HSRPでアクティブ機に障害後、復旧した時に、元のアクティブ機に自動的に切り戻すことができます。
これは、プリエンプト設定により、実現できます。
下の記事の基本設定の構成を元にプリエンプト(Preempt)の設定と動作を確認します。
>> 参考記事 : 【HSRP】基本設定とHelloパケット自動切り戻し(プリエンプト)とは
設定された優先度(Priority)設定に応じて、アクティブ/スタンバイを推移させることです。
英語のpreemptionは、先取り などの意味があります。
R2が障害で、R3がアクティブ機として動作している状態で、プリエンプトを設定することで、R2を復旧させると、R2が自動的にアクティブ機として動作します。
設定
プリエンプトは優先度(Priority)の一番高いアクティブルータ側に設定します。
R2(config)#interface FastEthernet0/0.23 R2(config-subif)# standby 1 preempt
自動切り戻しの動作確認
まず、R2のLANポートをシャットダウンして、R3をアクティブ機にします。
R2(config)#interface FastEthernet0/0.23 R2(config-subif)#shutdown *Jun 2 12:26:12.335: %HSRP-5-STATECHANGE: FastEthernet0/0.23 Grp 1 state Active -> Init
R3がアクティブになります。
R3# *Jun 2 12:26:12.679: %HSRP-5-STATECHANGE: FastEthernet0/0.23 Grp 1 state Standby -> Active R3#show standby brief P indicates configured to preempt. | Interface Grp Pri P State Active Standby Virtual IP Fa0/0.23 1 100 P Active local unknown 192.168.23.254
では、R2のLANポートを開放します。すると、R2がアクティブ機として動作します。
R2(config-subif)#interface FastEthernet0/0.23 R2(config-subif)#no shutdown *Jun 2 12:28:42.627: %HSRP-5-STATECHANGE: FastEthernet0/0.23 Grp 1 state Listen -> Active R2#show standby brief P indicates configured to preempt. | Interface Grp Pri P State Active Standby Virtual IP Fa0/0.23 1 105 P Active local 192.168.23.3 192.168.23.254
R2のLANポートを開放した際のパケットキャプチャが以下です。 R2が自分より優先度が低いR3よりアクティブ状態のHelloを受信すると、R2は、アクティブを自分に譲るように、Coupメッセージを送信します。
切り戻しの遅延(preempt delay)
自動切り戻し(preempt)する場合、その実行までの時間を指定の時間まで延期することができます。例えば、アクティブルータが復帰後、一定時間、ネットワークが安定させ、自動切り戻しを実行することができます。
設定
自動切り戻しを10秒延期させる場合は、以下の設定をします。
R2(config)#int fa0/0.23 R2(config-subif)#standby 1 preempt delay minimum 10
動作確認
R2(アクティブルータ)が復旧して、10秒後にR2は、アクティブを自分に譲るように、Corpメッセージを送信します。
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