Windows 10 では、ユーザーが使うデータや設定が「ユーザープロファイル」として、ユーザーごとに保存されています。この記事では、Windows 10 のユーザープロファイルの場所と中身、ほかのユーザーとの分離のしくみを確認します。
この記事で扱うのは、コンピューターの中に保存されるローカル ユーザープロファイルです。移動ユーザープロファイルについては、下記の記事を参考にしてください。
>> 参考記事:【AD GPO】移動ユーザープロファイルの設定と動作確認
- ユーザープロファイルの種類と、保存される場所
- プロファイルの中身(データのフォルダと、設定を保存する NTUSER.DAT)
- ほかのユーザーのプロファイルとの分離と、管理者による管理
ユーザープロファイルとは
ユーザープロファイルは、ユーザーごとのデータと設定のまとまりです。デスクトップやドキュメント フォルダの中のファイルのほか、デスクトップの背景などの Windows の設定や、アプリの設定も含まれます。
プロファイルは、ユーザーがそのコンピューターに初めてログオンしたときに作られます。2回目以降のログオンでは保存されたプロファイルが読み込まれ、前回ログオフしたときと同じ環境で使えます。プロファイルには、次の種類があります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| ローカル | 初回ログオン時に作られ、そのコンピューターのディスクに保存される。変更はそのコンピューターだけに反映される(この記事で扱う) |
| 移動(ローミング) | プロファイルをサーバの共有フォルダに置き、どのコンピューターにログオンしても同じプロファイルを使う |
| 必須 | 管理者だけが変更できるプロファイル。ユーザーが変えた設定は、ログオフすると失われる |
| 一時 | エラーでプロファイルを読み込めないときに使われる。ログオフすると、変更やファイルは削除される |
ユーザープロファイルの内容
ローカル ユーザープロファイルは、C:\Users フォルダの下に、ログオンしたユーザーごとのフォルダとして保存されます。各フォルダには、データを入れるフォルダと、ユーザー固有の設定を保存した NTUSER.DAT があります(図1)。
ここでは、ユーザー名「takahashis(高橋三郎)」でコンピューターにログオンした例で確認します。
この記事の画面は、実際の画面ではなく、検証時の画面から設定する項目(見るポイント)を抜き出して描いたイメージです。バージョンによって、項目の並びや表記は変わります。
| 名前 | 更新日時 |
|---|---|
| ⋮ (ほかのユーザーのフォルダ) | |
| hirotano | 2023/04/15 12:18 |
| 1takahashis | 2023/04/16 14:12 |
| 2パブリック | 2023/04/11 23:30 |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | takahashis | takahashis のユーザープロファイルのフォルダ。初めてログオンしたときに作られた |
| 2 | パブリック | すべてのユーザーが共通で使えるフォルダ(実際のフォルダ名は Public) |
エクスプローラーでは、C:\Users は「ユーザー」と表示されます。
takahashis のフォルダを開くと、「デスクトップ」や「ドキュメント」などのフォルダがあります。これらが、ユーザープロファイルに保存されているデータです。
| 1フォルダ | 3D オブジェクト OneDrive アドレス帳 お気に入り ダウンロード デスクトップ ドキュメント ピクチャ ビデオ ミュージック リンク 検索 保存したゲーム |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | フォルダ | デスクトップに置いたファイルやドキュメントなど、takahashis のデータが入るフォルダ |
takahashis は自分のデータを参照できますが、ほかのユーザーのデータは参照できません。たとえば、ユーザー「hirotano」のフォルダを開こうとすると、アクセスする許可がないというメッセージが表示されます。
| 1メッセージ | このフォルダーにアクセスする許可がありません。 [続行]をクリックすると、このフォルダーへの永続的なアクセスを取得します。 |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 警告アイコン(黄色) | takahashis には hirotano のフォルダへのアクセス許可がない |
| 2 | [続行] | 盾のマークは管理者権限が必要なことを示す。管理者でない takahashis が押すと、管理者の資格情報を求められる |
ユーザー固有の保存データ
自分のプロファイルは、C:\Users\<ユーザー名> を開くほかに、環境変数 %USERPROFILE% でも開けます。ファイル名を指定して実行(Windows キー+R)で %USERPROFILE% と入力し、[OK]を押します。
| 1名前 | %USERPROFILE% |
| No. | 項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| 1 | 名前 | %USERPROFILE%。ログオンしているユーザーのプロファイルのパス(今回は C:\Users\takahashis)に置き換わる |
| 2 | [OK] | エクスプローラーでプロファイルのフォルダが開く |
