【Paloalto】Syslogへのログ転送設定を解説 PANOS 10.2.4

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Palo Alto Networks のファイアウォールを運用するうえで、ログを Syslog サーバに送っておくと、監視や調査がしやすくなります。この記事では、PA-VM(PAN-OS 10.2.4)で、Syslog サーバ プロファイルの作成から、システム ログとトラフィック ログの送信、ログ フォーマットの変更、ログのフィルタリング、送信元インタフェースの変更までを確認します。

この記事でわかること
  1. Syslog サーバ プロファイルの各項目(転送方式、ポート、フォーマット、ファシリティ)の意味
  2. システム ログ(ログ設定)とトラフィック ログ(ログ転送プロファイル)の送り方の違い
  3. カスタム ログ フォーマット、フィルタ ビルダー、サービスルートの設定

Syslogのメリット

ログを Syslog サーバに送ると、システム ログやトラフィック ログを外部でリアルタイムに監視でき、異常な通信や攻撃の試みに気づきやすくなります。また、ファイアウォール本体より長い期間ログを保存して分析できるので、セキュリティ ポリシーの見直しや、コンプライアンスの要件に合わせたログの保管にも使えます。

システムログ設定・ユーザー ID などログ設定Deviceトラフィックログ脅威・URL などログ転送プロファイルObjectsSyslog サーバプロファイルSyslog サーバ送信セキュリティ ポリシーに割り当てて使う
図1 ログが Syslog サーバに送られるまでの流れ

どのログを送るかは、ログの種類によって設定する場所が違います。システム ログなどは「ログ設定」で、トラフィック ログなどは「ログ転送プロファイル」で指定し、ログ転送プロファイルはセキュリティ ポリシーに割り当てます。送り先は、どちらも「Syslog サーバ プロファイル」で決めます。

現在の状況

この記事は PAN-OS 10.2.4 で検証しています。Palo Alto Networks の End-of-Life Summary では、PAN-OS 10.2 の通常のサポート終了日は 2025年8月27日、Extended Support+ の終了日は 2027年3月31日とされています。新しく構築する場合は、サポート中のバージョンで画面や項目を確認してください。

Syslogサーバへ送信する(システムログ)

画面イメージについて

この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時(2023年11月)の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。バージョンによって、項目の並びや表記は変わります。

Syslog サーバ プロファイルを作る

Device ›› サーバー プロファイル ›› Syslog を開き、「追加」をクリックします。名前(今回は Syslog_Profile_1)を入力し、「サーバー」タブの「追加」で Syslog サーバの行を追加して、各項目を入力します。入力したら「OK」をクリックします。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
Device ›› サーバー プロファイル ›› Syslog サーバー プロファイル
1名前Syslog_Profile_1
サーバー | カスタム ログ フォーマット
名前SYSLOG サーバー転送ポートフォーマットファシリティ
2Syslog_Server(伏せています)UDP514BSDLOG_USER
追加3OKキャンセル
図2 Syslog サーバー プロファイル(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1名前プロファイルの名前(今回は Syslog_Profile_1)。31文字まで
2Syslog サーバの行名前、Syslog サーバのアドレス、転送方式などを入力する(下の表)
3OK設定を保存する

Syslog サーバの行の各項目は次のとおりです。

項目今回の設定意味
名前Syslog_Server任意の名前
SYSLOG サーバー(伏せています)Syslog サーバの IP アドレスか FQDN
転送UDPUDP、TCP、SSL から選ぶ。UDP と TCP は平文、SSL は暗号化して送る
ポート514Syslog サーバの待ち受けポート。標準は UDP が 514、SSL が 6514。TCP の場合はサーバに合わせて指定する
フォーマットBSDBSD(既定)か IETF。Syslog サーバ側が受け付ける形式に合わせる
ファシリティLOG_USERLOG_USER、LOG_LOCAL0〜LOG_LOCAL7 から選ぶ。Syslog サーバ側でのログの振り分けに使う

