【AWS】ネットワーク(リージョン、AZ、VPC、サブネット)設定確認

AWS でサービスを提供したり仮想サーバを作ったりするときは、まずネットワークを用意します。この記事では、AWS のネットワークの土台になるリージョン、アベイラビリティゾーン(AZ)、VPC、サブネットの関係を整理し、東京リージョンに VPC とサブネットを作る手順を確かめます。

この記事でわかること
  1. リージョンとアベイラビリティゾーン(AZ)の関係
  2. VPC とサブネットの範囲(リージョン、AZ との関係)と CIDR の決め方
  3. サブネットで使えるアドレスの数(AWS が予約する5つ)
  4. コンソールで VPC とサブネットを作る手順

リージョン(Region)とアベイラビリティゾーン(AZ)

ネットワークを作るときに最初に決めるのが、リージョンとアベイラビリティゾーンです。

リージョン(Region)

リージョンは、AWS がサービスを提供している地域です。東京(ap-northeast-1)や大阪(ap-northeast-3)のように、地理的に離れた場所ごとに分かれています。リソースはリージョンごとに作るので、まずどのリージョンを使うかを決めます。

アベイラビリティゾーン(AZ)

アベイラビリティゾーン(AZ)は、リージョンの中にある1つ以上のデータセンタのまとまりです。1つのリージョンには少なくとも3つの AZ があります。サーバを複数の AZ に分けて置いておけば、1つの AZ に障害が起きても、ほかの AZ でサービスを続けられます。

リージョン(例:東京 ap-northeast-1)AZ 1データセンタ(1つ以上)AZ 2データセンタ(1つ以上)AZ 3データセンタ(1つ以上)AZ 同士は離れた場所にあり、低遅延のネットワークでつながる
図1 リージョンとアベイラビリティゾーン

リージョンと AZ の一覧は、次のページで確認できます。検証時(2021年7月)の日本には、東京リージョン(AZ は4つ)と大阪リージョン(AZ は3つ)がありました。

使えるサービスはリージョンによって違います。使いたいサービスが、選んだリージョンで提供されているかも確かめておきます。

AZ の名前と AZ ID

ap-northeast-1a のような AZ の名前と物理的な場所の対応は、古いリージョンでは、2025年11月より前に作ったアカウントごとに違う場合があります。複数のアカウントで同じ AZ を使いたいときは、apne1-az1 のような AZ ID で確かめます。

VPC(Virtual Private Cloud)

VPC は、AWS の中に作る自分専用の仮想ネットワークです。ほかの VPC とは論理的に分けられていて、IP アドレスの範囲を決め、サブネットやゲートウェイを足していきます。

VPC はリージョンを決めてから作ります。1つの VPC は、そのリージョンのすべての AZ にまたがって使えますが、リージョンをまたぐことはできません。一方、サブネットは1つの AZ の中に作り、AZ をまたぐことはできません。

東京リージョンAZ aAZ cVPC:リージョン内の AZ をまたげるサブネット1つの AZ の中サブネット1つの AZ の中AZ をまたぐサブネットは作れない大阪リージョン別の VPC を作るVPC はリージョンをまたげない
図2 VPC とサブネットの範囲

VPC を作るときは、VPC の中で使う IPv4 アドレスの範囲を CIDR 形式(例:10.0.0.0/16)で決めます。指定できるプレフィックス長は /16(65,536 アドレス)から /28(16 アドレス)までです。範囲には、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16 のプライベートアドレス(RFC 1918)を使うのが基本です。最初に決めた CIDR はあとから変えられないので、オンプレミスやほかの VPC と重ならないように、余裕を持って決めます。

VPC の範囲を小さく分けたものがサブネットです。この記事では、VPC の 10.0.0.0/16 から 10.0.1.0/24 と 10.0.2.0/24 を切り出して使います。サブネットのプレフィックス長も /16 から /28 までです。

VPC 10.0.0.0/16 を /24 ずつに分けた場合(256 個)10.0.0.0/2410.0.1.0/2410.0.2.0/2410.0.3.0/24…10.0.255.0/24public-subnetprivate-subnet.0ネットワーク.1VPC ルータ.2DNS.3予約.4 〜 .254使える 251 個.255ブロードキャスト10.0.1.0/24 の 256 アドレスのうち、先頭の4つと最後の1つは AWS が予約する
図3 VPC の CIDR とサブネット

サブネットでは、先頭の4つと最後の1つのアドレスを AWS が予約しています。/24 のサブネットなら、256 アドレスのうちインスタンスなどに使えるのは 251 個です。

10.0.1.0/24 の場合用途
10.0.1.0ネットワークアドレス
10.0.1.1AWS が VPC ルータ用に予約
10.0.1.2AWS が DNS サーバ用に予約
10.0.1.3AWS が将来の利用のために予約
10.0.1.255ブロードキャストアドレス(VPC はブロードキャストをサポートしないが予約される)

VPC 設定

東京リージョンに VPC を作り、ap-northeast-1a の AZ に2つのサブネットを作ります。

リージョン(東京:ap-northeast-1)VPC 10.0.0.0/16(MyVPC)アベイラビリティゾーン(ap-northeast-1a)public-subnet10.0.1.0/24private-subnet10.0.2.0/24
図4 この記事で作る構成

リージョンを指定する

コンソール右上のリージョン名をクリックし、一覧から アジアパシフィック (東京) ap-northeast-1 を選びます。次に、上部の検索欄に VPC と入れ、表示されたリンクから VPC の画面を開きます。

