AWS のアカウントを作ったあと、最初に使えるのはアカウント作成時のメールアドレスでサインインするルートユーザです。実際の作業はルートユーザでは行わず、作業用のユーザ(IAM ユーザ)を作って使います。この記事では、マネジメントコンソールで IAM ユーザを1つ作り、そのユーザでサインインするまでを確かめます。
- ルートユーザと IAM ユーザの違い
- IAM ユーザの作成手順(コンソールのパスワード、ポリシー、確認)
- IAM ユーザ用のサインイン URL と、サインインの確認
ルートユーザと IAM ユーザ
AWS アカウントを作ると、アカウント作成時のメールアドレスとパスワードでサインインするルートユーザができます。ルートユーザは、アカウントのすべての AWS サービスとリソースに完全にアクセスでき、アカウントの設定変更や解約のように、ルートユーザにしかできない操作もあります。
そのため、ルートユーザは日常の作業には使わず、ルートユーザでしかできない操作のときだけ使うことが推奨されています。普段の作業には、アカウントの中に作る IAM ユーザを使います。
IAM ユーザには、ポリシーで必要な権限を付けて、仮想マシンの作成などの作業を行います。複数の人が作業する場合は、1人に1つずつ IAM ユーザを割り当てると、ユーザごとに権限を変えられます。AWS CloudTrail の記録にも、どの IAM ユーザが操作したかが残ります。
この記事は、個人の検証環境で作業用の IAM ユーザを作った手順です。現在の AWS のベストプラクティスでは、人が使うアカウントには IAM Identity Center などのフェデレーションで一時的な認証情報を使うことが推奨されています。複数の人や複数のアカウントで使う環境では、IAM Identity Center も検討してください。
また、ルートユーザには MFA(多要素認証)を設定しておきます。
IAM ユーザの作成
マネジメントコンソールにルートユーザでサインインし、左上の「サービス」をクリックします。検索欄に IAM と入れて IAM の画面を開き、IAM ›› アクセス管理 ›› ユーザー を開いて「ユーザーを追加」をクリックします。
この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時(2020年)の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。AWS のコンソールは画面の構成や表記がよく変わるので、今の画面とは違います。ユーザ名、アカウント ID は伏せています。
現在のコンソールでは、ボタンの名前が「ユーザーの作成」になり、ユーザーの詳細の指定、許可の設定、確認と作成の順に進みます(タグは確認の画面で付けられます)。アクセスキー(プログラムによるアクセス)は、ユーザを作ったあとに、そのユーザの「セキュリティ認証情報」タブで作ります。設定する項目の意味は同じなので、この記事では検証時の画面の順に説明します。
ユーザー詳細を設定する
ユーザ名と、AWS へのアクセスの種類、コンソールのパスワードを決めます。
| 1ユーザー名 | (伏せています) |
| 2アクセスの種類 | ☐ プログラムによるアクセス ☑ AWS マネジメントコンソールへのアクセス |
| 3コンソールのパスワード | ○ 自動生成パスワード◉ カスタムパスワード •••••••••••••• |
| 4パスワードのリセットが必要 | ☐ ユーザーは次回のサインインで新しいパスワードを作成する必要があります |
| No. | 項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| 1 | ユーザー名 | サインインに使う名前です。作業する人がわかる名前にします。 |
| 2 | アクセスの種類 | 「AWS マネジメントコンソールへのアクセス」にチェックします。「プログラムによるアクセス」は、AWS CLI や SDK で使うアクセスキーを作るときに選びます。 |
| 3 | コンソールのパスワード | ここでは「カスタムパスワード」を選び、自分でパスワードを決めます。パスワードは、アカウントのパスワードポリシーを満たす必要があります。 |
| 4 | パスワードのリセットが必要 | 自分で使うユーザなので、チェックを外します。ほかの人にユーザを渡す場合は、チェックを入れて、最初のサインインで本人にパスワードを変えてもらいます。 |
| 5 | 次のステップ: アクセス権限 | 権限の設定に進みます。 |
アクセス権限を設定する
IAM ユーザに付ける権限を決めます。AWS には、よく使う権限をまとめたポリシー(AWS 管理ポリシー)が用意されています。「既存のポリシーを直接アタッチ」を選ぶとポリシーの一覧が表示されるので、ここではすべてのサービスとリソースを操作できる AdministratorAccess を選びます。
| ポリシー名 | タイプ | 次として使用 | |
|---|---|---|---|
| 2☑ | AdministratorAccess | ジョブ機能 | Permissions policy (1) |
| ☐ | AlexaForBusinessDeviceSetup | AWS による管理 | なし |
| ☐ | AlexaForBusinessFullAccess | AWS による管理 | なし |
| ⋮ (580 件のうち、以下省略) | |||
| No. | 項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| 1 | 権限の付け方 | 「既存のポリシーを直接アタッチ」を選びます。複数のユーザに同じ権限を付けるときは、グループにポリシーを付けて、ユーザをグループに入れる方法もあります。 |