フォーマットの BSD と IETF は、Syslog メッセージの形式の違いです。

フォーマット規格特徴
BSDRFC 3164古くからある形式。ヘッダーは優先度(PRI)、時刻、ホスト名だけのシンプルな形で、多くの Syslog サーバが対応している
IETFRFC 5424新しい形式。ヘッダーにバージョンやアプリ名、より詳しい時刻を持ち、構造化データも入れられる。形式が厳密に決まっている

ファシリティは、ログをどの種類のメッセージとして扱うかを示す値です。LOG_USER はユーザー プログラムのメッセージ向け、LOG_LOCAL0〜7 は利用者が自由に割り当てる用途向けです。複数の機器のログを1台の Syslog サーバで受ける場合は、機器ごとに LOG_LOCAL の番号を分けておくと、サーバ側で振り分けやすくなります。

ログ設定でシステム ログを送る

どのログを Syslog サーバに送るかを指定します。Device ›› ログ設定 を開き、「システム」の「追加」をクリックします。名前(今回は LOG_Setting)を入力し、「転送方式」の「SYSLOG」で「追加」をクリックして、STEP 1 の Syslog_Profile_1 を選びます。フィルタは「All Logs」(既定)のままにして、すべてのシステム ログを送ります。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
Device ›› ログ設定 – システム
1名前LOG_Setting
2フィルタAll Logs
内容 
転送方式
SNMP/電子メール/HTTP(設定なし)
3SYSLOG☑ Syslog_Profile_1
4OKキャンセル
図3 ログ設定 – システム(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1名前任意の名前(今回は LOG_Setting)
2フィルタ送るログの条件。今回は All Logs(すべてのログ)。絞り込み方は後半の「ログのフィルタリング」で説明する
3SYSLOG「追加」で STEP 1 の Syslog_Profile_1 を選ぶ
4OK設定を保存する

Commit する

画面右上の「Commit」を実行して、設定を反映します。これで、システム ログが Syslog サーバに送られるようになります。

Syslogサーバへ送信する(トラフィックログ)

トラフィック ログは、ファイアウォールが許可または拒否した通信のログです。どの IP アドレスやユーザーが、どのアプリケーションやポートを使ったかがわかるので、不要な通信の確認やトラブルシューティングに役立ちます。

トラフィック ログの送り方は、システム ログと少し違います。Syslog サーバ プロファイルを「ログ転送プロファイル」で指定し、そのログ転送プロファイルを、ログを送りたいセキュリティ ポリシーに割り当てます。Syslog サーバ プロファイルは、STEP 1 で作った Syslog_Profile_1 をそのまま使います。

ログ転送プロファイルを作る

Objects ›› ログ転送 を開き、「追加」をクリックします。「ログ転送プロファイル」の画面で名前(今回は LOG_Forwarding)を入力し、「追加」をクリックすると「ログ転送プロファイルのマッチ リスト」が開きます。各項目を設定して「OK」をクリックします。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
Objects ›› ログ転送 ›› ログ転送プロファイルのマッチ リスト
1名前LOG_Traffic
2ログ タイプtraffic
フィルタAll Logs
転送方式
3SYSLOG☑ Syslog_Profile_1
4OKキャンセル
図4 ログ転送プロファイルのマッチ リスト(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1名前任意の名前(今回は LOG_Traffic)
2ログ タイプ、フィルタtraffic(既定)と All Logs(既定)。トラフィック ログをすべて送る
3SYSLOG「追加」で Syslog_Profile_1 を選ぶ
4OKマッチ リストを保存する

「ログ転送プロファイル」の一覧に LOG_Traffic のエントリが追加されたことを確認し、「OK」をクリックします。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
Objects ›› ログ転送 ›› ログ転送プロファイル(LOG_Forwarding)
名前ログ タイプフィルタ転送方式
1LOG_TraffictrafficAll LogsSysLog:Syslog_Profile_1
2OKキャンセル
図5 ログ転送プロファイル(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示・項目意味・操作
1LOG_Trafficトラフィック ログを Syslog_Profile_1 に送るエントリ。1つのプロファイルに、ログ タイプごとのエントリを複数入れられる
2OKログ転送プロファイル(LOG_Forwarding)を保存する

