スパニングツリーでは、特定のインターフェイスをブロックすることにより、ループのないトポロジを作成します。 ここでは、ルートブリッジ、ルートポート、指定ポートなど、スパニングツリーに必要な用語と動作の基本を説明します。
こちらの記事も参考にしてください。
>> 参考 : 【初心者わかりやすく】スパニングツリーを理解する第1歩BPDU(Bridge Protocol Data Unit)
3台のスイッチが上図のように三角形で構成され、ループ構成となっています。 これらのスイッチでスパニングツリーを有効にすると、BPDU(Bridge Protocol Data Unit)と呼ばれるフレームが送信されます。
BPDUの中で特に重要な情報は、(ブリッジ)優先度とMACアドレスです。
優先度はデフォルト32768で、0〜61440まで4096の倍数で設定することができます。(例えば、0, 4096 , 8182・・・61440)そして、優先度とMACアドレスをくっつけた値をブリッジ識別子と言います。
ブリッジ識別子 =優先度+ MACアドレス
ルートブリッジの選定
スパニングツリーでは、まずルートブリッジを選定します。
最小のブリッジ識別子のスイッチがルートブリッジとして選定されます。
この構成のブリッジ識別子は以下のようになります。(ここでは表記上、2進数と16進数をそのまま並べて書きます)
ブリッジ識別子の中で、最小なのは、SW1(32768:0000.0000.0001)です。そのため、SW1がルートブリッジとなります。
ルートポートとは
ルートブリッジに一番近いポートをルートポートと言います。近い、遠いはルートブリッジまでのパスコスト(帯域幅)の総和で決まります。
ルートポートはスイッチで必ず1つです。
また、ルートブリッジ自身は、ルートポートはありません。表記上、下図のようにRPと記述します。
指定ポートとは
スイッチ間のリンク上で、最もルートブリッジに近いポートを指定ポートと言います。これはリンク上に端末を置いて、どちらのスイッチを経由した方がルートブリッジに近いかを考えます。
指定ポートはリンク上で必ず1つです。
表記上、下図のようにDPと記述します。
構成例
構成例にて全リンクが同一帯域幅(同一パスコスト)を前提に、ルートポート、指定ポートをどのように決めるのか確認します。
ルートポートの決定
構成例で、ルートポートは以下の箇所になります。ルートブリッジにはルートポートはありません。
指定ポートの決定
SW1〜SW2間、SW1〜SW3間にそれぞれ端末があると仮定して、どっちのスイッチを経由した方がルートブリッジに近いでしょうか。これはもちろん、ルートブリッジのポートになります。
ルートブリッジのポートは全て指定ポートになります。
では、SW2とSW3間はどうでしょうか。リンク上に端末を置いてみますが、左右対称のため、SW2、SW3どちらを経由しても、ルートブリッジへの近さ(パスコスト)は同じです。
この場合は、タイブレイクとして、ブリッジ識別子の小さい方のスイッチを経由した方が近いとします。 SW2の方が、ブリッジ識別子が小さいので、SW2側のポートが指定ポートになります。
ルート・指定ポート以外は?
ルートポートにも指定ポートにもならなかったポートは、ブロッキングポートとして、データ転送をブロックします。表記上、下図のようにBLKと記述します。このブロックポートにより、L2ループを防ぐことができます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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