【ChatGPT】ネットワーク設計の効率化(サブネット分割)

この記事では、ネットワーク設計においてChatGPTが活用できないか考えたいと思います。
ネットワーク設計のうち、サブネット分割について、ChatGPTの力を借りることで効率化を図れないか確認してみます。
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サブネット分割の基本

サブネット分割とは、クラスに基づいたネットワークアドレスを分割することで、IPアドレスの無駄を減らす手法です。ネットワーク部として利用できるビット数を増やすことによって、1つのネットワークアドレスを複数のネットワークアドレスに分割することができます。
例えば、クラスBの172.16.0.0/16というネットワークアドレスを、サブネットマスクを/24にずらすことで、256個のネットワークアドレスに分割することができます。
サブネット分割の目的は、IPアドレスの節約やネットワーク管理の容易さなどが挙げられます。
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ChatGPTを使ったサブネット設計の例

企業ネットワークを想定したサブネット分割を、ChatGPT(GPT-4)で処理させてみました。

素案の作成

架空のネットワークを想定し、172.16.0.0/16のネットワークを、イントラ用、ストレージ用、管理用など、サブネットに必要なホスト数を定義のうえ、分割します。これらの要件をChatGPTに入力することで、サブネット分割案を出力させます。サブネットの命名をしてもらいます。
プロンプト

ネットワークアドレスをサブネットに分割します。

入力情報は、サブネットの使用用途と必要なホスト数の一覧です。

ホスト数の内訳には、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは含まれません。

出力内容を表形式で出力してください。

# ネットワークアドレス
172.16.0.0/16

# 入力情報
イントラネットワーク用 200
ストレージ用 200
バックアップ通信用 150
ネットワーク管理用 50
DMZ用 30
無線LAN用 500
閉域網WAN 30
東京本社 200
大阪支社 100
九州支社 100

# 出力内容
わかりやすいサブネット名称(英語)
サブネット(CIDR形式)
割り当て可能なホストアドレスの範囲

ChatGPTの回答
以下に、サブネットの割り当てと各サブネットのホストアドレス範囲を表形式で示します。
サブネット名称 サブネット (CIDR形式) 割り当て可能なホストアドレスの範囲
Intranet 172.16.0.0/24 172.16.0.1 – 172.16.0.254
Storage 172.16.1.0/24 172.16.1.1 – 172.16.1.254
Backup_Comm 172.16.2.0/24 172.16.2.1 – 172.16.2.254
Network_Mgmt 172.16.3.0/26 172.16.3.1 – 172.16.3.62
DMZ 172.16.3.64/27 172.16.3.65 – 172.16.3.94
Wireless_LAN 172.16.4.0/23 172.16.4.1 – 172.16.5.254
Private_WAN 172.16.6.0/27 172.16.6.1 – 172.16.6.30
Tokyo_HQ 172.16.6.32/24 172.16.6.33 – 172.16.6.254
Osaka_Branch 172.16.7.0/25 172.16.7.1 – 172.16.7.126
Kyushu_Branch 172.16.7.128/25 172.16.7.129 – 172.16.7.254
ネットワークアドレス 172.16.0.0/16 を上記のようにサブネットに分割しました。各サブネットには、指定されたホスト数を割り当てることができます。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは、割り当て可能なホストアドレスの範囲に含まれていません。
素案としてのサブネット分割案が提示されました。

割り当てサブネットの見直し

一部の用途のサブネットを変更しい場合は、この会話の続きで、追加プロンプトをすると、変更してくれます。

プロンプト

Private_WANを、172.16.10.0から開始するように再検討してください。

ChatGPTの回答

プロンプトどおり、Private_WANのサブネットが172.27.10.0/27に変更されました。

サブネット名称の見直し

サブネット名称を変更したい場合、この会話の続きで、追加プロンプトをすると、変更してくれます。

プロンプト

サブネット名称をもっとわかりやすいものに再検討してください。

ChatGPTの回答

プロンプトどおり、サブネット名称が見直されました。

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ChatGPT活用によるメリットと注意点

ChatGPTを活用することで、ネットワークエンジニアが一から手作業で実施している内容を、短時間で効率よく、設計案を作成することができました
ただし、ChatGPTの計算ミスや出力ミスが発生する可能性があります。何回か同様のプロンプトを実施したところ、ホスト数を収容できない小さなサブネットが割り当てられることがありました。
この場合、会話の続きで、間違いを指摘すると、正しいサブネットに再割り当てしてくれます。
今回に限った話ではないですが、ChatGPTの出力内容は、必ずミスがないか人間の目で確認する必要があります。

とはいえ、かなりの作業負担が軽減されます。これからも、ネットワークに限らず、インフラ構築業務におけるChatGPTの活用を模索していきたいと思います。

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