【Fortigate】 VLANトランク設定(ハードウェアスイッチ)と動作確認 FortiOS6.0.9

Fortigateで、VLANトランクの設定と動作を確認します。今回は、VLANをハードウェアスイッチ上に作成します。

前提

ハードウェアスイッチの構成は、次の記事を前提にします。先に読んでおくと、この記事の構成が分かりやすくなります。

>> 参考記事:【Fortigate】ハードウェアスイッチ間通信と動作確認 FortiOS6.0.9

この記事でわかること
  1. ハードウェアスイッチ上にVLANインタフェースを作る手順(ハードウェアスイッチ自体のIPアドレスは外す)
  2. FortigateとCiscoのL2スイッチの間のトランクポート、端末側のアクセスポートの設定
  3. VLAN間の通信には、ハードウェアスイッチではなくVLANインタフェースを指定したポリシーが必要なこと
  4. 同じハードウェアスイッチの中でも、VLANが違えばポリシーが必要なこと

構成

新しくハードウェアスイッチ(HW-Switch-4-5)を作成し、Port4とPort5を割り当てます。Port1、Port2、Port3は、デフォルトのinternalのままです。

VLANは次の4つを設定します。internalにVLAN100と200、HW-Switch-4-5にVLAN300と400を割り当てます。

VLANネットワークFortigateのIPアドレス所属するハードウェアスイッチ
VLAN100192.168.1.0/24192.168.1.99/24internal
VLAN200192.168.2.0/24192.168.2.99/24internal
VLAN300192.168.3.0/24192.168.3.99/24HW-Switch-4-5
VLAN400192.168.4.0/24192.168.4.99/24HW-Switch-4-5
FortigateVLAN 100 192.168.1.99/24VLAN 200 192.168.2.99/24internalVLAN 300 192.168.3.99/24VLAN 400 192.168.4.99/24HW-Switch-4-512345VLAN100,200Fa0/1Fa0/2VLAN100192.168.1.1/24VLAN300,400Fa0/10Fa0/11VLAN300192.168.3.1/24
図1 検証の構成(Port1とPort5にL2スイッチを接続)

図のように、CiscoのL2スイッチと端末を接続し、端末間の疎通を確認します。

設定

ハードウェアスイッチのIPアドレスを外す

今回の構成では、IPアドレスをVLANインタフェースに付けます。そのため、ハードウェアスイッチ(internalとHW-Switch-4-5)に付いているIPアドレスは外します。アドレッシングモードをDHCPにします。

画面イメージについて

この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。バージョンによって、項目の並びや表記は変わります。端末のユーザー名は伏せています。

FortiGate 設定画面(GUI)画面イメージ
ネットワーク ›› インタフェース ›› internalの編集
インターフェース名internal
エイリアス 
タイプハードウェアスイッチ
インターフェースメンバーinternal1 ✖ internal2 ✖ internal3 ✖
⋮ (中略)
ロールLAN
アドレス
1アドレッシングモード○ マニュアル◉ DHCP○ PPPoE
図2 internal(ハードウェアスイッチ)の編集画面(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1アドレッシングモードDHCPを選ぶ。IPアドレスは使わない

VLANインタフェースの追加

VLANインタフェースとして、VLAN100(VLAN番号:100)を追加します。このVLANインタフェースは、internalというデフォルトのハードウェアスイッチに割り当てます。