セキュリティ ポリシーに割り当てる

Policies ›› セキュリティ で、トラフィック ログを送りたいポリシーを開きます。「アクション」タブの「ログ設定」で、「ログ転送」に LOG_Forwarding を選び、「OK」をクリックします。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
Policies ›› セキュリティ ›› セキュリティ ポリシー ルール ›› アクション
アクション設定
アクションAllow
ログ設定
セッション開始時にログ☐
1セッション終了時にログ☑
2ログ転送LOG_Forwarding
3OKキャンセル
図6 セキュリティ ポリシーのアクション タブ(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1セッション終了時にログオン(既定)。セッションが終わったときにトラフィック ログが記録される。ログが記録されないポリシーのログは送られない
2ログ転送STEP 4 の LOG_Forwarding を選ぶ
3OK設定を保存する

Commit する

「Commit」を実行して、設定を反映します。これで、このポリシーに一致した通信のトラフィック ログが Syslog サーバに送られるようになります。

その他ログの転送(システム・トラフィックログ以外)

システム ログとトラフィック ログ以外のログも、ログの種類ごとに設定すれば Syslog サーバに送れます。

設定する場所対象のログ使い方
Device ›› ログ設定システム、設定、ユーザー ID、HIP マッチ、GlobalProtect など画面にログの種類ごとの欄(「システム」の下に「設定」「ユーザー ID」…)が並ぶ。欄ごとに「追加」でフィルタと転送方式を設定する
Objects ›› ログ転送(ログ転送プロファイル)認証(auth)、データ フィルタリング(data)、復号(decryption)、脅威(threat)、トラフィック(traffic)、トンネル検査(tunnel)、URL フィルタリング(url)、WildFire への送信(wildfire)マッチ リストの「ログ タイプ」で種類を選んでエントリを追加する。作ったプロファイルはセキュリティ ポリシーに割り当てる

ログフォーマットの変更

監視や分析の要件に合わせて、送るログの形式を変えることもできます。Syslog サーバ プロファイルの「カスタム ログ フォーマット」タブで、ログ タイプごとに設定します。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
Syslog サーバー プロファイル(Syslog_Profile_1) ›› カスタム ログ フォーマット
ログ タイプカスタム フォーマット
設定デフォルト
1システムデフォルト
脅威デフォルト
トラフィックデフォルト
URLデフォルト
データデフォルト
WildFireデフォルト
⋮ (中略)
☐ エスケープ
エスケープされた文字 
エスケープ文字 
ログ フォーマットの編集(システム ログ形式)
2フィールドactionflags、device_name、eventid、module、object、receive_time、serial、severity …
システム ログ形式 
図7 カスタム ログ フォーマット(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1ログ タイプ既定はどれも「デフォルト」。変えたいログ タイプをダブルクリックすると、「ログ フォーマットの編集」が開く
2フィールド、ログ形式左のフィールド名をクリックすると、ログ形式の欄に追加される。送りたいフィールドを並べて形式を作る

各ログのフィールドの意味は、次のドキュメントで確認できます。

>> 参考記事:Syslog Field Descriptions(メーカドキュメント)

ログのフィルタリング

送るログが多すぎると、大事なログが埋もれたり、Syslog サーバの容量を圧迫したりします。必要なログだけを送るには、「ログ設定」や「ログ転送プロファイル」のフィルタで条件を指定します。フィルタに使える項目は、ログの種類によって違います。

ログ設定のフィルタ

システム ログの例で見ていきます。ログ設定の「フィルタ」の右端にある下向きのマークをクリックし、「フィルタ ビルダー」をクリックすると、「フィルタの作成」画面が開きます。

たとえば、重大度が critical のログだけを送る場合は、属性で「重大度」、演算子で「equal」、値で「critical」を選び、「追加」をクリックします。上の欄に (severity eq critical) という条件が入ります。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
ログ設定 – システム ›› フィルタ ビルダー ›› フィルタの作成
5フィルタ(severity eq critical)
結合子属性演算子値
and
or
イベント
オブジェクト
タイプ
内容
受信日時
生成日時
1重大度
2equal
次の値と等しくない
次の値以上
次の値以下
informational
low
medium
high
3critical
4追加OKキャンセル
図8 フィルタの作成(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1属性重大度
2演算子equal(次の値と等しい)
3値critical
4追加条件をフィルタの欄に追加する
5フィルタ(severity eq critical) が入る。結合子 and/or で条件を重ねることもできる