| 2 | AdministratorAccess | AWS 管理ポリシーの1つで、タイプは「ジョブ機能」です。アカウントのすべてのサービスとリソースに対して、すべての操作を許可します。 |
| 3 | 次のステップ: タグ | タグの設定に進みます。 |
AdministratorAccess は、ルートユーザにしかできない操作を除き、ほぼすべての操作ができる強い権限です。個人の検証環境なら作業しやすい権限ですが、複数の人で使う環境では、作業に必要な権限だけを付ける(最小権限)ようにします。AWS 管理ポリシーは誰でも使える汎用のものなので、必要に応じて、用途に合わせたカスタマー管理ポリシーを作ります。
タグを設定する
「タグの追加 (オプション)」の画面では、ユーザにキーと値の組(タグ)を付けられます。部署名などを付けておくと、ユーザの整理や管理に使えます。今回はタグを付けずに「次のステップ: 確認」をクリックします。
設定を確認して作成する
最後に設定内容を確認し、「ユーザーの作成」をクリックします。
| ユーザー名 | (伏せています) |
| 1AWS アクセスの種類 | AWS マネジメントコンソールへのアクセス – パスワードを使用 |
| コンソールのパスワードの種類 | カスタム |
| パスワードのリセットが必要 | いいえ |
| アクセス権限の境界 | アクセス権限の境界が設定されていません |
| タイプ | 名前 |
|---|---|
| 2管理ポリシー | AdministratorAccess |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | ユーザー詳細 | STEP 1 で決めた、コンソールへのアクセス、パスワードの種類、パスワードのリセットの有無が表示されます。 |
| 2 | アクセス権限の概要 | ユーザに付くポリシーです。AdministratorAccess が管理ポリシーとして付きます。 |
| 3 | ユーザーの作成 | クリックすると、IAM ユーザが作られます。 |
サインイン用の URL を控える
次の画面が表示されれば、作成は成功です。IAM ユーザは、アカウントごとのサインイン用 URL(https://(アカウント ID).signin.aws.amazon.com/console)からサインインするので、ブックマークなどに保存しておきます。ログイン手順をメールで送ることもできます。
AWS マネジメントコンソールへのアクセス権を持つユーザーは「https://(伏せています).signin.aws.amazon.com/console」でサインインできます
| ユーザー | ログイン手順を E メールで送信 |
|---|---|
| 2 (伏せています) | E メールの送信 |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 成功(緑) | ユーザが作られました。表示されたサインイン用 URL を控えます。URL にはアカウント ID が入っています。 |
| 2 | 作成したユーザ(緑のチェック) | 作成したユーザの行です。「E メールの送信」で、サインインの手順をメールで送れます。 |
IAM ユーザでサインインする
控えておいたサインイン用 URL にアクセスします。URL から開くと、アカウント ID(12桁)は最初から入っています。STEP 1 で決めたユーザ名とパスワードを入れて、「サインイン」をクリックします。
| 1アカウント ID (12 桁) またはアカウントエイリアス | (伏せています) |
| 2ユーザー名 | (伏せています) |
| パスワード | •••••••••••••• |
| ルートユーザーの E メールを使用したサインイン パスワードをお忘れですか? |
| No. | 項目 | 入力する内容 |
|---|---|---|
| 1 | アカウント ID | サインイン用 URL から開くと入力済みになっています。 |
| 2 | ユーザー名/パスワード | STEP 1 で決めた IAM ユーザの名前とパスワードです。 |
| 3 | サインイン | クリックしてサインインします。ルートユーザでサインインするときは、下のリンクからメールアドレスでサインインします。 |
サインインすると、AWS マネジメントコンソールの画面が表示されます。右上に、サインインしたユーザ名が「ユーザ名 @ アカウント」の形で表示されます。
| サービスを検索する | 例 :Relational Database Service、データベース、RDS |
| 最近アクセスしたサービス | IAM EC2 |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 右上のユーザ名 | 作った IAM ユーザの名前が表示されていれば、IAM ユーザでサインインできています。その右はリージョン(ここでは東京)です。 |
まとめ
| 項目 | この記事の設定 | ポイント |
|---|---|---|
| アクセスの種類 | AWS マネジメントコンソールへのアクセス | アクセスキーは CLI や SDK を使うときだけ作る |
| パスワード | カスタムパスワード、リセット不要 | ほかの人に渡すときはリセットを必要にする |
| 権限 | AdministratorAccess を直接アタッチ | 複数人で使うときは必要な権限だけにする |
| タグ | なし | 任意 |
| サインイン | https://(アカウント ID).signin.aws.amazon.com/console | URL を控えておく |
ルートユーザは日常の作業に使わず、作業用の IAM ユーザを作ってサインインします。このあとの VPC や EC2 の作業は、ここで作った IAM ユーザで行います。
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