【Paloalto】SNMPアクセス・トラップ設定を解説 PANOS 10.2.4

この記事では、Palo AltoデバイスでのSNMPSimple Network Management Protocol)の基本設定から監視、トラブルシューティングまでを一通り解説します。

SNMPを使用することで、これらのデバイスの様々なパラメータを監視し、ネットワークの健全性を維持することが可能になります。

例えば、トラフィックの流れ、デバイスの使用状況、セキュリティイベントなど、さまざまな情報を取得し、それに基づいて適切な対策を講じることができます。

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SNMPアクセスの設定

Palo AltoデバイスでSNMPを設定する基本的な手順を解説します。

SNMPコミュニティの設定

DEVICE」タブに移動し、「セットアップ」オプションを選択し、「操作」タブの中から、「SNMPのセットアップ」をクリックします。

SNMP コミュニティ名」にコミュニティ名(今回は hirotano とします)を入力し、「OK」をクリックして保存します。

管理インタフェースでのSNMP許可

管理インタフェースにて、SNMPサービスを有効化します。

DEVICE」タブに移動し、「セットアップ」オプションを選択し、「インタフェース」タブの中から、「Management」をクリックします。

SNMP」オプションを選択し、「OK」をクリックします。もし、SNMPの送信元IPアドレスを制限したい場合は、「アクセス許可IPアドレス」から「追加」で許可したいIPアドレスを登録します。今回は、送信元IPアドレスの制限はしません。

Commit」を実行し、設定を反映させます。

SNMPアクセスの動作確認

 下記のメーカドキュメントを参考に、「MIB browser」というツールを使用して、動作確認したところ、SNMP経由での情報取得できていることが確認できます。

  >> 参考記事 :How to Verify SNMP Functionality 
How to Verify SNMP Functionality
How to verify SNMP functionality
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PaloaltoデバイスのOID監視

SNMPを用いたネットワーク監視において、Object Identifier(OID)は、デバイスの特定の情報や状態を識別するための一意の識別子です。

Palo Altoデバイスでは、特定のOIDを通じて重要な情報を監視することができます。

Palo Altoデバイスでの監視に役立つ主要なOIDは、下記ドキュメントを参考にしてください。

  >> 参考記事 :SNMP for Monitoring Palo Alto Networks Devices 
SNMP for Monitoring Palo Alto Networks Devices
List of useful OIDs from various MIBs for performing basic SNMP monitoring of the Palo Alto Networks device.

いくつかの項目に関して、「MIB browser」というツールで取得内容を確認しています。

管理CPU(1.3.6.1.2.1.25.3.3.1.2.1)

管理面でのCPU使用率を示します。

インターフェースの名前(1.3.6.1.2.1.2.2.1.2.X)

デバイスの各インターフェースの名前を示します(例: MGMT、HA、ethernet1/1)
OIDのXはインタフェース番号です。

インターフェースのアップ/ダウン状態(1.3.6.1.2.1.2.2.1.8.X)

インターフェースがアップ(1)かダウン(2)かの状態を示します。

インターフェースの受信カウンタ(1.3.6.1.2.1.2.2.1.10)

インターフェースを通じての受信トラフィック量を示します。

インターフェースの送信カウンタ(1.3.6.1.2.1.2.2.1.16)

インターフェースを通じての送信トラフィック量を示します。

システム稼働時間(1.3.6.1.2.1.25.1.1.0)

デバイスのシステム稼働時間を示します。

アクティブなセッション数(1.3.6.1.4.1.25461.2.1.2.3.3.0)

現在アクティブなセッション数を示します。

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SNMPトラップの設定

ネットワーク管理において、リアルタイムのイベント通知には、SNMPトラップがよく用いられます。

SNMPトラップは、特定のイベントや状態の変化が発生した際に、自動的に通知をSNMPマネージャに送信する機能です。

Palo AltoデバイスにおけるSNMPトラップの設定は、以下のステップで行います。

SNMPトラップサーバープロファイルの作成

DEVICE」タブにアクセスし、「サーバプロファイル」セクションに移動し、「SNMP トラップ」から「追加」ボタンをクリックします。

サーバー名、IPアドレス、コミュニティ文字列などを設定します。

  • 名称:任意の名前。今回は、SMMP_Profile とします。
  • バージョンV2c を選択

追加」をクリックすると、SNMPマネージャーやコミュニティを設定することができます。

  • 名前:任意の名前。今回は、SNMP_Manager とします。
  • SNMPマネージャ:トラップを受信するIPアドレス。今回は、192.168.10.167 を設定。
  • コミュニティ:トラップ送信時のSNMPコミュニティ名。今回は、 hirotano とします。

