのみにテンプレートを適用する」を選択
図39 「元のテンプレートに一致するクォータのみ」に反映したときの動き

結果を見ると、テンプレートの一致が「はい」のクォータだけに、変更が反映されています。

ファイル サーバー リソース マネージャー画面イメージ
クォータの管理 ›› クォータ
クォータのパス使用率 (%)制限クォータの種類ソース テンプレートテンプレートの一致
ソース テンプレート: 300MB共有の監視 (1 アイテム)
C:\Sales-Data125%400 MBソフト300MB共有の監視1いいえ
ソース テンプレート: 350MB共有の監視 (2 アイテム)
C:\Manager-Data0%350 MBソフト350MB共有の監視2はい
C:\Customer-Data0%350 MBソフト350MB共有の監視はい
図40 テンプレートの一致が「はい」のクォータだけに反映された(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1Sales-Data(いいえ)個別に 400 MB へ変えていたので、テンプレートの変更は反映されていません。ソース テンプレートの表示も変更前の名前のままです。
2Manager-Data / Customer-Data(はい)テンプレートの変更が反映され、350 MB、ソース テンプレートは 350MB共有の監視 になりました。

まとめ

確かめたこと結果
ハードクォータ(100 MB)99 MB までは保存でき、そこへ 1 MB を足す保存はエラーになった
ソフトクォータ(500 MB)制限値を超えても保存でき、100% と 120% のしきい値でイベントログ(SRMSVC 12325)が出た
カスタムテンプレート制限値やしきい値を自分で決めて、テンプレートとして保存できた
テンプレートを使わないクォータソース テンプレートが空欄のクォータになった
クォータを個別に変更テンプレートの一致が「いいえ」になった
テンプレートの変更「一致するクォータのみ」を選ぶと、一致が「はい」のクォータだけに反映された
補足
  • FSRM が扱えるのは NTFS のボリュームだけで、ReFS のボリュームには使えません。
  • PowerShell では、FileServerResourceManager モジュールの New-FsrmQuota や Set-FsrmQuotaTemplate などで同じ設定ができます。
  • Windows Server 2019 の延長サポートは 2029年1月9日までです。

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