ネットワーク ›› インタフェース から、新規作成 ›› インターフェース をクリックします。

FortiGate 設定画面(GUI)画面イメージ
ネットワーク ›› インタフェース ›› 新規インターフェース
1インターフェース名VLAN100
エイリアス 
2タイプVLAN
3インターフェースinternal
4VLAN ID100
⋮ (中略)
アドレス
アドレッシングモード◉ マニュアル○ DHCP○ PPPoE
5IP/ネットワークマスク192.168.1.99/24
管理者アクセス
6IPv4☐ HTTPS☐ HTTP☐ FMGアクセス☐ CAPWAP☐ SSH☐ SNMP☐ FTM☐ RADIUSアカウンティング☐ FortiTelemetry☑ PING
OKキャンセル
図3 VLANインタフェース(VLAN100)の新規作成画面(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1インターフェース名任意の名称。VLAN番号が分かるように VLAN100 とする
2タイプVLAN を選ぶ
3インターフェースハードウェアスイッチである internal を選ぶ
4VLAN IDVLAN番号である 100 を設定する
5IP/ネットワークマスクIPアドレスである 192.168.1.99/24 を設定する
6管理者アクセス任意。疎通確認のために PING を許可する
補足

VLAN IDとして使える範囲は1〜4094です。同じVLAN番号を、同じ物理インタフェースに2回設定することはできません。

ハードウェアスイッチinternalに、VLAN100が所属していることが確認できます。

FortiGate 設定画面(GUI)画面イメージ
ハードウェアスイッチ (4)
名前メンバーIP/ネットマスクタイプ
fortilinkA BFortiSwitchにデディケートハードウェアスイッチ (2)
HW-Switch-4-54 5192.168.2.99 255.255.255.0ハードウェアスイッチ (2)
internal1 2 30.0.0.0 0.0.0.0ハードウェアスイッチ (3)
1  └ VLAN100192.168.1.99 255.255.255.0VLAN
図4 インタフェースの一覧。internalの下にVLAN100が表示される(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1VLAN100internalの下に、VLANインタフェースとして表示される。IPアドレスはVLANインタフェースに付いている

同様に、VLAN200〜VLAN400を設定します。

FortiGate 設定画面(GUI)画面イメージ
ハードウェアスイッチ (7)
名前メンバーIP/ネットマスクタイプ
fortilinkA BFortiSwitchにデディケートハードウェアスイッチ (2)
1HW-Switch-4-54 50.0.0.0 0.0.0.0ハードウェアスイッチ (2)
  └ VLAN300192.168.3.99 255.255.255.0VLAN
  └ VLAN400192.168.4.99 255.255.255.0VLAN
2internal1 2 30.0.0.0 0.0.0.0ハードウェアスイッチ (3)
  └ VLAN100192.168.1.99 255.255.255.0VLAN
  └ VLAN200192.168.2.99 255.255.255.0VLAN
図5 VLAN100〜400を設定したあとのインタフェース一覧(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1HW-Switch-4-5IPアドレスは 0.0.0.0。VLAN300とVLAN400が所属している
2internalIPアドレスは 0.0.0.0。VLAN100とVLAN200が所属している

L2スイッチ側の設定

Fortigateへ接続するポートはトランクポート、端末へ接続するポートはアクセスポートとして設定します。

左側のスイッチ

interface FastEthetnet 0/1
switchport trunk encapsulation dot1q
switchport trunk allowed vlan 100,200
switchport mode trunk
!
interface FastEthetnet 0/2
switchport mode access
switchport access vlan 100

右側のスイッチ

interface FastEthetnet 0/10
switchport trunk encapsulation dot1q
switchport trunk allowed vlan 300,400
switchport mode trunk
!
interface FastEthetnet 0/11
switchport mode access
switchport access vlan 300
コマンド意味
switchport trunk encapsulation dot1qトランクのカプセル化をIEEE 802.1Qにする
switchport trunk allowed vlanトランクで通すVLANの一覧を指定する
switchport mode trunkポートを常時トランクにする
switchport mode accessポートをアクセスポートにする(端末側)
switchport access vlanアクセスポートが属するVLANを指定する
確認の前提

異なるネットワークの端末と通信するため、端末のデフォルトゲートウェイには、同じVLANのFortigateのアドレス(VLAN100の端末なら 192.168.1.99)を設定しておきます。

