グループポリシーオブジェクト(GPO)は、バックアップとリストアすることができます。
例えば、GPOに誤った設定をした場合などは、設定変更前にバックアップを取得しておくことで、設定前の状態に復元することができます。
グループポリシーに関しては、下記の記事を参考にしてください。
【Active Directory】グループポリシーの構成・適用・更新
ローカルグループポリシーは、個々のコンピュータ(OS)に対して、コンピューターやユーザの構成のポリシーを適用する設定でした。 ただし、管理者による集中管理ができず、個々のコンピューターで個別に設定を適用する必要がありました。 ローカルグルー...
この記事では、あらかじめ作成されたMSIパッケージを配布するGPOに対して、バックアップやリストアの動作を確認します。
MSIパッケージを配布するGPOの作成は、下記の記事を参考にしてください。
また、この作成されたGPOは、OU1にリンクされているものとします。
下記は、グループポリシー管理エディタの状態です。
GPOバックアップ
複数ある全体のGPOをまとめてバックアップ、もしくは、 個別にバックアップすることができます。
全体をバックアップ
「グループポリシーオブジェクト」を右クリックし、「すべてをバックアップ」をクリックします。
バックアップの保存先を指定します。「参照」をクリックします。
フォルダー参照より、バックアップ先を選択し、OKをクリックします。今回は、デスクトップにGPO_Backupというフォルダーにバックアップを保存します。
「バックアップ」をクリックします。
バックアップが開始されます。しばらくすると、完了します。
全体で、3つのGPOがバックアップされていることが確認できます。
確認後、OKをクリックします。
バックアップデータを確認すると、長いID列が名前のフォルダーが取得されています。
例えば、{4522180A-849E-4804-A1CB-324ECC9D9B55} を開くと、gpreportというXMLファイルがあり、開くと、GPOの名前を確認することができます。
個別にバックアップ
バックアップしたいGPOを選択し、右クリックから「バックアップ」をクリックします。
以降の手順は、上の「全体をバックアップ」と同等です。
GPOリストア
バックアップしたGPO(MSIパッケージの配布)をリストアします。
GPO設定の復元(GPOを誤って設定した想定)
MSIパッケージの配布では、FireFoxのMSIパッケージを配布するポリシーを設定しています。
この設定を削除します。
削除されたことを確認します。
それでは、リストアします。
対象のGPO(MSIパッケージの配布)を右クリックし、「バックアップから復元」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
バックアップが保存されているフォルダーを設定し、「次へ」をクリックします。
バックアップされたGPOが表示されます。「設定の表示」をクリックします。
バックアップされたGPOの設定が確認できます。MSIパッケージが設定されています。
リストアするGPOの設定が確認できれば、「次へ」をクリックします。
「完了」をクリックします。
復元の進行状況が表示されます。復元が成功したことを確認し、「OK」をクリックします。
これで、復元は完了です。設定が復元されていることが確認できました。
GPO本体を復元(GPOを誤って削除した想定)
削除したGPOをリストアしてみます。
「MSIパッケージの配布」のGPOを削除します。このGPOは、OU1にリンクされています。
GPOへのリンクを削除する旨が表示されます。「はい」をクリックします。
GPOは削除されました。OU1へのリンクもあわせて、削除されています。
それでは、復元します。グループポリシーオブジェクトを右クリックから、「バックアップの管理」をクリックします。
バックアップされたGPOの全体が表示されます。復元対象のGPO(MSIパッケージの配布)を選択し、「復元」をクリックします。
OKをクリックします。
復元の進行状況が表示されます。復元が成功したことを確認し、「OK」をクリックします。
下記のとおり、グループポリシーオブジェクトにGPOが復元されました。ただし、OU1へのリンクは復元されていません。
GPOのリストアでは、リンクは復元されないため、再設定する必要があります。
OU1を右クリックから「既存のGPOのリンク」をクリックします。
”MSIパッケージの配布”を選択し、OKをクリックします。
これで復元完了となります。
GPOのバックアップ、リストアは同一フォレスト内で、実行可能です。
例えば、テスト環境用のフォレストで作成したGPOを本番用の別のフォレストへ適用する場合は、バックアップからリストアではなく、「設定のインポート」をする必要があります。
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