takahashis(高橋三郎)のプロファイルのフォルダが開き、図3 と同じフォルダが表示されます。このとき、エクスプローラーのアドレス バーにはフォルダ名ではなく、ユーザーの表示名「高橋三郎」が表示されます。
ユーザー固有の設定データ
ユーザープロファイルには、データだけでなく、ユーザー固有の設定も保存されています。設定は、プロファイルのフォルダの直下にある NTUSER.DAT というファイルに入っています。このファイルは隠しファイルなので、既定では表示されません。
エクスプローラーの[表示]タブで「隠しファイル」にチェックを入れると、NTUSER.DAT が表示されます。同じく隠しフォルダの AppData も表示されます。AppData には、アプリがユーザーごとの設定やデータを保存します。
| 項目チェック ボックス | ☐ |
| ファイル名拡張子 | ☐ |
| 1隠しファイル | ☑ |
| 2表示されたもの | AppData(フォルダ) NTUSER.DAT(ファイル) |
| そのほか | 3D オブジェクト OneDrive アドレス帳 お気に入り ダウンロード ドキュメント ピクチャ ビデオ ミュージック リンク 検索 など |
| No. | 項目 | 設定内容 |
|---|---|---|
| 1 | 隠しファイル | チェックを入れると、隠し属性のファイルとフォルダが表示される |
| 2 | 表示されたもの | 隠しフォルダの AppData と、設定を保存した NTUSER.DAT |
NTUSER.DAT は、レジストリの HKEY_CURRENT_USER のハイブ ファイルです。ユーザーがログオンすると読み込まれ、HKEY_CURRENT_USER として使われます。この中に、ユーザー固有の Windows やアプリの設定が入っています。レジストリ エディター(regedit)で中身を見ることができます。
コンピューター HKEY_CLASSES_ROOT1 HKEY_CURRENT_USER AppEvents Console Control Panel Accessibility Appearance Bluetooth Colors Cursors2 Desktop Input Method International Keyboard Mouse Personalization PowerCfg Quick Actions Sound Environment EUDC Keyboard Layout Network Printers SOFTWARE System Volatile Environment HKEY_LOCAL_MACHINE
| 名前 | 種類 | データ |
|---|---|---|
| CaretTimeout | REG_DWORD | 0x00001388 (5000) |
| CaretWidth | REG_DWORD | 0x00000001 (1) |
| CursorBlinkRate | REG_SZ | 530 |
| DockMoving | REG_SZ | 1 |
| No. | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | HKEY_CURRENT_USER | ログオン中のユーザーの NTUSER.DAT を読み込んだもの |
| 2 | Control Panel\Desktop | カーソルの点滅の速さなど、デスクトップに関するユーザーごとの設定 |
NTUSER.DAT はプロファイルの中でも特に重要なファイルです。削除したり壊れたりすると、ユーザー固有の設定が失われ、プロファイルを正しく読み込めなくなります。プロファイルを読み込めないとき、Windows は一時プロファイルでログオンさせますが、一時プロファイルの変更はログオフすると消えます。NTUSER.DAT を直接操作することはなく、設定はレジストリ エディターや Windows の設定画面から変えます。
ユーザープロファイルの利点
ユーザープロファイルがあるので、家族やチームで1台のコンピューターを共有しても、それぞれの設定やファイルを分けておけます。各ユーザーは、ほかのユーザーの設定やファイルに影響を与えずに、デスクトップを変えたり、ファイルを保存したりできます。
また、プロファイルのフォルダには、既定でそのユーザー本人と管理者、SYSTEM だけがアクセスできるアクセス許可が設定されています。そのため、ほかのユーザーがサインインしても、個人のデータは見られません。
ただし、管理者権限を持つユーザーは、各ユーザーのデータにアクセスできます。不要になったユーザープロファイルの削除も管理者が行います。プロファイルを削除する場合は、システムのプロパティ ›› 詳細設定 ›› ユーザー プロファイル ›› 設定 から削除します。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保存場所 | C:\Users\<ユーザー名>(%USERPROFILE% でも開ける) |
| データ | デスクトップ、ドキュメント、ダウンロードなどのフォルダ。アプリのデータは隠しフォルダの AppData |
| 設定 | 隠しファイルの NTUSER.DAT。ログオン時に読み込まれ、HKEY_CURRENT_USER になる |
| 分離 | ほかのユーザーのプロファイルは開けない。管理者はアクセスと削除ができる |
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