VPC を作る

VPC ›› お使いの VPC ›› VPC を作成 を開きます。

画面イメージについて

この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。AWS のコンソールは画面の構成や表記がよく変わるので、今の画面とは違う場合があります。VPC やサブネットの ID は省いています。

VPC コンソール(VPC を作成)画面イメージ
VPC の設定
1名前タグ – オプションMyVPC
2IPv4 CIDR ブロック10.0.0.0/16
IPv6 CIDR ブロック◉ IPv6 CIDR ブロックなし
○ Amazon 提供の IPv6 CIDR ブロック
○ IPv6 CIDR 所有 (ユーザー所有)
テナンシーデフォルト
タグ
キー/値Name MyVPC
キャンセル3VPC を作成
図5 VPC の作成(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1名前タグ任意の名前です。この記事では MyVPC にします。入れた名前は、キー Name のタグとして下に自動で入ります。
2IPv4 CIDR ブロックこの VPC で使う IPv4 アドレスの範囲です。この記事では 10.0.0.0/16 にします。
3VPC を作成クリックすると、画面上部に「(VPC の ID)/ MyVPC が正常に作成されました」と表示されます。

IPv6 は使わないので「IPv6 CIDR ブロックなし」、テナンシーは「デフォルト」のままにします。テナンシーを「専有」にすると、インスタンスが専有のハードウェアで動き、料金が上がります。

左のメニューの「VPC」で一覧を開くと、MyVPC が 10.0.0.0/16 で作られています。

VPC コンソール(お使いの VPC)画面イメージ
Name状態IPv4 CIDR
– Available172.31.0.0/16
1MyVPC Available10.0.0.0/16
図6 VPC の一覧(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)
No.表示意味
1MyVPC/Available/10.0.0.0/16作った VPC です。緑の「Available」は、VPC が使える状態であることを表します。

名前のない 172.31.0.0/16 の VPC は、リージョンごとに最初から用意されているデフォルト VPC です。デフォルト VPC には AZ ごとのデフォルトサブネットとインターネットゲートウェイが付いていて、すぐにインスタンスを置けます。この記事では、自分で作った MyVPC を使います。

サブネットを作る

VPC の 10.0.0.0/16 から、2つのサブネット(10.0.1.0/24 と 10.0.2.0/24)を作ります。VPC ›› サブネット ›› サブネットを作成 を開きます。

VPC コンソール(サブネットを作成)画面イメージ
VPC
1VPC IDMyVPC(10.0.0.0/16)
サブネットの設定 サブネット 1 (1 個中)
2サブネット名public-subnet
3アベイラビリティーゾーンアジアパシフィック (東京) / ap-northeast-1a
4IPv4 CIDR ブロック10.0.1.0/24
新しいサブネットを追加キャンセル5サブネットを作成
図7 サブネットの作成(実際の画面ではなく、設定項目のポイントを示したイメージです)
No.項目設定内容
1VPC IDサブネットを作る VPC です。MyVPC を選びます。
2サブネット名任意の名前です。インターネットに公開するサブネットとして使うので、public-subnet にします。
3アベイラビリティーゾーンサブネットを置く AZ です。この記事では ap-northeast-1a を選びます。「指定なし」にすると AWS が選びます。
4IPv4 CIDR ブロックVPC の 10.0.0.0/16 の範囲から切り出す範囲です。10.0.1.0/24 にします。
5サブネットを作成クリックすると作成されます。「新しいサブネットを追加」で、1回の操作で複数のサブネットを作ることもできます。
VPC コンソール(サブネット)画面イメージ
Name状態VPCIPv4 CIDR
1public-subnet AvailableMyVPC10.0.1.0/24
図8 作成したサブネット(実際の画面ではなく、表示のポイントを示したイメージです)

画面上部に「1 件のサブネットが正常に作成されました」と表示され、一覧に public-subnet が緑の「Available」で追加されます。

同じ手順で、インターネットに公開しないサブネットも作ります。

項目public-subnetprivate-subnet
VPCMyVPCMyVPC
アベイラビリティーゾーンap-northeast-1aap-northeast-1a
IPv4 CIDR ブロック10.0.1.0/2410.0.2.0/24

これで、図4の構成ができました。ただし、この時点ではどちらのサブネットもインターネットには出られません。サブネットにインターネットゲートウェイや NAT ゲートウェイへのルートを設定して、はじめて「パブリック」「プライベート」の違いが生まれます。

本番で使うときは

この記事では手順を簡単にするため、2つのサブネットを同じ AZ(ap-northeast-1a)に置いています。本番では、AZ の障害に備えて、パブリック用とプライベート用のサブネットを2つ以上の AZ に1つずつ作るのが一般的です。RDS のサブネットグループのように、2つ以上の AZ のサブネットを求めるサービスもあります。

まとめ

単位範囲この記事の設定
リージョン地理的な地域。リソースはリージョンごとに作る東京(ap-northeast-1)
アベイラビリティゾーンリージョンの中の、1つ以上のデータセンタのまとまりap-northeast-1a
VPCリージョンの中で、すべての AZ にまたがる仮想ネットワークMyVPC(10.0.0.0/16)
サブネット1つの AZ の中に作る、VPC の範囲の一部public-subnet(10.0.1.0/24)、private-subnet(10.0.2.0/24)

VPC とサブネットを作っただけでは、サブネットはインターネットにつながりません。次の記事では、ルートテーブル、インターネットゲートウェイ、NAT ゲートウェイを設定し、サブネットからインターネットに接続できるようにします。

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