動作確認と設定の見直し

ハードウェアスイッチ間のポリシーで通信を確認

ハードウェアスイッチ間(internalからHW-Switch-4-5)でポリシーを設定します。

FortiGate 設定画面(GUI)画面イメージ
名前policy-1
1入力インターフェースinternal
2出力インターフェースHW-Switch-4-5
送信元all
宛先all
スケジュールalways
サービスALL
アクション◉ ACCEPT○ DENY
ファイアウォール / ネットワークオプション
NATオフ
OKキャンセル
図6 ポリシーの編集画面。入力はinternal、出力はHW-Switch-4-5(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1入力インターフェースハードウェアスイッチ internal
2出力インターフェースハードウェアスイッチ HW-Switch-4-5

192.168.1.1 → 192.168.3.1 へpingを実行しますが、疎通できません。

端末のコマンドプロンプト画面イメージ
C:\Users\(伏せています)>ping 192.168.3.1 192.168.3.1 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:要求がタイムアウトしました。要求がタイムアウトしました。要求がタイムアウトしました。要求がタイムアウトしました。 192.168.3.1 の ping 統計:1    パケット数: 送信 = 4、受信 = 0、損失 = 4 (100% の損失)、
図7 192.168.1.1の端末から192.168.3.1へのping。応答がない(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1パケット数送信 = 4、受信 = 0、損失 = 4 (100% の損失)。すべて応答がない

今回、Fortigateに付与されているIPアドレスは、ハードウェアスイッチではなく、VLANインタフェースに付いています。そのため、ポリシーも、VLANインタフェース間で設定する必要があります。

192.168.1.1VLAN100FortigateVLAN100VLAN300ポリシー入力 VLAN100 → 出力 VLAN300VLAN300192.168.3.1ポリシーの入力・出力は、ハードウェアスイッチではなくVLANインタフェースを選ぶ
図8 VLAN100からVLAN300への通信とポリシーの指定

VLANインタフェース間のポリシーに変更

入力インタフェースをVLAN100、出力インタフェースをVLAN300に変更します。

FortiGate 設定画面(GUI)画面イメージ
名前policy-1
1入力インターフェースVLAN100
2出力インターフェースVLAN300
送信元all
宛先all
スケジュールalways
サービスALL
アクション◉ ACCEPT○ DENY
ファイアウォール / ネットワークオプション
NATオフ
OKキャンセル
図9 ポリシーの編集画面。入力はVLAN100、出力はVLAN300(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1入力インターフェースVLANインタフェース VLAN100
2出力インターフェースVLANインタフェース VLAN300

再度、192.168.1.1 → 192.168.3.1 へpingを実行すると、疎通できるようになりました。

端末のコマンドプロンプト画面イメージ
C:\Users\(伏せています)>ping 192.168.3.1 192.168.3.1 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:192.168.3.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =3ms TTL=128192.168.3.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=128192.168.3.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=128192.168.3.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=128 192.168.3.1 の ping 統計:1    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):    最小 = 1ms、最大 = 3ms、平均 = 1ms
図10 192.168.1.1の端末から192.168.3.1へのping。応答がある(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1パケット数送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)。すべて応答がある

同じハードウェアスイッチ内の通信確認

同じハードウェアスイッチ内のVLAN間にポリシーを設定

同じハードウェアスイッチinternalの中で、VLAN100の端末(192.168.1.1/24)とVLAN200の端末(192.168.2.1/24)の通信を確認します。VLAN200の端末は、Port3に接続したL2スイッチにつなぎます。このL2スイッチも、Fortigate側をトランクポート(許可するVLANは100と200)、端末側をアクセスポート(VLAN200)として設定します。

FortigateVLAN 100 192.168.1.99/24VLAN 200 192.168.2.99/24internalVLAN 300 192.168.3.99/24VLAN 400 192.168.4.99/24HW-Switch-4-512345VLAN100,200Fa0/1Fa0/2VLAN100192.168.1.1/24VLAN100,200Fa0/10Fa0/11VLAN200192.168.2.1/24
図11 同じハードウェアスイッチ(internal)内の通信確認の構成