作ったフィルタで正しくログが絞り込まれるかは、「フィルタリングされたログの表示」タブで確認できます。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
フィルタの作成 ›› フィルタリングされたログの表示 (severity eq critical)
受信日時タイプ重大度イベントオブジェクト内容
11/11 20:38:52dynamic-updates1criticalpalo-alto-networks-messageUrgent Action required: PAN-OS Certificate Expiration on Dec 31 2023. …
11/11 20:24:41dhcpcriticalif-clearethernet1/2DHCP client cleared IP address on interface:ethernet1/2 due to: Lease expiry
10/29 05:41:37cryptocriticalprivate-key-exportPrivate key PA-Cert-Authority was exported by user (伏せています)
⋮ (中略)
図9 フィルタリングされたログの表示(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1重大度:critical(赤の表示)表示されたログがすべて critical で、フィルタどおりに絞り込まれている

ログ転送プロファイルのフィルタ

ログ転送プロファイルのマッチ リストでも、「フィルタ」で同じように条件を指定できます。手順はログ設定と同じなので省略します。

サービスルートの設定(送信元インタフェースの変更)

既定では、Syslog メッセージは管理インタフェースから送られます。管理インタフェースから Syslog サーバに届かないネットワーク構成の場合は、「サービスルート」の設定で、送信元のインタフェースを変えられます。

Device ›› セットアップ ›› サービス を開き、「サービス機能」の「サービスルートの設定」をクリックします。「カスタマイズ」を選び、「IPv4」タブの「Syslog」をクリックします。「送信元インターフェイス」と「送信元アドレス」を選んで「OK」をクリックし、一覧の Syslog の行が変わったことを確認して「OK」をクリックします。最後に Commit して反映します。

PA-VM(Web インタフェース)画面イメージ
Device ›› セットアップ ›› サービス ›› サービスルートの設定
1○ すべてに管理インターフェイスを使用◉ カスタマイズ
サービスルート送信元(syslog)
2送信元インターフェイスethernet1/1
送信元アドレス(伏せています)/24
3OKキャンセル
図10 サービスルートの設定(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1カスタマイズサービスごとに送信元を変えられるようにする
2送信元インターフェイス、送信元アドレスSyslog を送るインタフェース(今回は ethernet1/1)と、そのインタフェースのアドレス
3OK設定を保存し、Commit で反映する

うまくいかないとき

状態よくある原因確認すること
ログが Syslog サーバに届かない管理インタフェースから Syslog サーバに届かない経路と、途中のファイアウォールで Syslog のポートが通るか。必要ならサービスルートで送信元を変える
同上転送方式やポートがサーバと合っていないUDP/TCP/SSL とポート番号が、Syslog サーバの待ち受けと一致しているか
システム ログは届くが、トラフィック ログが届かないポリシーにログ転送プロファイルを割り当てていないセキュリティ ポリシーのアクション タブで、ログ転送とセッション終了時のログが設定されているか
ログは届くが、サーバ側で正しく解析されないフォーマットやカスタム形式がサーバの想定と違うBSD/IETF の選択と、カスタム ログ フォーマットの内容

まとめ

項目設定場所今回の設定
送り先Device ›› サーバー プロファイル ›› SyslogSyslog_Profile_1(UDP/514/BSD/LOG_USER)
システム ログDevice ›› ログ設定LOG_Setting(All Logs → Syslog_Profile_1)
トラフィック ログObjects ›› ログ転送LOG_Forwarding(LOG_Traffic:traffic、All Logs → Syslog_Profile_1)
ポリシーへの割り当てPolicies ›› セキュリティ ›› アクションログ転送:LOG_Forwarding
フォーマット(任意)Syslog サーバ プロファイル ›› カスタム ログ フォーマットログ タイプごとにフィールドを並べる
フィルタ(任意)ログ設定/ログ転送プロファイル ›› フィルタ例:(severity eq critical)
送信元(任意)Device ›› セットアップ ›› サービス ›› サービスルートの設定Syslog:ethernet1/1

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