【VMWare ESXi】図解 仮想ネットワーク・仮想スイッチの概要

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この記事では、VMware ESXi の仮想ネットワークの考え方と、仮想マシンが実際にどのようにネットワークの通信を送受信しているのかを、図で整理します。

この記事でわかること
  1. 仮想 NIC、仮想スイッチ、ポートグループの関係
  2. アップリンク(物理 NIC)と VMkernel ポートの役割
  3. 標準スイッチと分散スイッチの違い

仮想ネットワークインタフェース(vNIC)

仮想マシンには、ネットワークにつながった物理マシンと同じように、ネットワークインタフェースカード(NIC)があります。この NIC を仮想 NIC(vNIC)といいます。

仮想マシンゲスト OSvNIC仮想スイッチOS からは普通の NIC に見える
図1 仮想マシンの仮想 NIC(vNIC)

仮想マシンのゲスト OS からは、この NIC が物理デバイスではなく仮想のものだとはわかりません。物理 NIC がつながっているのと同じように扱います。

仮想スイッチ

物理マシンと同じように、仮想マシンもネットワークにつなぐ必要があります。仮想マシンは、ESXi の中にある仮想スイッチに接続します。

ESXiホストVMVMVM仮想スイッチ
図2 仮想マシンは ESXi ホストの中の仮想スイッチにつながる

ポートグループ

仮想マシンは、仮想スイッチ上のポートグループに接続します。ポートグループは、同じ設定を使う仮想マシンのポートをまとめたものです。ポートグループには VLAN を割り当てられ、セキュリティポリシーや NIC チーミングなどの設定も、ポートグループ単位で決められます。

ESXiホストVMVMVM仮想スイッチポートグループ(VLAN100)ポートグループ(VLAN200)
図3 ポートグループに VLAN を割り当てる

同じ仮想スイッチの同じポートグループ(同じ VLAN)につながっている仮想マシンどうしは、直接通信できます。

たとえば、仮想マシンが2台あり、どちらも VLAN100 のポートグループにつながっている場合、仮想マシン間の通信は仮想スイッチの中で完結します。

ESXiホストVMVMVM仮想スイッチポートグループ(VLAN100)ポートグループ(VLAN200)直接通信
図4 同じ VLAN の仮想マシンどうしは、仮想スイッチの中で通信する

アップリンク(物理 NIC)

ほかのホストの仮想マシンや外部の機器と通信するには、ESXi ホストの物理 NIC を経由する必要があります。ESXi ホストにも物理的なネットワークインタフェースがあり、物理スイッチにつながっています。

ESXi はこの物理 NIC を vmnic0、vmnic1 … という名前で扱います。仮想スイッチは、アップリンクとして割り当てた物理 NIC(vmnic)を通して外部とつながります。

ESXi ホストの外に送るパケットは、仮想スイッチからアップリンクの物理 NIC を通って、外部の物理スイッチへ転送されます。

ESXiホストVMVMVM仮想スイッチポートグループ(VLAN100)ポートグループ(VLAN200)アップリンク物理 NIC(vmnic0)物理スイッチVMkernel ポート管理・vMotion・IP ストレージ など
図5 アップリンクの物理 NIC(vmnic)から外部の物理スイッチへ

たとえば、仮想マシンが2台あり、それぞれ VLAN100 と VLAN200 のポートグループにつながっているとします。

仮想スイッチはルーティングをしないので、VLAN が違う仮想マシンどうしは、仮想スイッチの中だけでは通信できません。外部の物理スイッチ(L3 スイッチ)やルータに出て、ルーティングで戻ってくる必要があります。

ESXiホストVMVMVM仮想スイッチポートグループ(VLAN100)ポートグループ(VLAN200)アップリンク物理 NIC(vmnic0)物理スイッチ(L3)ポートグループ(VLAN100)ポートグループ(VLAN200)アップリンク物理 NIC(vmnic0)物理スイッチ(L3)← ここでルーティング
図6 VLAN が違う仮想マシン間は、外部の L3 スイッチでルーティングする

VMkernelポート

VMkernel ポート(VMkernel アダプタ)は、仮想マシンではなく ESXi ホスト自身の通信に使う、仮想スイッチ上の特別なポートです。管理通信(vCenter Server との通信)、vMotion、IP ストレージ(iSCSI、NFS)、vSAN、Fault Tolerance のログなどのトラフィックを扱います。図5の右側の VMkernel ポートがこれにあたります。

仮想スイッチの種類

仮想スイッチには、標準スイッチ(vSphere Standard Switch)と分散スイッチ(vSphere Distributed Switch)があります。

標準スイッチ

標準スイッチは、ESXi ホストごとに独立した仮想スイッチです。図5の仮想スイッチは標準スイッチの例です。

ESXi ホストが少なければ標準スイッチでもかまいませんが、ホストが多くなると、次のようにホストごとに仮想スイッチを設定・管理する必要があり、運用の負担になることがあります。

ESXiホストVMVM標準スイッチ個別に設定・管理ESXiホストVMVM標準スイッチ個別に設定・管理・・・多数のホスト標準
図7 標準スイッチはホストごとに設定・管理が必要

そこで、ある程度の規模の環境では、分散スイッチがよく使われます。

分散スイッチ

分散スイッチは、複数の ESXi ホストにまたがって共有する仮想スイッチです。設定は vCenter Server で一元管理し、各ホストに反映されます。実際にパケットを転送する部分(データプレーン)は、各ホストにあります。

標準スイッチのようにホストごとに仮想スイッチを設定・管理する必要がないので、ネットワーク構成を管理しやすくなります。

vCenter Server設定を一元管理ESXiホストVMVM物理 NICESXiホストVMVM物理 NICESXiホストVMVM物理 NIC分散スイッチ(複数のホストで共有)
図8 分散スイッチは複数のホストで共有し、vCenter Server で一元管理する

また、LACP(リンクアグリゲーション)、ポートミラーリング(SPAN)、NetFlow(IPFIX)などは、標準スイッチにはなく、分散スイッチで使える機能です。

項目標準スイッチ分散スイッチ
範囲ESXi ホストごと複数の ESXi ホストで共有
管理ホストごとに設定vCenter Server で一元管理
LACP・ポートミラーリング・NetFlow使えない使える

仮想スイッチを使った NIC チーミングについては、次の記事を参考にしてください。

>> 参考記事:【VMware ESXi】図解 NICチーミングの種類と動作概要

まとめ

用語ポイント
vNIC仮想マシンの NIC。ゲスト OS からは物理 NIC と同じに見える
仮想スイッチESXi の中で仮想マシンをつなぐスイッチ。ルーティングはしない
ポートグループVLAN やセキュリティポリシーなどを決める単位
アップリンク(vmnic)仮想スイッチを外部の物理スイッチにつなぐ物理 NIC
VMkernel ポート管理・vMotion・IP ストレージなど、ESXi 自身の通信に使う
標準/分散スイッチホストごとに管理するか、vCenter Server で一元管理するか

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