ログ設定の調整

どのログをSNMPトラップとして送信するのかを設定します。

今回は、システムログの内容を、SMMPトラップで送信する設定を確認します。

DEVICE」タブにアクセスし、「ログ設定」セクションに移動し、「システム」から「追加」ボタンをクリックします。

上で作成したSNMPトラップサーバープロファイルを適用します。

  • 名前:任意の名前。今回は SNMP_Trap とします。
  • フィルタ:SNMPトラップで送信したいログ条件(フィルタ)を設定します。今回は、フィルタはせずに、すべてのログをSNMPトラップとして送信します。
  • 転送方式:SNMPの欄で、上で設定したSNMP_Profileを追加します。

設定完了後、「OK」をクリックします。

Commit」して設定を反映させます。

SNMPトラップの受信確認

SNMPアクセスの動作確認」のセクションで使用した「MIB browser」というツールにて、トラップ受信できていることが確認できます。

下記の例ですと、Commitに成功した旨のシステムログがSNMPトラップとして受信されています。

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その他SNMPトラップの転送(システムログ以外)

システムログ以外にも複数のログタイプが存在し、各種ログの種類に応じたプロファイルを設定することで、SNMPトラップをすることができます。

ログ設定

ログ設定」では、下記のログを転送する設定ができます。

  • システム
  • 設定
  • ユーザID
  • HIPマッチ
  • GlobalProtect
  • IP Tag

下記の画面のように、「システム」の設定の下に、「設定」「ユーザID」・・と順次、項目があります。

「設定」や「ユーザID」など、ログ種別毎に、ログ条件(フィルタ)とSNMPトラップサーバープロファイルを設定します。

ログ転送プロファイル

ログ転送プロファイル」では、下記のログを転送する設定ができ、プロファイルはポリシーに割り当てます。

  • 認証
  • データフィルタリング
  • 復号
  • 脅威
  • トラフィック
  • トンネル検査
  • URLフィルタリング
  • WildFireへの送信

下記の画面のように、「ログ転送プロファイルのマッチリスト」の「ログタイプ」より選択、転送方式としてSNMPを設定することができます。

ログ転送プロファイルにおけるログ転送は、SYSLOGサーバの記事で詳細を確認しています。SYSLOGをSNMPに置き換えてお読みください。

  >> 参考記事 :【Paloalto】Syslogへのログ転送設定を解説 PANOS 10.2.4 
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ログフィルタ

上の例では、すべてのシステムログをSNMPトラップ送信しましたが、緊急度の高い一部のログのみ、SNMPトラップ送信の対象にしたい場合があります。

この場合は、「ログ設定」の「フィルタ」で、送信対象をフィルタしてください。

上の例では、Severity が Critical であることを条件に、SNMPトラップを送信します。フィルタビルダーを使用すれば、もっと詳細に条件を設定することができます。

フィルタビルダーに関しても、SYSLOGの記事で確認しておりますので、あわせてご確認ください。

  >> 参考記事 :【Paloalto】Syslogへのログ転送設定を解説 PANOS 10.2.4 
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サービスルートの設定(送信元インタフェースの変更)

デフォルトでは、SNMPトラップは管理インターフェースから出力されます。

管理インタフェースからSNMPサーバへ到達できないなどのネットワーク構成の場合は、「サービスルート」の設定により、出力するインタフェースを変更することができます。

DEVICE」タブを選択し、「セットアップ」セクションに移動します。その後、「サービス」タブにある「サービスルートの設定」をクリックします。

カスタマイズ」にチェックを入れ、「SNMPトラップ」をクリックします。

送信元インタフェース」および「送信元アドレス」を選択し、「OK」をクリックします。

下記のとおり、設定が変更されます。「OK」をクリックし、Commitすることで、設定が反映されます。

この記事では、SNMP関連の設定とSNMPアクセス、およびトラップ送信の動作について確認しました。

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