【VMWare ESXi】図解 ハイパーバイザの概要

VMWare ESXiを導入するうえでの仮想マシンやハイパーバイザの概要について、記事にします。

仮想マシンを使用しない通常の物理サーバ構成では、基本的にCPU・メモリ、ディスクの物理リソースを1つのOSがすべて占有します。

1つのOSで占有しているため、物理リソースを効率的に使用することができません。複数のOSで、これらの物理リソースを共有できないか考えられたのが仮想マシンです。

仮想マシンは、オペレーテョングシステム(OS)を持ち、OSから見ると、自分はあたかも物理サーバの上で動作しているように見えます。

スポンサーリンク

ハイパーバイザ(VMWare ESXi)

仮想マシンは、物理サーバにハイパーバイザをインストールすることで構築します。

ハイパーバイザは、仮想マシンと物理リソースの間にはいり、物理リソースを抽象化し、隠します。ハイパーバイザ上で動作する仮想マシンのOSをゲストOSと呼びます。ゲストOSから物理リソースへのアクセスはハイパーバイザ経由でのアクセスとなります。

このように動作することで、ハイパーバイザはゲストOSに物理リソースを仮想化して提供します。ゲストOSから見ると、自身が仮想マシン上で実行されているとは思っていません。物理サーバ構成と同様に、仮想化された物理リソースを自身が占有できるリソースと認識します。

仮想マシンは専用の物理リソースを持っていませんが、ゲストOSはそのことを知らないので、他の多くの仮想マシンと一緒に物理サーバー上で動作させることができます。このように複数の仮想マシンで、物理リソース(CPU、メモリ、ネットワーク、ストレージ)を共有できるのが仮想化のメリットです。

1台目の仮想マシン(VM)には、CPU 4コア、メモリ 8GB 、2台目は、CPU 8コア、メモリ 16GBなどのようにリソースを割り当て、仮想マシンと物理リソースの間に存在するハイパーバイザがこれらをうまく制御します。

また、VMware ESXiを導入している物理サーバは、よくESXiホストと呼ばれます。

スポンサーリンク

リソース割り当て

では、ESXiが物理リソースをどうようにゲストOSに割り当てるのかを確認していきます。

CPU/メモリの割り当て

CPUは、物理的なCPU(ソケット)の中に、複数のコアを持ちます。

コアの数だけ処理を同時並行できるようになります。 1つのCPUに2つコアがある場合は、デュアルコア 、4つコアがある場合は、クアッドコアといいます。もちろん、それ以上のコア数のものも存在します。

基本的には、ESXiホスト上に搭載されているCPUから、仮想マシン(ゲストOS)に対して、このコアを割り当てます。

例えば、ESXiホスト上で、CPUで4コア使える状態であるとし、2台の仮想マシン(VM1,VM2)がある場合、例えば、1台につき、2コアずつ割り当てることができます。

上の条件で、VM1,VM2に4コアずつ割り当てることもできます。これをオーバーコミットといいます。 複数の仮想マシンが同時にCPUを占有するようなことが少ないケースが多く、そのような場合、オーバーコミットにより、不必要な物理CPUリソースを削減できます。

ただし、あまりにオーバコミットしすぎると、性能に影響がでる可能性もあるため、注意が必要です。

メモリに関してもCPU同様で、ESXiホスト上のメモリを仮想マシンに割り当てます。

例えば、ESXiホスト上で24GBが使用できるものとし、2台の仮想マシン(VM1,VM2)がある場合、それぞれに8GB,16GBなど割り当てることができます。

仮想マシンに対して、24GBを超える割り当て(例えば、VM1を16GBにする)し、オーバーコミットもできますが、メモリの場合は、性能インパクトが大きく、オススメはできません。 設定する場合は、十分な注意が必要です。

ディスク(ストレージ)の割り当て

仮想マシンは、ハイパーバイザを通して、ストレージへアクセスできる必要があります。

例えば、ESXiが読み書きできるようにvSphere 仮想マシン ファイル システム (VMFS)へフォーマットされたデータストア(仮想マシン実体が格納される領域)を作成し、仮想マシンは自身の仮想化されたストレージアダプタからデータストア内の仮想ディスクにアクセスします。

仮想マシンには、このデータストア内の容量からディスクを割り当てます。

以下の記事も参考にしてください。

>> 参考記事 : 【VMWare ESXi】図解 仮想ストレージ(仮想ディスク、データストア)の概要

ネットワーク(NIC)の割り当て

仮想マシンは、ネットワークを通して、自身以外(ESXiホストの外部を含む)へ接続できる必要があります。ハイパーバイザーはネットワークも仮想化して、仮想マシンに提供します。

仮想マシンは仮想のネットワークインタフェースカード(vNIC)が割り当てられ、ハイパーバイザーが提供する仮想スイッチに接続されます。

仮想スイッチは、ESXiホストの外部とも接続できるよう、ホストの物理NICへのアップリンク(VMNIC)接続を持ちます。

以下の記事も参考にしてください。

>> 参考記事 : 【VMWare ESXi】図解 仮想ネットワーク・仮想スイッチの概要

コメント