VLANとは
VLAN(仮想LAN)は、同じ物理機器(LANスイッチなど)に接続されているネットワークを(仮想的に)複数のLANセグメントへ分割する技術です。VLANを利用することで、同じスイッチに接続されているより多くの機器(PCやプリンタなど)を(論理的な観点から)分離することができます。VLANはネットワークセグメントを表しています。2つのVLANを作成した場合、2つの異なるネットワークセグメント(ブロードキャストドメイン)を持つことになります。
VLANはVLAN番号と言われる一意のID(識別番号)によって区別されます。 Ciscoスイッチの場合、IDには大きく分けて、2つのカテゴリがあります。
- 標準 VLAN ID 1~1005
- 拡張 VLAN ID 1006~4094
例えば、192.168.1.0/24のVLAN番号を100, 192.168.2.0/24のVLAN番号を200というようにして、サブネットを識別します。

IEEE802.1q (タグVLAN)
例えば、2台のスイッチ間をケーブル接続して、VLAN100とVLAN200に所属する端末が接続できるようにしたいとします。 スイッチ間の接続で、すぐに思いつくのは、スイッチそれぞれのVLAN同士を物理的にケーブル接続することです。

これでも接続はできますが、例えば、スイッチにVLANが100個あったらケーブルを100本接続しないといけません。スイッチは基本、24ポートや48ポートなど、数には限界があります。そこで、1つの物理ポートに複数のVLANを多重化する仕組みが必要になります。これが、IEEE802.1qによるタグVLANです。

また、上記のように、端末などが接続されるポートをアクセスポートといい、スイッチ間など、複数のVLANを多重化しているポートをトランクポートといます。
設定例
以下の構成で、スイッチの設定を確認します。スイッチ2台とも、同じ設定です。

VLAN設定
VLAN100とVLAN200を設定します。
SW1(config)# vlan 100 SW1(config-vlan)# exit SW1(config)# vlan 200 SW1(config-vlan)# exit
コマンドshow vlan でVLANが追加されているかどうか確認できます。
SW1# show vlan VLAN Name Status Ports ---- -------------------------------- --------- ------------------------------- 1 default active Fa0/1, Fa0/2, Fa0/3, Fa0/4 Fa0/5, Fa0/6, Fa0/7, Fa0/8 100 VLAN0010 active 200 VLAN0020 active
アクセスポートの設定
Fa0/1をVLAN100, Fa0/2をVLAN200のアクセスポートとして設定します。
SW1(config)# interface FastEthernet0/1 SW1(config-if)# switchport access vlan 100 SW1(config-if)# switchport mode access SW1(config)# interface FastEthernet0/2 SW1(config-if)# switchport mode access SW1(config-if)# switchport access vlan 200
各VLANのポート割り当て状況を確認します。
SW1# show vlan VLAN Name Status Ports ---- -------------------------------- --------- ------------------------------- 1 default active Fa0/3, Fa0/4, Fa0/5, Fa0/6 Fa0/7, 100 VLAN0010 active Fa0/1 200 VLAN0020 active Fa0/2
また、ポートに対して、どのVLANが設定されているかを show interface status で確認します。
SW1# show interface status Port Name Status Vlan Duplex Speed Type Fa0/1 connected 100 a-full a-100 100BaseTX/FX Fa0/2 connected 200 a-full a-100 100BaseTX/FX
トランクポートの設定
Fa0/8をトランクポートとして設定します。
SW1(config)# interface FastEthernet0/8 SW1(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q SW1(config-if)# switchport mode trunk SW1(config-if)# switchport trunk allowed vlan 100,200
最後の allowed vlan を設定しないと、トランクポートには、設定している全てのVLANが、多重化されます。 実務上では、余計なVLANをトランクポートの対象にしないように、allowed vlanを設定し、対象VLANを制限します。
では、Fa0/8がトランクポートとして、どのVLAN番号を許可されているのかを確認します。
SW1# show int trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Fa0/8 on 802.1q trunking 1
Port Vlans allowed on trunk
Fa0/8 100,200
Port Vlans allowed and active in management domain
Fa0/8 100,200
Port Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
Fa0/8 100,200
ポートがトランクか否かだけであれば、show interface status でも確認できます。
SW1# show interface status
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Fa0/1 connected 100 a-full a-100 100BaseTX/FX
Fa0/2 connected 200 a-full a-100 100BaseTX/FX
Fa0/8 connected trunk a-full a-100 100BaseTX/FX
最後までお読み頂きありがとうございました。
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