192.168.1.1 → 192.168.2.1 へpingを実行しますが、疎通できません。

端末のコマンドプロンプト画面イメージ
C:\Users\(伏せています)>ping 192.168.2.1 192.168.2.1 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:要求がタイムアウトしました。要求がタイムアウトしました。要求がタイムアウトしました。要求がタイムアウトしました。 192.168.2.1 の ping 統計:1    パケット数: 送信 = 4、受信 = 0、損失 = 4 (100% の損失)、
図12 192.168.1.1の端末から192.168.2.1へのping。応答がない(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1パケット数送信 = 4、受信 = 0、損失 = 4 (100% の損失)。すべて応答がない

同じハードウェアスイッチ内でも、VLANが異なれば疎通できません。VLAN間のポリシーが必要になります。

FortiGate 設定画面(GUI)画面イメージ
名前policy-1
1入力インターフェースVLAN100
2出力インターフェースVLAN200
送信元all
宛先all
スケジュールalways
サービスALL
アクション◉ ACCEPT○ DENY
ファイアウォール / ネットワークオプション
NATオフ
OKキャンセル
図13 ポリシーの編集画面。入力はVLAN100、出力はVLAN200(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1入力インターフェースVLANインタフェース VLAN100
2出力インターフェースVLANインタフェース VLAN200

VLAN間のポリシーを設定したあと、疎通できるようになりました。

端末のコマンドプロンプト画面イメージ
C:\Users\(伏せています)>ping 192.168.2.1 192.168.2.1 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:192.168.2.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=128192.168.2.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=128192.168.2.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=128192.168.2.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=128 192.168.2.1 の ping 統計:1    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):    最小 = 1ms、最大 = 1ms、平均 = 1ms
図14 192.168.1.1の端末から192.168.2.1へのping。応答がある(実際の画面ではなく、設定・表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1パケット数送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)。すべて応答がある
検証環境について

この記事は、FortiOS 6.0.9での検証内容です。FortiOS 6.0は、2022年9月29日にサポートが終了しています。

うまくいかないときの確認

状況よくある原因確認すること
端末から、同じVLANのFortigateのアドレスにpingが通らないL2スイッチのトランクで許可するVLANやアクセスポートのVLANが合っていない。VLAN IDが違う。VLANインタフェースの管理者アクセスでPINGを許可していないL2スイッチの switchport の設定、VLAN ID、VLANインタフェースの管理者アクセス
VLAN間(異なるネットワーク)の通信が通らないポリシーがない。ポリシーの入力・出力にハードウェアスイッチを指定しているポリシーの入力・出力がVLANインタフェースになっているか。通信の向きと合っているか
端末から、ほかのネットワークに届かない端末のデフォルトゲートウェイが、同じVLANのFortigateのアドレスになっていない端末のデフォルトゲートウェイ

まとめ

項目設定ポイント
ハードウェアスイッチinternal(Port1〜3)、HW-Switch-4-5(Port4、5)IPアドレスは外す(アドレッシングモードをDHCP)
VLANインタフェースVLAN100と200はinternal、VLAN300と400はHW-Switch-4-5IPアドレスはVLANインタフェースに設定する(192.168.x.99/24)
L2スイッチFortigate側はトランクポート、端末側はアクセスポートトランクで許可するVLANと、アクセスポートのVLANを合わせる
ポリシー入力・出力はVLANインタフェース(例:VLAN100 → VLAN300)ハードウェアスイッチを指定したポリシーでは通らない
同じハードウェアスイッチ内のVLAN間VLAN100 → VLAN200のポリシーを設定VLANが違えば、同じハードウェアスイッチでもポリシーが必要

コメント

  1. 安福 より:

    初めまして 安福と申します。

    大変勉強になります。
    貴重な経験を拝見させていただき
    ありがとうございます。