前の記事で書いたように、スイッチはルートブリッジに一番近いパスを見つける必要があります。ルートブリッジから一番近いというのは何をもって計算するのでしょうか。 それはポート速度(リンクコスト)の総和で求められます。リンクコストという値を用いて、ポート速度が速いほどリンクコスト値が小さくなります。値が大きくなればなるほど、ルートブリッジからは遠いと考えます。
リンクコストの計算
以下のようなトポロジがあったとします。 SW1はルートブリッジとして、SW2〜SW4が1Gbps、100Mbps、10Mbpsなどさまざまなインタフェース速度で接続しているとします。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/07/22403AB8-F797-439D-80E4-1E9A94638575.png)
帯域幅とリンクコストは以下のように対応します。
帯域幅 | コスト |
1Gbps | 4 |
100Mbps | 19 |
10Mbps | 100 |
BPDUの中のRoot Path Costに自身のルートブリッジまでの最短コストが挿入され、他スイッチへ流されます。
まず、SW1は自身がルートブリッジなので、ルートブリッジまでのコストはゼロです。この値をBPDUを通じて、SW2に送られます。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/07/BCBCD9FD-C796-4310-9A6D-64CDFAA7F25D.png)
SW2はこのBPDUを受信します。受信したインタフェース速度は1Gbpsなので、リンクコストはデフォルトで4です。 受信したBPDUのコストの値に自身のインタフェースのコストを足して、ルートブリッジまでのコストを計算します。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/07/CEA434EC-4EBC-46BA-AB32-E463D4CD3AED.png)
SW2はルートブリッジへのコストが4となり、これをBPDUを通じて、SW3に送られます。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/07/4F08C37C-B900-4201-8421-DC0C6DAE33D2.png)
SW3はこのBPDUを受信します。受信したインタフェース速度は100Mbpsなので、リンクコストはデフォルトで19です。 受信したBPDUのコストの値に自身のインタフェースのコストを足して、ルートブリッジまでのコストを計算します。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/07/57159049-2270-4FE4-B700-9A8E435E4AA0.png)
上の例を見ての通り、インタフェース速度のコストを足すのは、BPDUを受信するときです。BPDUの受信インタフェースのコストを加算します。BPDU送信時にコストを足してはいけません。
SW4も同様に考えます。SW4のルートブリッジまでのコストは123となります。
![](https://hirotanoblog.com/wp-content/uploads/2020/07/0CC59DAF-3F19-41CE-A5DD-1345F389CDBF.png)
最後までお読み頂きありがとうございました。
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